以前ドイツでドイツ語の学校に通っていた時
授業で「Kulturzwiebel(クルトゥア・ツヴィーベル)」についてのプレゼンテーションを行いました。
「Kulturzwiebel」は、直訳すると「文化のタマネギ」。
「文化のたまねぎ」とは?
一言に「文化」言っても
文化にはさまざまな要素が含まれています。
1つの文化の中に含まれるたくさんの要素をタマネギの層に例えたのが、「文化のタマネギ」。
こちらがその「文化のタマネギ」の図。↓
文化の4つの要素に関してプレゼンをしました
文化という言葉の中に含まれるさまざまな要素のうち
授業では以下の4つに関して例と写真を挙げながらプレゼンテーションを行いました。
- das Symbol:シンボル
- das Held:英雄(英雄という言葉は本来は戦の中で使う言葉ですが、プレゼンでは有名人という意味合いでも使いました)
- das Ritual:儀式、慣例
- der Wert:価値
さまざまな国の「文化のタマネギ」
私が学んだB2(中級)レベルのドイツ語コースには、以下の国から来た学生がいました。
ベトナム(2人)、シリア、コロンビア(2人)、ネパール(2人)、インドネシア、イラン、ロシア、ベラルーシ、イタリア、エジプト、パレスチナ(2人)
そして、日本。
計12の国のから来た学生たちの話す「文化のタマネギ」がとても興味深かったので
特に印象に残った内容を紹介したいと思います。
シンボル
【イタリア】コーヒー
イタリアと言えば、コーヒー!
この意見は、コロンビア人と喧嘩になりそうになってました(笑)
コロンビアはコーヒーの生産地として有名ですね。
イタリアには「バリスタ」と呼ばれるコーヒーを煎れる専門の職業があり
バリスタになるための試験なんかもあるんだとか。
【パレスチナ】スカーフ
スカーフの名前は忘れました。すみません;
このスカーフの柄は、政党ごとに違っているそうです。
身につけているスカーフによって、その人が支持している政党が分かるということでした。
写真はヤーセル・アラファート議長です。
彼も頭にスカーフを巻いていますね。
このスカーフは頭に巻くほか、寒い時に首に巻いたりと、いろいろ重宝するそうです。
ちなみに
パレスチナ人の男の子は、国の英雄としてアラファト議長を選んでいました。
スカーフも、アラファト議長のと同じ柄のものを持っていました。
私は、恥ずかしながらパレスチナ問題について
パレスチナ人のクラスメイトが出来るまでよく知りませんでした、、、。
本当に難しい問題ですよね。
英雄
【ベトナム】ホー・チ・ミン
ベトナム独立の父。初代主席。
街の名前にもなっていますね。
ベトナムでのホー・チ・ミンはとても人気者だそうで
彼の誕生日は祭日になっているそうです。
儀式、慣例
【ネパール】少女神クマリ
ネパールにはクマリとして選ばれた少女を神として崇める文化があるそうです。
クマリに選ばれるには多くの条件があり
一度クマリに選ばれると外界との接触を断って生活しなければいけないらしい。
神様になるのも、大変なことですね、、、。
価値
【ネパール】カルマ
またネパールの話ですが。
ネパール人は私のクラスに2人いて、クマリについて発表をした女の子とは別の男の子が発表してくれました。
カルマは、日本語では業(ごう)とも言いますね。
今の人生でいい事をすれば、その善い行いが次の人生に返ってくる
という仏教の教えだそうです。
ネパールにはヒンドゥー教徒が一番多いそうですが
「カルマ」について発表してくれた男の子は仏教徒でした。
仏教は、ネパールでは2番目に信者が多い宗教だそうです。
ちなみに:私の行った日本文化のプレゼン内容
シンボル:富士山
多神教の例として七福神とかもいいかな?と思いましたが、こっちにしました。
ご存じの通り、日本の最高峰ですね。
左右対称で美しい形が日本の象徴として良く知られていることや
古来から神聖な山とみなされていること
また芸術作品にも多く描かれることを紹介しました。
英雄:宮崎駿
こちらも悩みましたが
海外でも有名な人の方が盛り上がると思って選びました。
写真にはトトロの絵を使ったんですが
案の定TOTOROを知っている人もいて盛り上がりました。
ジブリはアジア圏出身だと知っている人が多いようです。
日本のアニメ文化は本当にすごいですねー。
流行りのナルトやワンピース
古いところではセーラームーンやらんま1/2が
プレゼン後の休み時間の話題に挙がりました。
中にはめぞん一刻を知っている人がいてビックリ!
まだ20代の子だったんですが、、、
日本のアニメ文化、おそるべし。
儀式、慣例:七五三
子どもの成長を祝う七五三は
名前の説明がドイツ語でしやすいかと思って選びました。←
子どもが着物を着た写真も、きらびやかで好評でした。
ただ、「千歳飴」をドイツ語に訳すのがちょっと大変だった、、、(汗)
価値:公共の秩序
これは海外と日本の文化を比べた時に
個人的に「違うな~」といつも思っていたので、選びました。
「電車内での通話禁止」を例に挙げて発表しました。
電車内での通話を制限する国を、私は日本以外で見たことがありません。
ドイツでもそうですが
電車内ではみんな結構大きい声で電話してます。
ちなみに、ドイツでは電車内での飲酒は禁止されています。
ここ2~3年で制度が変わったようです。
日本では車内での飲酒は特に禁止されていないので、逆に驚きました。
仕事帰りのサラリーマンとか、結構電車で酒盛りしてますよね。(常磐線だけ?)
まとめ
文化をタマネギに例えるのは、単純におもしろい発想だと思いました。
いろんな国の人の話を聞けるのも、語学学校ならではの経験でおもしろかったです。
ちなみに、私が発表した中では
「電車やバスの中で携帯電話で通話をしてはいけない」
という公共の秩序に関する価値観に興味を持つ人が多かったです。
あなたが日本の「文化のタマネギ」についてプレゼンテーションを行うとしたら、どんなことを発表しますか?
ぜひ他の方の意見も聞いてみたいです!
おわり!