MySQLでリモートからroot権限でファイルを実行できる脆弱性(CVE-2016-6662)
こんにちは。SIOS OSSエバンジェリスト/セキュリティ担当の面です。
9月12日にMySQLの脆弱性(CVE-2016-6662)が公開されました。今回は、この脆弱性について各ディストリビューションの対応状況を簡単にまとめます。対応状況は逐次更新します。
Priority
Critical
影響するバージョン
MySQL 5.7.15以下、5.6.33以下、5.5.52以下のバージョン
脆弱性概要(詳細はリンク先のサイトをご確認ください)
- MySQL Remote Root Code Execution / Privilege Escalation (0day)
リモートからのroot権限でのコード実行・特権昇格の可能性
2003年に3.23.55以前のMySQLで見つかった、ユーザが
SELECT * INFO OUTFILE '/var/lib/mysql/my.cnf'
を用いてmysqlの設定ファイルを作れるという脆弱性はworld-writableな設定ファイルをリジェクトするなどのmysqlの変更や、OUTFILE/DUMPFILEステートメントによるファイルの上書きを禁止するなどにより修正されていましたが、MySQLのlogging function(MySQLのデフォルトインストールで有効になっている)を悪用することでバイパス出来ることがわかりました。
この脆弱性により、攻撃者はSQLインジェクションを用いてリモートからmy.cnfファイルを変更できます。
この脆弱性と、殆ど全てのディストリビューションで使われている、mysqld_safeによるstartup時のライブラリのpreload機能により、攻撃者は任意のコードをroot権限で実行することが可能になります。
主なディストリビューションの対応方法
詳細は、各ディストリビューションの提供元にご確認ください
debian
Red Hat Enterprise Linux/CentOS
Oracle Linux
OpenSUSE
ubuntu
https://people.canonical.com/~ubuntu-security/cve/2016/CVE-2016-6662.html
対処方法
各ディストリビューションの案内に従い、アップデートを行ってください。
また、MySQLのバージョンを上げた時にはサービスの再起動が発生しますので、pacemakerなどOSSのクラスタ製品やLifeKeeperなどの商用のクラスタリング製品を使うとサービス断の時間を最小限にすることが出来ます。
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