日比首脳 南シナ海問題の平和的解決へ協力強化を確認

日比首脳 南シナ海問題の平和的解決へ協力強化を確認
k10010672691_201609061934_201609061935.mp4
ラオスを訪問している安倍総理大臣は、フィリピンのドゥテルテ大統領と初めて会談し、南シナ海をめぐる国際的な仲裁裁判で中国の主張が認められなかったことを踏まえて、紛争の平和的解決に向けて協力を強化する方針を確認しました。また、安倍総理大臣はフィリピンに対し、円借款による大型巡視船2隻の供与を決定したことを伝えました。
安倍総理大臣は、ASEAN=東南アジア諸国連合関連の首脳会議に出席するため、日本時間の6日午後、ラオスに到着し、会議を前にフィリピンのドゥテルテ大統領との初めての首脳会談に臨みました。

この中で、ドゥテルテ大統領は南シナ海をめぐる問題について、「仲裁裁判の結果が出ており尊重されるべきだ。中国との対話は法の支配にのっとって行っていく考えで、その方針を国際社会にも説明していきたい」と述べました。
これに対し、安倍総理大臣は「フィリピンの立場を支持する。国際社会が法の支配の重要性を訴えていくことで協力していきたい」と述べ、南シナ海をめぐる国際的な仲裁裁判で中国の主張が認められなかったことを踏まえて、紛争の平和的解決に向けて協力を強化する方針を確認しました。

また安倍総理大臣は、フィリピンの海上警備能力の向上などを目的に、90メートル級の大型巡視船2隻の円借款での供与や、海上自衛隊の練習用の小型プロペラ機、TC90の最大5機の貸与を決定したことを伝え、ドゥテルテ大統領は「南シナ海でのフィリピンのプレゼンスを向上させることができる」と述べ、謝意を示しました。

さらに、安倍総理大臣は北朝鮮が弾道ミサイルの発射を繰り返していることについて、「国際社会が断固たる対応を取るべきであり、安保理決議の厳格な履行などを通じて圧力を強化すべきだ」と述べ、ドゥテルテ大統領は日本の立場を支持する考えを示しました。

一方、会談に同席した政府高官によりますと、会談ではフィリピンでの麻薬捜査で大勢の容疑者が殺害されていることや、予定されていたアメリカのオバマ大統領とドゥテルテ大統領の会談が中止になったことは取り上げられなかったということです。