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なっログ!

ファッション、映画、マンガ、グルメとかを浅く広く書いてく雑記ブログ!「なっとく」は全てに優先するぜッ!

必ずハマる!おすすめ漫画をジャンル別ランキングで紹介します!【随時更新中】

マンガ マンガ-おすすめ
あとで読む

そんじょそこらの漫画好きが、今まで読んで面白かったおすすめ漫画をジャンル別ランキング形式で紹介します。

 

いろんな面白さをもつ傑作漫画たちを僕の判断のみでジャンル分けするのは気が引けましたが、読みやすさと類似漫画の探しやすさを考え、この形式を採用させていただきました。

次に読む漫画探しの参考にお使いください。

  

  • 漫画の対象は問わずです。少年・少女・青年なんでもあり!
  • ジャンルは「冒険・バトル」「SF」「ファンタジー」「日常・コメディ」「ヒューマンドラマ」「スポーツ」「歴史」「芸術・文化」「仕事・社会」「ホラー・サスペンス」の10種類です。
  • 連載中・完結済はごちゃまぜで、個人的なランキング順で紹介します。
  • 画像クリックでAmazonに飛びます。

 

このジャンルの漫画が見たい!って方は以下のリンクからどうぞ。

 

 

 

おすすめ「冒険・バトル」漫画

23位 炎炎ノ消防隊 / 大久保篤(4巻〜)

 

原因不明の人体発火により、炎の怪物”焔ビト”に変貌してしまう世界。炎の恐怖に立ち向かう”特殊消防隊”の活躍を「ソウルイーター」の奇才、大久保篤が描きます。

ガンガンからサンデーに移り、良くも悪くもクセが抑えられていますが、個性的なキャラを作り出す卓越したセンスはそのまま。

女の子が可愛くてちょっとエロい。これ大事です。

 

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22位 亜人 / 桜井画門(8巻〜)

 

世界中にごく少数存在し、死んでも即復活する”亜人”達をめぐるシリアス路線のバトル物。

展開が早く、アクションも派手で分かりやすいです。死んだら即復活という設定を上手く活かしているのも良い。

亜人が出すスタンド的なやつのデザインが好きなんですが、銃メインであんまり出てこないのがちょっと悲しいです。

 

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劇場アニメ3部作、TVアニメ化されています。2016年10月から第2クール放送予定。

 

 

 

21位 ブリーチ / 久保帯人(73巻〜)

 

不良高校生が死神になり、人を襲う”虚(ホロウ)”と戦うオサレ漫画。先日ついに完結してしまいました。

ポエムとか13kmとか済まぬとか心かとかちょっとネタになりすぎているけど、フツーに面白い漫画だと思ってます。センスが斜め上なだけで。

初期のギャグの勢いとか好きだったなぁ。…やっぱ尸魂界(ソウルソサエティ)編までは良かったなぁ。

 

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20位 テラフォーマーズ / 橘賢一、 貴家悠(18巻〜)

 

火星を人間が住める星にするため、超進化したゴキリをと対決する漫画です。なぜか人型へと超進化したゴキブリのビジュアルはインパクト抜群でした。

人間側は特殊手術によって得た動物や昆虫の能力を使って戦うんですが、能力を解説した直後に殺されちゃうという展開が新鮮。最近この展開をマネた漫画よく見ます。

あとゴキブリより人間同士で戦ってることが多いです。

 

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2クールでアニメ化され、三池崇史監督、伊藤英明、武井咲、山下智久、菊地凛子ら出演で実写映画化もされました。

 

 

 

19位 天上天下 / 大暮維人(全22巻)

 

才気ある武道家ばかりを集めた統道学園を舞台に異能者達が戦い合う、学園能力バトルマンガ…なのは最初だけで、気づいたら戦国時代とか神とか壮大な話になっていきます。

グロありエロありです。画力の上達がハンパなくて、最初は上の表紙くらいだったのが、これくらい↓になります。画力と比例してストーリーもぶっとんでいくのですが。

ぜひkindleカラー版で眺めてみてください。

 

