【北京=永井央紀】中国空軍の申進科報道官は25日、戦闘機「スホイ30」など40機以上の軍用機が沖縄県の沖縄本島と宮古島の間の宮古海峡上空を通過し、西太平洋で訓練したと発表した。防衛省は航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)したと発表。通過した空域は公海上空で領空侵犯はなかったが、中国の戦闘機が宮古海峡上空を通過したのは初めて。
中国空軍によると、西太平洋の訓練に参加したのは戦闘機「スホイ30」、戦略爆撃機「轟6K」、空中給油機、情報収集機など。これとは別に、中国軍機は東シナ海上空の中国が防空識別圏と主張する空域でも戦闘機などがパトロール飛行をした。中国メディアが伝えた。
防衛省は宮古海峡を通過したのは8機で、戦闘機とみられる軍用機も含まれるとしている。中国軍機は東シナ海から太平洋に抜け、再び東シナ海上空に戻るなど沖縄上空で往復飛行をした。宮古海峡の上空では昨年11月に中国軍の爆撃機が通過した事例などがあるが、戦闘機の通過は初めてで、防衛省は「特異な事例」(統合幕僚監部)として警戒を強めている。
中国軍用機への空自戦闘機のスクランブルは今年1~6月に397回と前年同期より92%増えた。防衛省関係者は「中国軍用機の東シナ海での活動範囲が広がってきている」と話している。