死にそうなくらい眠い。あさ、会社を休もうかと思ったくらい寝不足だった。コンビニでオニギリを買って食べ車で昼寝した。
ズゴックの夢を見た。小学校で初めて手に入れたガンプラのシャア専用機『ズゴック』をどこへ行くにも持って行った。そんな夢だ。
当時、ピアノや書道や水泳や絵画や色んな習い事をやらされた。一番長く続いたのは、ピアノ。音大の先生に惚れていたのである。
先生に彼氏がいると知って泣きそうになった。僕はズゴックをギュッと握りしめて涙をこらえた。ズゴックといつも一緒だった。
赤い水性ペンで丁寧にズゴックを塗った。
ピアノの発表会があった。僕はしょっぱなからドとファを間違えて焦りまくったが、ピアノ台の上のズゴックを見て、深呼吸した。
落ちついて、と先生の声がした。懐かしい声だ。優しい声だ。僕は水性ペンで真っ赤な手で鍵盤を叩き、トルコ行進曲を弾いた。
また家族とクラシックコンサートにも行った。そんなハイソな家族ではないのだけどズゴックと一緒にモーツァルトを聴いた。
何が言いたいかと言うと僕が一番好きなプラモデルは、ズゴックであること。音大の先生よりも、ズゴックが好きだったことである。(485字)