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18位 バジリスク 甲賀忍法帖 / せがわまさき(全5巻)

 

互いにいがみ合う甲賀忍者と伊賀忍者。党首同士の結婚を目前に控えたそのとき、将軍の後継問題を解決するため甲賀10忍vs伊賀10忍の忍術合戦が命じられてしまう…。山田風太郎の小説「甲賀忍法帖」を、せがわまさき氏がコミカライズ。

よく5巻に収まったなぁ、というくらい濃密な漫画です。総勢20人の忍たちはみなキャラが立っており、その能力や戦う理由、背景までしっかり描写されています。展開も無駄が全くなく、ラストも綺麗に終わる傑作。

主人公・源之助の能力発動シーンは漫画史上屈指のカッコよさ。

 

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17位 エア・ギア / 大暮維人(全37巻)

 

超ハイスペックインラインスケート”エア・トレック”を履き、街中を縦横無尽に駆け回る暴風族(ストームライダー)。世界を巻き込むストームライダー達の抗争を描くバトルアクション漫画です。

中二心をくすぐる設定、個性的なキャラ、センスの塊のようなデザイン、超画力と隙がない作品かと思いきや、ストーリーが…。勢いはあるんですけどね。

 

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16位 ブラック・ラグーン / 広江礼威(10巻〜)

 

東南アジアの架空の犯罪都市・ロアナプラを舞台に、ヤクザからマフィア、海賊、メイドまで明るく楽しく殺しあってるB級アクション漫画(いい意味で)。登場人物はほぼみんな悪人。

鉄板のエロス&バイオレンス。そこにスラング満載のアメリカ映画風なセリフがスパイスとなり、唯一無二の作品に仕上がっています。ハマる人はどハマりすること間違いなし。

 

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15位 北斗の拳 / 原哲夫、武論尊(全27巻)

 

20XX年、核の炎に包まれ荒廃した世界を舞台に、一子相伝の殺人拳「北斗神拳」をめぐる戦いを描く、世紀末アクションバトル漫画。

腐敗し暴力のみが蔓延した世界に一貫したテーマは「愛」と「哀しみ」。僕はレイvsユダが好きでした。

「きさまの血で化粧がしたい!」「ユダ・・・お前もまた孤独」

 

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14位 遊☆戯☆王 / 高橋和希(全38巻)

 

現在も世界中で大人気のカードゲーム「デュエルモンスターズ」を生んだゲームバトル漫画です。

デュエルモンスターズだけじゃなく、カプセル・モンスター・チェス、龍札(ドラゴン・カード)、D・D・D(ドラゴン・ダイス&ダンジョンズ)など、作中に登場するゲームはどれも面白そうで、小学生のころはマネしてオリジナルゲーム作ってました。

初期の闇遊戯(主人公武藤遊戯の別人格)はホントにファラオだったの?ってくらいガチで怖かったです。

 

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13位 僕のヒーローアカデミア / 堀越公平(9巻〜)

 

世界中のほとんどの人が”個性”という超能力を持って暮らしている世界。ヒーローに憧れるも”無個性”な少年・デクの物語。

まっすぐでひたむきな”気持ち”を認められ成長していく主人公は、つい応援したくなる魅力を持っています。ライバル・ヒロインたちもみんな熱くて眩しい王道少年漫画です。アメコミ風の擬音も新鮮。

敵キャラ・ヴィランにも注目。ヒーロー勢よりも凝ったデザインと作り込まれた背景があり、作者は本当はこっちが描きたいのかな、と思わせるほどです。いつか青年誌で連載してほしい。

 

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12位 東京喰種(トーキョーグール) / 石田スイ(21巻〜)

 

東京を暗躍する食人の怪物、喰種(グール)。普通の青年が1人の喰種に邂逅したことから、数奇な物語が幕を開けます。

一言でいうと「寄生獣」を現代風にオシャレにした感じ。派手かつ綺麗な戦闘シーンや、ヒトと喰種の狭間で揺れる主人公の葛藤に引き込まれます。

カネキくんがカネキさんになるところがとてもよかった。

 

