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 世界自然遺産・知床の道道脇の斜面で、塩漬けのサケ6匹と木箱が散乱しているのが見つかった。知床ではヒグマなどの野生動物に餌付けをしないよう呼びかけており、知床財団は「捨てたとしたら残念だ」と話している。

 17日午前9時ごろ、一般の人から知床自然センターに通報があり、知床財団職員が回収した。知床五湖に向かう途中の道路下の草むらで、積み荷から落ちたというより、1匹ずつ放り投げたような散らばり方だったという。

 3年前には、ヒグマ撮影のための「寄せ餌」とも思われる生ザケ十数匹が岩尾別川のそばに置かれていたことがあった。今回は保存用の塩漬けで、ヒグマの餌付けや寄せ餌として捨てた可能性は低いとみている。

 ヒグマが塩ザケを好むかはわからないが、近くには景勝地「フレペの滝」に続く遊歩道がある。同財団の寺山元・事務局次長は「人間のにおいのついた物を食べ物として認識すれば、人を追いかける危険性がある。そういったヒグマは駆除しなければならず、互いに不幸な結果をもたらすことになる」と指摘する。(奈良山雅俊)