一転共催招致 名古屋市提案に愛知県受け入れ
開催費用の負担割合を県市で2対1
2026年のアジア競技大会招致を巡り、愛知県との共催を白紙にした名古屋市が、一転して共催での招致活動に戻る見通しとなった。開催費用の負担割合を県市で2対1とするなど市の主張を県が受け入れたため。大村秀章知事が7日明らかにし、河村たかし市長の理解を得たとの見方を示した。
県はアジア大会の開催費用について、総額850億円との試算を明らかにした。スポンサー収入や入場料を差し引いた600億円について、県が400億、市が200億円と2対1の比率で負担する。これとは別に、メイン会場となるパロマ瑞穂スタジアム(名古屋市瑞穂区)の改修工事で400億円前後が必要となるが、市が全額を負担するという。
大会の開催地が決まる見通しのアジア・オリンピック評議会(OCA)の総会が25日に迫っていることから、市の提案を県が全面的に受け入れた。
報道陣の取材に大村知事は「共催は国際的スポーツ団体への公約としてやってきたもので、重い。意見をぶつけて前進させていくことが県民の期待に応えることにつながると思う」と話した。
一方、河村市長は7日、「まだ市の内部で協議せないかん」と述べ、即答を避けた。
アジア大会の共同招致は、大村知事が河村市長に呼び掛け、県と市が5月に発表した。しかし、負担割合で折り合いが付かなかったなどとして、河村市長は5日、「立ち止まって考える」とし、共催の白紙撤回を発表していた。【山口朋辰、三上剛輝】