急進反中派に勢い 複数議席獲得の公算
【台北・鈴木玲子】香港立法会(議会、定数70)選挙の投票が4日行われ、5日午前も開票作業が続いた。優勢とみられる親中派に対し、民主派勢力が重要法案を否決できる議席3分の1以上を確保できるかが焦点。選挙管理委員会は、今回初参戦した急進的な反中勢力「本土派」の女性候補の当選を発表した。本土派は複数が議席を獲得する公算が大きくなっている。選管が本土派の一部候補の出馬を認めなかったことで、逆に有権者の支持を集めた模様だ。
選管は、推定投票率が58%と前回(2012年)を約5ポイント上回り、過去最高だと発表した。香港で中国による政治的な圧力が強まり「高度な自治」が揺らぐ中、有権者の政治への関心の高まりを示した。
地元メディアによると、一部投票所では投票締め切り時間の4日午後10時半(日本時間同11時半)時点で多数の有権者が並んでいたため投票時間を大幅に延長した。
選挙は直接投票で35議席、業界別の間接選挙による職能代表枠で35議席を選ぶ。前回選は親中派が43議席、民主派は27議席だった。
職能枠が親中派に有利な仕組みのため全体では親中派が優勢とみられ、本土派を含めた民主派勢力が政府提出の重要法案などを否決できる3分の1を超す24議席を確保できるかが注目される。