フェティッシュの火曜日
2016年8月30日
こんにちは、編集部・石川です。
今日から、外部サイト「Monsters Pro Shop」の記事の掲載が始まります。(月1ペース、次回から土曜日) 最初の記事は「石垣島 グリーンイグアナ捕物帳 〜食味レポートを添えて〜」。 内容でピンときちゃったかもしれませんが、当サイトでも巨大魚や珍しい生き物を捕まくって(&食べまくって)いる、ライター平坂さんが編集長をつとめるサイトです。 連載を始めるにあたって、平坂さんにどんなサイトなのか聞いてみました。 > 個人サイト デイリーポータルZ 全身を毒アリに刺されて石川:
体調崩されてたそうですが、大丈夫ですか?
平坂: なんとか復調しました! しばらくテレビの仕事で海外に行っていたんですよ。 仕事終えてすぐに帰れば良かったんですが、居残りしてレンタカー借りて色々探してたらトラブル続出で。 肉体的精神的経済的にズタズタになっちゃいまして。 石川: 全方位からやられてますね。 平坂: 全身を毒アリに刺されて熱出て。 帰国したら疲れではじめて血尿出ましたね。 石川: 全身を毒アリ! それ疲れじゃなくて毒のせいじゃないですか? あるいは風土病とか。 平坂: ではなさそうなんで、一安心してるところです。 割と虫の毒には強い体質なので。 石川: そういう体質あるんですか。 病院でちゃんと毒アリのこと話しました? 平坂: はい、ありのままを。 「へーたいへんでしたね」くらいのリアクションをいただきました。 診断としては、まあ過労だろうと。 石川: 緊急検査とかにならないんですね。 そういう経緯だとすぐ隔離されるのかと思ってました。 平坂: 危ない病気は無い地域だったので。 おかげさまで回復しましたが、目が照り返しで日焼けして、かなり視力が落ちちゃいました。 今度メガネ作ることになりそうなので、そのときはフレーム選びの相談に乗ってください 石川: あはは、一緒に買いに行きましょう すぐにわざと刺されにいく/?まれにいく平坂さん(Monsters Pro Shop「昆虫界最強?グンタイアリに咬まれてみる (南米 ガイアナ共和国)」より。上記の毒アリの話とは別件です)
怪魚業界のせまさ石川:
Monsters Pro Shop、一言でいうとどういうサイトですか?
平坂: はい。一言でいうと 世界中の面白い生き物と、それを捕まえるまでの紀行文を集めたサイトです。 石川: 平坂さんは編集長的な? 平坂: そうです! 僕と仲間二人の計三名で運営していて、僕は記事の編集、ライターの募集など、読み物コンテンツの扱いを引き受けています。 オンラインショップもあるんですが、そちらは他の2人のスタッフが分業しています。 元々はその2人が始めたプロジェクトで、僕は後から声が掛かってそれに乗っかった形なんです。 石川: そうだったんですか。 じゃあ平坂さんが入る前からサイトはあったんですか? 平坂: いいえ。 企画自体は動き始めていたんですが、記事を扱うノウハウがまだ無かったので。 そこでライター兼編集者として僕に声が掛かったんです。 ちょうどその頃、僕も個人ブログを畳んで、新しく生物関係のサイトを立ち上げようとしていたタイミングでした。 コンセプトも通じる部分が多々あるし、これは運命かもな、乗ってみるかなと。 石川: 「運命」でましたね 平坂: あ、恥ずかしいんで運命なしで。 これはちょうどいいな、乗ってみるかなと Monsters Pro Shop。開いた瞬間にあんまり見たことのない生き物がずらっと並ぶ
石川:
あはは
ライターの方々はどういう人たちなんですか? 平坂: 日本中にいる魚好きとか爬虫類好きとか、同好の士に声を掛けて執筆していただいてます。 彼らが良い記事を提供してくださるおかげで、最近は読者の方々からライター募集への応募もちらほら集まるようになってきました。ありがたい限りです。 石川: 平坂さんおすすめのライターさんはいますか? 平坂: 全員! と言いたいところですが、強いて挙げるとするなら アリゲーターガーとナイルパーチの記事を書いてくれた山中聖さんと、サイトのスタッフでもある半澤聖也くんですかね。 二人とも魚が好きなんですが、異常なほどバイタリティーに溢れていて、珍しい魚を捕るために海外へ移住していた過去があります。 山中さんの記事より、巨大アリゲーターガー
半澤さんの記事より、巨大トビハゼ・ジャイアントマッドスキッパー。顔!
石川:
住んじゃってたんですね!