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現在第2部連載中。話の中心は喰種から、その敵である喰種捜査官へ移っていきます。捜査官側の新キャラ達も魅力十分です。

 

 

 

11位 十 ~忍法魔界転生~ / 山田風太郎、せがわまさき(9巻〜)

 

山田風太郎の傑作小説「魔界転生」を、いつもの如くせがわまさきがコミカライズ。何度も映像化されている原作の禍々しさ、妖しさを凄まじいクオリティで表現しています。

魔の力によって転生した魔界衆達の”人間やめてる感”が素晴らしい。天草四郎の妖しさと、柳生宗矩のキュートさ(?)は必見です。

 

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10位 幽遊白書 / 冨樫義博(全19巻)

 

霊界探偵にスカウトされた筋金入りの不良、浦飯幽助が霊丸(れいがん)を武器に妖怪達と戦うバトル漫画。

トーナメントバトルの最高峰といえる暗黒武術会編、頭脳的な能力バトルから超絶インフレバトルの流れがたまらない界境トンネル編、めちゃめちゃ期待を持たせて唐突に終わった魔界編、哀愁漂うエピローグ、全編が異なる面白さを持っています。最初の霊界探偵編も好きだ。

邪王炎殺黒龍波は数ある必殺技のなかで最高のネーミングだと思ってます。

 

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9位 シャーマンキング / 武井宏之(全27巻)

 

シャーマンキングを決める500年に一度の大会”シャーマンファイト”の戦いを描くバトル漫画。霊を憑依させて戦うオーバーソウルのデザインがめちゃかっこいいです。

単行本は”みかん”(未完)で終わってしまうので、今買うなら「新完結編」が描かれている完全版をどうぞ。あと、後日談のFLOWERSや前日談の0- ZERO -など、派生作品がけっこう多いです。

 

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8位 進撃の巨人 / 諌山創(20巻〜)

 

どこからともなく現れた人食いの巨人と、人間の生存競争を描く漫画。

まったく先が読めない衝撃的な展開と、荒削りながらも緻密に作り込まれた世界観、伏線たっぷりで底知れぬ謎が話題を呼んだ原作にはじまり、超クオリティで製作されたアニメ版、なんか荒れた実写映画版と、3段飛びで世間を席巻しました。関西版(現在公開終了)もちょっと話題に。

 

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三浦春馬、水原希子、長谷川博巳、石原さとみ出演の実写映画、酷評されてたので期待せず前編見たらすごく面白かったです。期待して後編見たら面白くなかったです。

アニメはSeason2が決まったようで楽しみ。

 

 

 

7位 うしおととら / 藤田和日郎(全33巻)

 

少年「うしお」と妖怪「とら」。共に大妖怪「白面(はくめん)の者」を追う物語を描いた冒険バトル漫画です。

絵は少し荒いのですが、作中の様々な人物・妖怪とのエピソードが「白面の者」とのラストバトルへつながっていく感じ、めちゃくちゃ燃えます。

約25年前のマンガにもかかわらず、最近アニメ化されて話題になった不朽の名作。

 

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6位 るろうに剣心 / 和月伸宏(全28巻)

 

歴史の裏側で人知れず戦い続けた剣客、緋村剣心。幕末に”人斬り抜刀歳”と呼ばれ、明治維新後に”不殺(ころさず)”を誓った剣心の戦いを描く、歴史時代劇漫画です。

剣心の”戦うカウンセラー”っぷりが素敵です。登場キャラが使う技の数々も王道のカッコよさがあります。飛天御剣流(ひてんみつるぎりゅう)の語呂の良さは異常。

一番好きなキャラは元新撰組、斉藤一でした。剣心とベクトルは正反対ですが、「悪・即・斬」の信念を貫き通す姿がカッコよかったです。

 

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佐藤健、武井咲、江口洋介、福山雅治、藤原竜也の豪華俳優陣で実写映画化されました。

 

 

 

5位 からくりサーカス / 藤田和日郎(全43巻)

 

