月舘彩子
2016年9月1日11時24分
名古屋大学と中部電力は、透過力の高い宇宙線「ミュー粒子」を使い原子炉の底部を透視する研究を浜岡原発(静岡県御前崎市)で始めた。8月31日、報道機関に実験を公開した。精度が確かめられれば、東京電力福島第一原発事故で溶け落ちた核燃料の状態を把握できる可能性があるという。
ミュー粒子は大気中を飛び交い、厚さ1キロの岩盤でも通り抜ける性質がある。粒子の通り道に物質があると、その厚さや密度により透過する粒子の量が増減する。その量を検出器で調べることで、大規模な建物などの内部をX線写真のように知ることができる。火山やピラミッドの調査にも使われている。
実験では、浜岡原発2号機の原子炉建屋地下2階(地下十数メートル)に、パネル状の検出器(縦25センチ、横30センチ)を12枚設置した。鮮明な画像を得るため、これまで3週間だった観測期間を半年に延ばし、観測器の温度を一定に冷やし続ける工夫をした。名大研究チームは福島第一原発2号機でも同様の方法で調査しているが、今回は解像度が3倍ほど上がるという。
名大の中村光広教授は「これまでは検出器を地上に置いて観測してきた。地下に設置する方法で、低い位置にある格納容器の底をどこまで精度よく観測できるか見極めたい」と話す。(月舘彩子)
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