横浜DeNAは、すでに初のクライマックスシリーズ進出を決めているが、2位の巨人に1.5差と猛追。残り2試合しかないが、逆転2位、CSの本拠地開催へギリギリの望みをつないだ。
DeNAが球団を買収して5年目。アレックス・ラミレス監督(41)を新監督に迎えて成し遂げた悲願のCS出場の背景には、マーケティングと企画力で、毎試合、スタンドを真っ青に埋め続け、選手のモチベーションをアップさせた革新的な経営力があった。池田純社長がリーダーシップを発揮しての営業努力である。
CS出場を決めた広島戦は、試合前からずっと雨が降りしきる中、2万7001人の観客動員をマーク、今季の主催試合の観客動員数が球団史上最高の188万2257人になった。買収前の2011年には110万2192人だった観客動員が、大幅アップしただけでなく1998年に横浜が日本一になった年の185万7000人を上回った。
今季限りで引退する三浦大輔は、冬の時代を知る一人だが、「昔はスタンドがガラガラの苦しいときもあった。今は連日満員で、ファンが最高の雰囲気を作ってくれている。本当に感謝したいし、その応援にチームは後押しされている」と断言していた。勝利インタビュー後に、お立ち台では必ず「アイラブヨコハマ!」と叫び、地元横浜との距離を縮めた。マツダスタジアムを真っ赤に染めたファンが、25年ぶりの広島の優勝を強烈にバックアップした現象との共通項がある。数値化は難しいが、三浦が証言するように満員のスタジアム、人に見られて実力以上の見えない力を発揮するのが、プロの世界なのである。
そして、その“空気”を作ったのが、池田社長が中心になって旗を振ったフロントなのだ。
買収当初は、スタジアムとの経営母体が別だったため、ボールパーク化を進めることに限界があったが、「イニングの合間にトイレにいく時間がない」と言われるほど、Tシャツボールを投げ入れたり、ダンスで楽しませたりと、多彩なイベントを演出。これまでは、ろくに行われていなかった「誰が球場に来ているのか?」のファンの顔を知る細やかなマーケティングを徹底的に実施して「アクティブサラリーマン」と命名した20代後半から40代前半の男性サラリーマンにターゲットを絞りアプローチ。公式ファンクラブを倍に増やし、出来栄えのいいレプリカヘルメットやキャップ、各種ユニホームを配る企画、アイデア、イベントを次から次へと用意して、球場外には夏季にビアガーデンまで作った。
ついに今年1月にはスタジアムの経営権をTOBで取得、球団、球場の一体経営を実現させ、さっそく球界初のオリジナル醸造ビールの製造、販売まで手がけて、億単位での利益を出すことにまで成功した。今後は、さらに球団、球場一体化の利点を生かした改革を進めるという。
チームは、この4年Bクラスに低迷したが、観客動員は右肩上がりになるというスポーツビジネス上では異例の経営良化に成功、年間20億円とも言われた赤字も、徐々に黒字化していったのである。
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