命を狙われた少年・才賀勝を、拳法家・ナルミと人形使い・しろがねが助けたところから物語が幕を開ける、冒険バトルマンガ。暗い展開やバイオレンスなシーンが多く話も長いですが、風呂敷を広げに広げて畳んだ壮大な作品。ラストの演出が憎いです。

紆余曲折あってからの終盤、勝と加藤が背を合わせて戦うシーンは鳥肌モノ。敵味方問わず、各キャラの死に様も名シーンばかりです。

 

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4位 ドラゴンボール / 鳥山明(全42巻)

 

集めれば1つだけなんでも願いを叶えてくれる7つのドラゴンボールをめぐる、昭和の国民的冒険バトル漫画。みんなでカメハメ波の練習してましたね。僕はひたすらギャリック砲撃ってました。

連載終了から20年経った今でも劇場アニメが公開されたり新作アニメが放送されてたり新作ゲームが出たリする超すごい作品。その人気は悟空の強さとともに超インフレ状態です。

大人になった今読むとベジータの良さが分かる。ラスト、ついに悟空を認めるシーンはほんと泣けます。

 

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3位 ワンピース / 尾田栄一郎(82巻〜)

 

能力を得る代わりにカナヅチになる悪魔の実を食べた少年、モンキー・D・ルフィ。仲間とともにひとつなぎの大秘法(ワンピース)を求めて旅をする、平成の国民的冒険マンガです。ギネスにも載って、今やワンピースの文字を見ない日は無いですね。

80巻を超えた今でも十分面白いんだけど、ドラム王国編(チョッパーが仲間になるとこ)あたりが絵柄も話も一番好きでした。あとエニエスロビー編のラストは格別です。メリー号…。

今はなんかアホの子になっちゃってますが、初期のルフィのキレ顔、迫力あってカッコ良かったなぁ。

 

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2位 ハンターハンター / 冨樫義博(33巻〜)

 

未知に魅せられた者”ハンター”達が活躍する世界。偉大なハンターである父親を追う少年ゴンの冒険を描く、冒険バトル漫画です。

特殊能力”念”の設定、章ごとにガラリと雰囲気が変わるシナリオ、息をつかせぬ展開と、面白いところをあげればキリがありません。

盗賊集団”幻影旅団”と、一族の復讐を誓うメインキャラの一人クラピカの攻防を描くヨークシン編からの、リアルオンラインゲームのようなグリードアイランド編がめっちゃ好き。

休載、再開されるたびに話題になり、ジャンプの売り上げが上昇します。

 

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絶対時間(エンペラータイム)!!…かっけぇ。

 

 

 

1位 ジョジョの奇妙な冒険 / 荒木飛呂彦

 

誇り高きジョースター一族の世代を超える闘いを描くサスペンスバトル漫画。

30年前に連載開始し、現在8部が連載中。見所は、2世紀以上にわたって受け継がれる熱い『意志』と、その根底に流れるテーマ『人間賛歌』!

色彩豊かでハイセンスな絵は、今もなお進化中。「ジョジョは絵が苦手だから読まない」は超もったいないと思います。

各部ごとに紹介させていただきますがかまいませんねッ!

 

第1部 ファントムブラッド(全3巻)

すべての根源!ジョジョの奇妙な冒険はここから始まったッ!仮面の力で人間をやめ、吸血鬼となったディオ。紳士ジョナサンは太陽のエネルギー”波紋”を身につけ、ディオに立ち向かう!

「メメタァ」「パパウパウパウ」といったぶっ飛んだセンスの擬音にも注目です。

 

第2部 戦闘潮流(全4巻)

途絶えたと思われたジョナサンの意志は、その孫ジョセフに受け継がれていたッ!対するは吸血鬼のさらに上の存在”石の男”たち!ジョナサンの師匠ツェペリの孫シーザーとともに、ジョセフは究極生命体との戦いに挑むッ!

紳士ジョナサンとは正反対の曲者ジョセフ。彼のトリッキーな戦闘が見所です。

 

第3部 スターダストクルセイダーズ(全10巻)

ジョセフの孫、空条承太郎に悪霊が取り付いた!その正体は精神エネルギーの像(ヴィジョン)、『幽波紋(スタンド)』!母の命を救うため、DIOとの因縁に決着をつける長い旅が始まるッ!

