大雨・台風では、どのような災害が起こるのか
内容
大雨・台風では、どのような災害が起こるのか
日本では、季節の変わり目に前線が停滞し、しばしば大雨を降らせます。また、7月から10月にかけては日本に接近・上陸する台風が多くなり、大雨、洪水、暴風、高潮などをもたらします。
険しい山や急流が多い我が国では、台風や前線による大雨によって、川の氾濫や土石流、がけ崩れ、地すべりなどが発生しやすく、平成26年8月20日の広島土砂災害など、人々の生活や生命が脅かされるような自然災害が度々発生しています。
最近では短時間に狭い範囲で非常に激しく降る雨が頻発(いわゆるゲリラ豪雨を含む)しています。特に宅地等の開発が進んだ都市部では、川の急激な増水が生じたり、道路や住宅の浸水、地下街の水没といった被害も発生しています。
また、雨で増水した川や田んぼを見に行って流されてしまったり、浸水した道路で側溝の境界が見えにくいために転落したりする事故も発生しています。
関東・東北豪雨災害(平成27年9月9日から11日)
台風第18号及び台風から変わった低気圧に向かって南から湿った空気が流れ込んだ影響で、関東地方と東北地方では、統計期間が10年以上の観測点のうち16地点で最大24時間降水量が観測史上一位を更新するなど、記録的な大雨となりました。この大雨に伴い鬼怒川の堤防が決壊するなど、甚大な被害が発生しました。
河川の氾濫による浸水(茨城県常総市)
大雨・台風の時はどのように行動したらいいか
台風や大雨の危険が近づいているというニュースや気象情報を見聞きしたら、危険な場所には近づかないようにしましょう。また、災害への備えをもう一度確認して下さい。
- 非常用持ち出し品の点検をしましょう
- 雨や風が強くなる前に、家屋の補強などの対策をしましょう
- 避難場所までの道順を確認しておきましょう
- 日頃からハザードマップで危険箇所や避難場所をチェックしておきましょう
国土交通省ハザードマップポータルサイト - 雨が降り出したら土砂災害警戒情報にも注意しましょう
現在発表中の警報・注意報(気象庁)
現在発表中の気象情報(気象庁)
現在発表中の土砂災害警戒情報(気象庁)
土砂災害警戒判定メッシュ情報はこちら(拡大できる地図表示:気象庁)
危険を感じたり、市区町村長からの避難勧告等があった場合は、あわてず速やかに避難しましょう。
- 避難の前には、必ず火の始末をしましょう
- 避難の際の持ち物は最小限にして背中に背負うなど、両手が自由に使えるようにしておきましょう
※ 川の氾濫や土砂災害などの災害は一気に起こるため、避難が遅れると命にかかわります。天候が荒れてからでは移動も大変になりますので、特に高齢者や子どものいる家庭は、早い段階から自主的に避難することも検討しましょう。
※ 忘れ物をした場合でも、取りに戻るのは危険ですので絶対にやめましょう!
※ 暴風や浸水で避難場所までの移動が危険な場合は家の中のできるだけ安全な場所(崖から離れた2階の部屋)で待機したり、近隣のできるだけ頑丈な建物に避難することも検討しましょう。
詳しくはこちらの資料及び動画をご覧ください。
- 大雨や台風に備えて(気象庁)
- 大雨や台風の気象情報に注意して 早めに防災対策・避難行動を行いましょう(政府広報オンライン)
- 防災気象情報がきめこまかくなりました~風水害から身を守ろう(政府インターネットテレビ)(動画)
- 土砂災害の危険箇所は全国に53万箇所!土砂災害から身を守る3つのポイント(政府広報オンライン)
大雨・台風災害エピソード集【内閣府防災より】
もし、1日前に戻れたら…私たち(被災者)から皆さんに伝えたいこと
- 「また来るぞ!」水害体験教訓万全の準備
- 災害はどこでも起こる~土地のかさ上げも自然の力の前では無力
- 前もって避難の方向を決めていた ~山崩れに迷わず避難、命助かる~
- 10分たらずで床上138センチ ~助けたのは愛犬だけ~
- 「とりあえずの避難」 でも、必需品は持参して ~夏でも必要だった毛布~
大雨・台風災害に対する政府の取り組みや対応
※このセクションでは、すでに政府が公式に発表している対応策だけでなく、災害対策のために行われている会議なども取り上げます※
被害を防ぐためには、国や都道府県が行う治水工事などの対策だけでなく、一人一人の自主的な行動が重要です。そのために役立つのが、気象庁が発表している「防災気象情報」です。大雨や台風は、地震災害のように突然襲ってくるものではなく、いつ、どこで、どのくらいの規模のものがやってくるのかなど、ある程度予測することができます。皆さんが早めの防災対策を立てられるよう、気象庁は大雨や台風などに関する防災気象情報を随時提供しています。
また、気象庁では一般的な警報や注意報に先立ち、「大雨に関する気象情報」や「台風に関する気象情報」などを発表しています。
さらに、平成25年8月30日からは重大な災害が起こるおそれが著しく大きい場合に「特別警報」を発表しています。
※特別警報に関しては、「特別警報と警報・注意報」をご覧ください。
詳しくはこちらから
- 防災気象情報とその効果的な利用(気象庁)
- 特別警報について(気象庁)
- 平成25年8月30日から特別警報が始まります! (政府広報オンライン)
- 平成25年8月30日から特別警報がはじまります(政府インターネットテレビ)
◆ XRAIN(国土交通省)
近年、増加する集中豪雨や局所的な大雨(いわゆるゲリラ豪雨)による水害や土砂災害等に対して、適切な施設管理や防災活動等に役立てるために、国土交通省では、局所的な雨量をほぼリアルタイムに観測可能なXRAIN (高性能レーダ雨量計ネットワーク)を運用しています。
◆ 高解像度降水ナウキャスト(気象庁)
気象庁は、「高解像度降水ナウキャスト」の提供を平成26年8月7日より開始いたします。「高解像度降水ナウキャスト」では、30分先までの降雨状況を250メートル四方の細かさで確認できます。スマートフォンにも対応し、強い雨の地域が従来より非常に細かく表示され、突然の大雨を避けるために役立てることができます。
土砂災害警戒情報とは・・・?
