Time to Marketを意識して、素早くリリースする
「Time To Market」とは商品が市場に出るまでの時間を示す製造業や開発業で使われる言葉。
日本の製造業の衰退と課題
かつては世界中を席巻した日本の製造企業が世界市場ではどんどん淘汰されています。SANYOはPanasonicに吸収されて消滅し、そのPanasonicは10,000人以上もリストラをし、子会社の精算などで経費の圧縮を行いました。SONYはパソコン事業(VAIO)から撤退し売却、さらには本社ビルまで売却しました。SHARPも大阪本社ビルを売却し、現在は台湾企業への身売りで交渉しています。東芝も10,000人単位のリストラと不採算事業からの撤退など、枚挙に暇がない状態です。勿論TOYOTAなど過去最高益を上げる企業もありますが、世界的に見ると日本の製造業は一時代よりも厳しい状態です。
これほどまでに日本を代表する企業には技術の流出や、韓国・中国企業との競争、人件費の高騰、チャイナリスク、円高や円安など様々な課題がありますし、僕は専門家では無いのでこの論点は置いておきますが、1つ共通する課題があります。
サムスンの常務を務めた吉川良三さんにお話しを伺ったことが有るのですが、冒頭の「Time to Market」と言う言葉。よほどのイノベーションを起こさない限りは市場に商品が出るスピード自体が競争優位性を持っていると言う考えです。要は市場に素早く商品を出そうと言うことで、最近ではIT業界のベンダーでもよく言われています。
最初に参入した企業が勝ちやすい
ポジショニング戦略という名著でも書かれていますが、市場に最初に参入した人が優位なのは事実なようです。商品が完璧に出来上がるのを待つよりも、早く市場に参入したほうが勝ちやすいと言うのを様々な企業が背中を見せてくれています。
完璧な状態で商品を売ろうとすると、開発期間だけで簡単に月日は過ぎていき、その間に類似サービス、、いや自社が考えていたサービスと全く同じものが世に出てニュースに取り上げられた!なんて事はこの世の中では往々にしてあります。勿論、完璧にしたからと言って売れる保証はありません。そしてその商品が果たして「完璧」かどうかと言うのは市場が判断するものであり、そもそも「完璧」と言う状態は世の中が移り行く以上、永遠に来ないものです。
でも50点の商品は売れません
完璧な状態は永遠に来ないと言い切れるのと同様に、50点の商品も売れません。50点の商品を売りに出した時点で会社の評判は落ちて、お客が戻ってくるのは容易ではありません。そもそも新規顧客を獲得するのは簡単では無い上に、評判まで落ちればかなり厳しい。。
無料サービスなら誰も損はしませんが、有料サービスでかつ商品が微妙であるのなら損をする人が出てきます。損をさせられたと感じた人はもう戻ってきません。なので有料販売の場合は余計に考えなければいけません。
チェック体制なども整わない内にイケイケで発進した「グルーポン」などは「おせち事件」でスタッフを大幅に削減し、停滞せざるを得なかった話しは有名ですね。今は少し持ち直しているようですが。商品だけではなく、サポート体制も含めてリリース出来るものでもあります。
期限と開発コストを決め、最終は市場を見て判断する
冒頭の日本企業の課題と同じように、「Time to Market」は僕達のように開発に関わる経営者共通の課題。期限やコストの制限のない仕事は無いですし、市場にもタイミングがあります。それらを適切に判断する事が大事なのですが、最後はやはりスピードが大事なようです。
吉川さんのお話しを伺い、商品や販売価格にもよりますが、70点〜80点で市場に出して、猛烈なスピードで顧客の声を商品に反映するのが我々中小企業の生きる術だと感じました。
開発現場は市場の状況や予算や関わる人員にも影響されます。また肝心な「スピード」と「クオリティ」はそれぞれに干渉し合います。どちらかだけを優先するという性格のものでは無く、最大公約数を求める事が「解」だと思います。
中途半端な商品は絶対に売れません。売れてもクレームが出て赤字です。そもそも優秀な営業マンは売る気にもなりませんし、多数のお客様は買ってもくれません。それぐらいに市場は甘くない。
でも最後の判断では、大企業と同じ戦略をとれない我々小さい会社は、スピードで大企業に立ち向かわないといけないと思っています。スピードがクオリティを作ると思っています。最後には良い商品、人が感動する商品を作りたいのは企業も開発者も営業も皆一緒。ただ優先順位が違うのです。
会社が潰れたり、市場のタイミングを逃したら何の意味もありませんからね。
P.S.スピードとクオリティに関する記事も昔に書いていますので、読んでみてください。
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4年間経営した会社を倒産後、再度起業したインターネット広告代理店(エックスラボ社)を3期目で年商約10億円グループにまで成長させる。集客をしたい中小企業の経営者や大手企業の担当者、同業他社までも参加するセミナーを開催する起業家。広告マン兼マーケッター。
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