能力系バトル漫画の金字塔といえる作品。DIOとのラストバトルは漫画史上屈指の熱い戦いです。 

 

第4部 ダイヤモンドは砕けない(全12巻)

M県S市杜王町で増え続けるスタンド使い!そして現れる最悪の殺人鬼!ジョセフの隠し子、東方仗助とその仲間たちが町を守るために立ち上がるッ!

個人的にジョジョの中で一番好きな4部。杜王町の日常と、そこに潜む恐怖の調和が素晴らしいです。

 

第5部 黄金の風(全10巻)

DIOの息子ジョルノ・ジョバァーナには夢がある!自分を救ってくれた名もなき一人のギャングに憧れ、ギャングスターを目指すという夢が!子供にすら麻薬を流す、ギャング団のボスを倒し、組織を乗っ取ることができるかッ!?

舞台はイタリアへ。キャラデザインの卓越したセンスと、世界一かっこいいおかっぱ・ブチャラティの”覚悟”が5部最大の魅力です。

 

第6部 ストーンオーシャン(全11巻)

承太郎の娘、徐倫(ジョリーン)は、父の愛に飢えていた。娘を監獄から救出せんとする承太郎は、DIOの意志を継ぐプッチ神父にスタンドと記憶を奪われる!それを取り戻す過程で父を理解する徐倫。親子の絆とDIOから受け継がれた『最悪』が激突するッ!

この6部からスタンドバトルが複雑になっていきます。正体不明の敵が襲ってくる圧倒的な恐怖感と、最初は頼りない主人公ジョリーンの成長が見所です。

 

第7部 スティール・ボール・ラン(全24巻)

一巡した世界で始まる、馬による北アメリカ大陸横断レース「スティール・ボール・ラン」。下半身付随となった元天才騎手ジョニィ・ジョースターと、死刑執行人ジャイロ・ツェペリのコンビが、ある”遺体”をめぐる争いに巻き込まれるッ!「世界のナプキン」を最初に手にするのは誰だッ!

今までのような単純な正義vs悪ではなく、登場人物それぞれの信念を貫くために戦う感じがすごく好きです。セルフパロディも満載。

 

第8部 ジョジョリオン(13巻〜)

一巡した世界のM県S市杜王町。3月11日の震災後に現れた「壁の目」から出現した記憶喪失の主人公、東方定助。これは「呪い」を説く物語。同じく「壁の目」で死んでいた『吉良吉影』との関係とは!?

一番好きな4部の舞台が再登場。それだけで十分面白いのですが、主人公・定助自身の謎、それを解き明かす過程に引き込まれます。

 

 

おすすめ「SF」漫画

17位 百万畳ラビリンス / たかみち(全2巻)

 

延々と続く畳部屋…。迷い込んだのはゲーム会社で働く2人のOL。ここはいったいどこ?尋常じゃない好奇心を持つ変人、冷香(れいか)と常識人、庸子(ようこ)。2人のゆるい脱出ゲーの結末やいかに!

この作品の見所はユニークな設定と冷香のキャラ、それと物語が進むにつれて厚みを増していく先の読めない展開です。万人ウケする漫画ではありませんが、物は試し。上下巻イッキ読み推奨です。

 

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16位 All You Need is Kill / 小畑健(全2巻)

 

ライトノベルが原作のループものSF漫画。トム・クルーズ主演で実写映画化もされましたが、個人的にはハリウッド感満載の映画より漫画のほうが結末含めしっくりきました。マンガ版のリタ・ヴラタスキまじ天使。

スピード感のある無駄のない展開です。2巻完結ってのも読みやすくてオススメ。

 

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15位 刻刻 / 堀尾省太(全8巻)

 

時間が止まった世界「止界」に入れる一家と「止界」を奪わんとする宗教団体の攻防を描くSFサスペンス。

絵はそんなに上手じゃないし、登場人物は地味だし、展開にもハデさがないけど、しっかり練られた作りで読ませる作品です。「テンプレマンガにはもう飽き飽きだぜ。」というあなたも楽しめるはず。

