そんなセキュリティで大丈夫?
米国の次期大統領候補ともなると、ハッキング対策やセキュリティ確保にも注目が集まるのは当然です。ところが、ドナルド・トランプの主治医として、これまで35年以上にわたって同氏の診察に関わってきたHarold Bornsteinが、いまだに院内で「Windows XP」を使い続けていることが発覚し、物議を醸しています!
同医師は、昨年末にトランプの健康状態に関する報告書を用意。一部では高齢が懸念されているトランプですけど、飲酒も喫煙もしない同氏の健康状態は非常に良好で、なんら医療上の問題を抱えていないと断言しました。
もしも当選すれば、トランプ氏は、これまでの歴代米国大統領のなかで、もっとも健康な人物となるのは間違いないと、なんの疑いもなく推薦できる。
かなり踏み込んだ所見を記して同報告書を準備したBornstein。最近になって、実はその報告書は、わずか5分ほどの時間で急いで作られたものだったと批判され、NBC Newsからの直撃インタビューに応対。しかしながら、インタビュー内容よりもBornsteinのデスク上に映るPC画面が、どう見てもWindows XPのシステムであることに非難が集中する事態へと発展してしまいました。
ちなみに米国内では、医療保険の相互運用性と説明責任を規定したHIPAA(Health Insurance Portability and Accountability Act)法によって、個人情報保護の観点から、すでに正式サポートが打ち切られたWindows XPを医師が使い続けることは認められていません。こんなずさんな管理のもとで病院を運営している医師の用意した報告書の内容なんて、どこまで信頼できるの? そういう指摘が相次いでいるようです。
なお、一連の騒動を受けて、同院内で勤務するBornsteinの妻は、問題のシステムは患者の個人情報を保存するために用いられているのではないと説明。また、オンラインでカルテの管理を進めてもいないため、セキュリティ上の危険は心配する必要はないとのコメントを出したそうです。いずれにせよ、Windows XPを使い続けていると、安全でないばかりか、余計なトラブルにまで巻きこまれるので、一刻も早くシステムのアップデートを進めたほうがよい事例として記憶されそうです…。
source: NBC News
Matt Novak - Gizmodo US[原文]
(湯木進悟)