大雨警報が発表されている状況で、土砂災害発生の危険度が非常に高まったときに、市町村長が避難勧告等の災害応急対応を適時適切に行えるよう、また、住民の自主避難の判断の参考となるよう、対象となる市町村を特定して都道府県と気象庁が共同で発表する防災情報です。
土砂災害警戒情報が発表されたときには、土砂災害警戒判定メッシュ情報等により危険度の高まっている地区を確認し、土砂災害危険箇所・土砂災害警戒区域等の外への早めの避難を心がけてください。
- 土砂災害から身を守るには…
- 台風や大雨の際は、土砂災害が発生しやすくなります。土砂災害から身を守るために最低限知っておくべき3つのポイントを紹介します。
①お住まいの場所が、土砂災害警戒区域か確認する。
過去に発生した土砂災害の実績による指定基準を基に、都道府県では土砂災害のおそれがある区域を「土砂災害警戒区域 *」として指定を進めています。
普段からお住まいの場所が土砂災害警戒区域に指定されているか、国土交通省ホームページなどで確認しましょう。あるいはお住まいの市町村役場に問い合わせください。
*現在、土砂災害警戒区域の指定が完了していない箇所もありますので、併せて土砂災害危険箇所かどうかも確認してください。
また、日頃から危険箇所や避難場所、避難経路を確認しておいてください。
②土砂災害警戒情報や雨量の情報に注意する。
大雨による土砂災害発生の危険度が高まった時には「土砂災害警戒情報」が発表されます。雨が降り出したら、雨雲の動きや土砂災害警戒情報に注意しましょう。
気象庁や各都道府県の砂防課などのホームページなどで確認できます。
都道府県によっては、携帯電話等に自動的に土砂災害警戒情報を連絡するサービスもありますのでご活用ください。
③大雨時、特に土砂災害警戒情報が発表された際には早めに避難する。夜間に大雨が予想される際は暗くなる前に避難する。
お住まいの自治体の避難勧告などの情報に注意し、早めの避難を心がけましょう。
特に、がけ下や渓流沿いなどにお住まいの方は、大雨時、特に土砂災害警戒情報が発表された際には、早めに近くの避難所などの安全な場所に避難しましょう。
また、夜間に大雨が予想される際には、暗くなる前に避難した方が安全です。
なお、豪雨などで避難所への避難が困難な際は次善の策として、近くの頑丈な建物の二階以上に緊急避難したり、それも難しい場合は、家の中のがけから離れた部屋や二階などの少しでも安全な場所に移動しましょう。
- 土砂災害の前兆現象
- 土砂災害警戒情報等が発表されていなくても、斜面が以下のような状況(土砂災害の前兆現象)になっていた場合は、直ちに周りの人と安全な場所に避難し、市町村役場等に連絡してください。
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■土砂災害の主な前兆現象
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詳しくはこちらから
- 土砂災害の危険箇所は全国に53万箇所!土砂災害から身を守る3つのポイント(政府広報オンライン)
- お住いの地域等の危険箇所を調べたい場合はこちら(国土交通省:各都道府県が公開している土砂災害危険箇所と土砂災害警戒区域)
記録的短時間大雨情報とは・・・?
数年に一度程度しか発生しないような短時間の大雨を、観測(地上の雨量計による観測)したり、解析(気象レーダーと地上の雨量計を組み合わせた分析)したときに、府県気象情報の一種として発表します。その基準は、1時間雨量歴代1位または2位の記録を参考に、概ね府県予報区ごとに決めています。
大雨特別警報と記録的短時間大雨情報の違いは?
大雨特別警報は観測と予想により発表するもので、記録的短時間大雨情報は、観測された雨量をお知らせするものです。
また、大雨特別警報の指標となる数値は、5km四方の地域ごとに求めた50年に一度の雨量(3時間雨量と48時間雨量)と地面に含んだ降水量を表す土壌雨量指数です。これに対して、記録的短時間大雨情報は、概ね県内全体でみて数年に一度発生するような雨量を基準としています。
この情報は、大雨警報発表時に、現在の降雨がその地域にとって災害の発生につながるような、稀にしか観測しない雨量であることをお知らせするために発表するものです。お住まいの地域、あるいは隣接地域にこの情報が発表されたときは、お住まいの地域で、あるいは、近くで災害の発生につながる事態が生じていることを意味しています。このような場合は、ご自分の身を守ることを第一に行動してください。