後日談がフリーで読めるのでお忘れなく。(『刻刻』番外編―300日後― (モーニングコミックス)

 

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14位 いぬやしき / 奥浩哉(7巻〜)

 

希望も人脈もない、58歳の冴えないおっさんがサイボーグになっちゃう変化球SFマンガ。おっさんが手にした”希望”ともう一人の主人公に与えられる”絶望”、相対するヒューマンドラマに目が離せません。どっちもサイボーグだけど。

間延びしたあげくの「ヒマを持て余した神々の遊び」エンドにならないことを祈ってます。

 

 

 

13位 ZETMAN / 桂正和(20巻〜)

 

大企業アマギコーポレーションの極秘研究によって生み出された超生命体 ”Z・E・T”、怪物”プレイヤー”、正義の味方”アルファス”。3者のストーリーが、主人公ジンとコウガを中心に進みます。

単純な勧善懲悪ではなく、「正義とは? 悪とは?」という複雑なテーマ。少年誌では描写できない暴力・性・非道徳といった過激さを含む作品です。

現在20巻で第1部完!続きは2部で!

 

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12位 GANTZ / 奥浩哉(全37巻)

 

アパートの一室に集められた死んだはずの人間たち。わけがわからないまま宇宙人との命がけの戦いに投げ込まれる、という異色のSF。今までにない設定、CGを駆使した無機質かつ美しい描写、先が読めない展開、唯一無二の”GANTZワールド”が味わえます。

エグめな表現が多いので要注意。二宮和也と松山ケンイチ主演の実写映画はエグさが若干抑えられてるので先に映画を観てみるのもいいかも。

 

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11位 ぼくらの / 鬼頭莫宏(全11巻)

 

15人の小中学生が巨大ロボット”ジアース”を操縦して地球を襲う巨大な敵と戦う、という一見普通のロボットもの…のはずが、ある設定のせいで重苦しいヒューマンドラマに変貌します。

避けられない「死」を目の前にした少年少女の心象描写に圧倒されること間違いなし。物語が進むにつれて徐々にジアースの謎が解き明かされていく計算し尽くされたストーリー。まさに問題作です。

 

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10位 新世紀ヱヴァンゲリオン / 貞本義行(全14巻)

 

アニメ放送の前に連載が始まり、やっと完結した漫画版ヱヴァンゲリオン。通称貞本エヴァ。

ストーリーはアニメ版とほぼ同じ展開ですが、ちょっと男らしいシンジ君が見れます。結末もアニメ・旧劇場版とは違い、納得できる終わり方でした。さらに、最終巻には新劇場版の”あのキャラ”につながる未公開の過去編も収録。ファン必読です!!

 

 

 

9位 機動戦士ガンダム THE ORIGIN / 安彦良和ほか(20巻〜)

 

”1stガンダム”のコミカライズ。基本的にアニメに忠実で、ストーリーもほぼそのままと、原作ファンも安心して読めます。一部原作との矛盾があるので、コアなファンは要注意かも。

アニメではあまり掘り下げられなかったシャアの過去が掘り下げられていて、個人的にはとても楽しめました。

 

 

 

8位 アトム ザ・ビギニング / 手塚治虫、ゆうきまさみ(3巻〜)

 

漫画の神様手塚治虫の傑作SF漫画「鉄腕アトム」の前日譚。アトムの生みの親である天馬博士、保護者であるお茶の水博士の大学生時代を描くSF漫画です。

古典SF漫画を現代の読者にウケるように書く、という、時系列ごちゃごちゃな難題をしっかりクリアしています。未来の話なのにどこか懐かしい、不思議な空気感を持つ作品。アトムファンにも嬉しい仕掛けもたくさん盛り込まれてます。

 

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7位 ニンジャスレイヤー / 余湖祐輝ほか(8巻〜)

 

ドーモ、ドクシャ=サン。このウキヨエ・コミックは、Twitter上で連載されているサイバーパンクニンジャ活劇小説が原作です!

