未来技術遺産に「酵素パワーのトップ」など

未来技術遺産に「酵素パワーのトップ」など
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社会や暮らしに大きな影響を与えた日本の科学技術を将来に伝えようと、国立科学博物館が登録を進めている「未来技術遺産」に、環境に配慮した合成洗剤が普及する先駆けとなった「酵素パワーのトップ」など、新たに16の技術や商品が登録されることになりました。
「未来技術遺産」は、日本の科学技術の発達の中でも、特に社会や暮らしに大きな影響を与えた技術を将来に伝えていこうと、国立科学博物館が平成20年から登録を進めているもので、ことしは、新たに16の技術や商品が選ばれました。

このうち、昭和54年に日用品大手のライオンが発売した「酵素パワーのトップ」は、洗浄成分として当時としては新しい生物由来の酵素を配合した合成洗剤です。それまでの洗剤に含まれていた洗浄成分のリン酸塩が湖などの環境悪化を招いているとして社会問題になる中、リン酸塩をできるだけ使わない、環境に配慮した合成洗剤が普及する先駆けになったと評価されました。

また、昭和57年に大手電機メーカーのNECが発売した16ビットのパソコン「PC-9801」は、漢字の表記が可能になったことに加えて、それぞれの企業の事情に応じてパソコンの機能を広げやすい利便性が受けて広く普及し、日本の産業の生産性を飛躍的に高めたと評価されました。

今回の登録で「未来技術遺産」は、合わせて225となります。
今回、登録される技術や商品の一部は、今月13日から19日まで東京・上野の国立科学博物館に展示されます。

「先人の努力の価値の高さを改めて認識」

「酵素パワーのトップ」が未来技術遺産に選ばれたことについて、ライオンの岡野知道研究開発本部長は「当時の社会的な要請に応えるために、酵素を安全に安定して使えるようにした先人たちの努力の価値の高さを改めて認識しました。私たちも、時代に合わせて絶えず技術を高めていけるように努力したい」と話しています。