それぞれどこですか?移住先は 平坂: 山中さんは南米、半澤さんはタイでした。 実は半澤さんと知り合ったのはデイリーのこの記事でバンコクへ行った時なんですよ。記事内にも登場しています。 石川: あ、ほんとだ!! これあれじゃないですか。運命。 平坂: いや、運命は恥ずかしいんで無しで 石川: 絶対残します。 半澤さんの働くタイの釣り堀で巨大なメコンオオナマズを釣り上げた平坂さん
平坂:
こういう変な生き物を追い回してる人たちのコミュニティってすごく小さいんですよ。
どうしてもどこかでつながっちゃうんです。 海外へ行っても、現地のそういう変な人たちと話してると、実は知り合いの知り合いだった。なんてことによくなります。 石川: あはは、怪魚業界。 平坂: 魚に限らず、虫でも爬虫類でも、コアなジャンルを探り始めるとすぐに同じ状況が発生しますね。 本体がないのにオウンドメディアだけある石川:
しばらく前に、僕が平坂さんに、このサイトどうやって運営してるんですか?って聞いたんですよね。経費的な面で。
そしたら「ネットショップをやって稼ぐはずなんですがまだできてません」って言われて。 本体がないのにオウンドメディア(企業が自分で運営して情報発信するメディア)だけある、みたいな状態が数か月続いてて、すごいなと思ってました 平坂: 現在はオンラインショップからの収益でやりくりしています。 ゆくゆくは広告もと思うのですが、集客しないことにはショップも広告も機能しないので。 立ち上げ当時からとにかくメディアの質を高めることだけ考えて記事を掲載しまくっていました。 石川: 記事本数すごいですよね。大ネタばっかり100本以上ある。 平坂: 記事は各ライターにストックしていた過去ネタを掘り返してもらっていましたね。 ここだけの話、実は初期に掲載した僕のこの辺の記事「香港のドブでアフリカの巨大魚「クラリアス」を」「石垣島 グリーンイグアナ捕物帳 〜食味レポートを添えて〜」も、デイリーに載せることを想定して取材しておいたものだったんですよ。 香港で捕獲したクラリアス。そろそろ魚のサイズに対する感覚がマヒしてくる
石川:
おお、そうだったんですね!
香港の記事は香港のサイトに転載されてるの見ましたよ 香港の知人が巨大魚のリンクをFacebookにアップしてて、開いてみたら「平坂さんがいる!!」と思って 平坂: どちらもちょっと刺激の強い内容だったのでこちらに回したという経緯があります 向こうでものすごくバズったようで、現地のメディアからもたくさん取材が来ました 石川: イグアナのほうはこの記事と同時にデイリーに掲載ということで、逆輸入?出戻り?よくわからないけどそんな感じですね。 平坂: この二本はサイトオープン初日の記事だったんですよ。 せっかくオープンしたのに記事が一本しか無いのは寂しいので、見栄を張って5,6本一気に公開しました。 いやー、感無量です。まさかこんな展開になるとは。 ショップの商品画像がすごい石川:
ショップのほうも拝見したんですけど、この画像がすごいぞと思って。通販の商品画像とは思えない
売り物は魚でなく竿です
ショップの商品画像がすごい平坂:
なんか凄いですね
僕もこんな画像いつの間にどこで撮影してきたんだと驚きっぱなしです 石川: ショップのコンセプトとしては、こういうモンスター系の魚を釣るための道具を売ってるということなんですか? 平坂: 「モンスターハント」をテーマに、世界中の珍しい生物を捕まえる、あるいは観察・撮影するためのアイテムを販売しています。 現在は釣り具が多いですが、ゆくゆくはもっといろんなジャンルの商品を扱っていきたいですね。昆虫採集とかバードウォッチングとか。 魚釣りって狩猟採集系の趣味だと、ぶっちぎりで人口が多いんですよね。世界的に。 だから、商品も記事も釣り関係が多くなってくるのかなと。 石川: なるほど、たしかに昆虫採集趣味の人より釣り好きのほうが断然多そうですね。 平坂: めちゃくちゃ多いですね。ケタが違います。 釣具屋さんってあちこちにありますけど、昆虫採集やハンティンググッズの専門店ってめったにないですよね? 石川: たしかに。全然近くに水辺のないところでも釣具屋あったりしますもんね 平坂: それだけ釣りはとっつきやすいんでしょうね。 子どもでもお年寄りでも楽しめるし。 何より魚って脊椎動物の中でもぶっちぎりで種類が多いから、それだけ楽しみ方や新製品を生み出しやすいんでしょう。 石川: なるほどー。 ペンチが売ってますけどこれも釣り具なんですか? この小さいペンチ便利そうだなと思って。 平坂: ペンチも魚釣り用のものがほとんどですね。 なんでこんなに充実しているのかは謎です。 石川: あと猿のマルチツールがかわいい。 栓抜きとかドライバーとか定規とかついてます
平坂:
あー、ポケットモンキー。
僕も自分用に買ってみようかと思ってます。 石川: 定規の目盛りがインチなのでセンチ仕様のが欲しいですね、これ。 釣り用にはインチのほうがいいのかな 平坂: スポーツフィッシングの本場がアメリカなので、釣り業界ではインチやポンド表記が横行してますね。そういえば。 かと思えば匁(もんめ)表記のオモリもあったりしてややこしいです。 石川: 普通に生活してて見ない単位ですね。匁。 次のページは、平坂編集長が選ぶおすすめ記事の紹介です。
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