原作の世界観を忠実に再現!ワザマエ!乱れ飛ぶスリケン!戦闘シーンもヤバイ級にカッコいい!実際おもしろい!!ゴウランガ!!

…こんな感じです。絶妙にズレた忍者像が不思議とクセになるユニークな作品。ハマる人はハマるはず。

 

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6位 シドニアの騎士 / 弐瓶勉(全15巻)

 

1000年前、謎の生命体奇居子(ガウナ)によって地球が破壊されてからの人類の生存をかけた戦いを描く、ロボットSF漫画です。

戦闘シーンは何が起こってるか分かりづらいかも。ですが、細部まで丹念に作り込まれた世界観、常に人類滅亡と隣り合わせの息もつかせぬ怒涛の展開、ちょっとシュールな笑い、いろんな要素にハマれる作品です。

つむぎちゃんが超かわいい。もちろん見た目も含めて!

 

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5位 火の鳥 / 手塚治虫(全16巻)

 

その血を飲むと不老不死になれるという火の鳥をめぐる大長編。古代からはるか未来まで、地球・宇宙を舞台に生命の本質・人間の業を描く、”マンガの神様”手塚治虫がライフワークと位置付けた作品です。

各エピソードは、めっちゃ過去→めっちゃ未来→ちょっと過去→ちょっと未来、と現代に近付いていき、「手塚治虫自身の死亡時刻」をラストにする構想だったそう。文字通り漫画に人生を捧げようとした神様の凄さがうかがえるエピソードです。

 

 

 

4位 イムリ / 三宅乱丈(19巻〜)

 

奴隷民族「イコル」を支配する民族「カーマ」と、少数の原住民「イムリ」の物語を描くSFファンタジーマンガ。

まったくオリジナルの作り込まれた世界観と、それぞれの民族に属する登場人物たちの人間ドラマの緻密さ、「支配と自由」という重厚なテーマが混ざり合い、まったく新しい世界が描かれています。

固有名詞が多く、設定も複雑なので慣れるのにちょっと時間がかかりますが、まさにSF大河マンガというべき大作です。

 

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3位 寄生獣 / 岩明均(全10巻)

 

右手に宿った謎の寄生生物”ミギー”と共生することになった平凡な高校生泉新一。彼の数奇な運命を描くSFヒューマンドラマ。人間とはまったく異なる合理的な価値観をもつミギーが、ちょっとかわいくてかなり怖いです。

最近ありがちなパニックホラーマンガではなく、未知の生物が「人間」を客観的に捉えることで「人間とは何か?」と考えさせてくれます。名作中の名作。 

染谷将太、深津絵里出演で実写映画化されました。

 

 

 

2位 レベルE / 冨樫義博(全2巻)

 

天才、冨樫義博の最高傑作と名高いエイリアン・オムニバス。宇宙一の天才的な頭脳と美貌、そして最悪な性格の持ち主、通称”バカ王子”が巻き起こす珍騒動。それらを連作集の形式で描いています。

サスペンスから、ホラー、コメディ、ミステリー、ラブロマンス、アドベンチャー、バイオレンスまで、あらゆるジャンルの話が画力も含めて最高のクオリティで楽しめます。

 

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1位 宇宙兄弟 / 小山宙也(28巻〜)

 

兄弟の小さい頃の夢、宇宙飛行士。夢を見続けついに叶えた弟。夢を諦めていた兄が、宇宙飛行士を目指す物語。

物語の中心となる南波兄弟が、周りの個性豊かな人たちと協力して課題を乗り越えていくエピソードの1つ1つが深くて心温まります。要所要所のユーモアセンスも秀逸。「”心のノート”にメモっとけ!」、なんかいい感じですよね。

アニメ化され、小栗旬、岡田将生主演で実写映画化もされました。

 

 

 

おすすめ「ファンタジー」漫画

18位 引き出しにテラリウム / 九井諒子(全1巻)

 

「ダンジョン飯」で大ブレイクした九井諒子の短編集。日常コメディから昔話、ファンタジー、SFにいたるまで、33篇ものストーリー(多くは数ページで終わるショートショート)を楽しむことができます。

