09〜10年の担当職員聴取 都、経緯調査
東京都の築地市場(中央区)からの移転が延期された豊洲市場(江東区)の主要建物下に土壌汚染対策の盛り土がされなかった問題で、2009年7月〜10年7月に担当部局「中央卸売市場」に所属していた職員を中心として、都が聞き取り調査に乗り出していることが都幹部への取材で分かった。「盛り土計画」はこの時期に変更されたとみられることが、都関係者の証言で判明している。都も認識している模様で、計画が変更された経緯や目的を詳しく調べている。【円谷美晶、森健太郎、川畑さおり】
築地市場の移転先となる豊洲市場の土壌汚染対策や建設計画、工事発注、外部有識者の会議の事務局などは、中央卸売市場が担当した。問題の時期は石原慎太郎氏が知事で市場関係の担当副知事は佐藤広氏、部局トップで都の局長級の市場長は岡田至氏が務めていた。豊洲市場を主に担当するのは管理部だった。
岡田氏の前任で06年7月〜09年7月に市場長を務めた比留間英人氏によると、工法を検討する専門家の技術会議が09年1月の会合で敷地全体に盛り土をする方向性を確認した後は建物下を空洞にする案が検討されることはなかった。一方、市場に関わった都幹部によると、10年7月時点で既に建物下を空洞にすることになっていた。このため09年7月〜10年7月の間に計画が変更されたとみられる。
都も把握しているとみられ、この間に中央卸売市場に所属していた職員に対し、数日前から本格的な聞き取り調査に着手した。建物下に盛り土をしない判断をした経緯や計画変更を有識者の会議や都民に公表しなかった理由などについて岡田氏らから事情を聴いている模様だ。結果は、外部有識者の「市場問題プロジェクトチーム」にも報告される。
岡田氏は18日、「結果が出されるまでは個別の取材は控えさせていただく」とコメントした。