1篇ごとの読後感もそれぞれ違ってて、ハラハラドキドキしたと思ったら次はほのぼの、かと思ったらしんみり…。それぞれの切り口やネタ、表現方法も様々で全く飽きません。画風まで変幻自在です。

1冊読み終わった後は、33篇全てをまとめたカバー絵を眺めて楽しめます。

 

ダンジョン飯、引き出しにテラリウムと読んで九井ワールドにハマった方は、下の2冊もぜひ手に取ってみてください。

 

 

17位 ギガントマキア / 三浦建太郎(全1巻)

 

ダークファンタジーの金字塔「ベルセルク」の三浦建太郎が描く、ファンタジーSF短編漫画です。

舞台は亜人族と人族が共生するディストピア。亜人種を蹂躙する帝国を阻止する目的で旅する1組の男女、デロスとプロメの物語です。かなりシリアスな世界観ですが、巨人プロレスのノリノリ具合が最高。書き込みも相変わらず圧倒的。

主人公デロスの性格が明るくまっすぐなので、ベルセルクの陰鬱さが薄れているのも特長です。短編で終わらせるのがもったいない。

 

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16位 なるたる / 鬼頭莫宏(全12巻)

 

ほんわか書体のひらがなタイトル、田舎の夏休み、活発少女がゆるキャラと出会い、冒険が始まる!・・・と思ったらセカイ系鬱マンガだった。まじかー。

ファンタジーゆえ各エピソードに現実感は無いのですが、恐ろしいくらいの生々しさを感じます。人間の”闇”の部分をこれでもか、と表現した問題作。

表紙には「なるたる」って書いてあるんだけど、真のタイトルは「骸なる星、珠たる子」っていう殺伐タイトルです。ダマされないようにしてくださいね。

 

 

 

15位 ストラヴァガンツァ ~異彩の姫~ / 冨明仁(4巻〜)

 

鉄仮面の女王陛下ビビアン様(※ 露出度:高)が主人公のファンタジー漫画。展開はほのぼの日常からシリアスバトルまで落差大きめです。画力が非常に高く、アクションシーンが上手で見やすい。

路線がいまいち定まらないけど、ちょいエロ成分でついつい許せてしまいます。尻がエロい。3巻あたりから世界観に奥行きが出てくるので、そのあたりまで読んでみることをお勧めします。ちょいエロは一貫してるのでご安心を。

 

 

 

14位 終わりと始まりのマイルス / 鬼頭莫宏(1巻〜)

 

万物が宙に浮く、キで満ちた不思議な世界”オービスワーヌス(空環)”。キ祷師マイルスとキ神ギカクのコンビが、キ物の思いを空に還します。

一見難解ですが、何も考えずに独特な世界観・空気感を味わえるほのぼのファンタジーです。ミリタリー好きも楽しめます。

ただし連載再開は未定…。

 

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13位 ダンジョン飯 / 九井諒子(3巻〜)

 

”短編女王”九井諒子初の長期連載。RPGのダンジョンに生息するモンスターを調理する、というファンタジーグルメ漫画です。ムダにリアルな調理方法や、モンスターの栄養バランスまで解説されており、読んでるとお腹が減ってきます。料理の先生役のドワーフ、生徒役の主人公(戦士)、魔法使い、シーフ、それぞれキャラが立ってるのも見てて飽きないです。

ちょっと有名になりすぎた感がありますが、やはり面白いものは面白い。未読の方は関数の少ない今のうちからぜひ読んでみてください。

 

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12位 HELLSING(ヘルシング) / 平野耕太(全10巻)

 

無敵の吸血鬼アーカード属するヘルシング機関。その凄惨な戦いを描いたバイオレンスファンタジー漫画です。敵味方揃ってみんなイカれたハイテンションな殺し合いは、ヴァチカンの特務機関イスカリオテ、ナチス残党によって結成されたミレニアムを巻き込んだ3つ巴の大戦争に突入していきます。

とにかくキャラの狂い方、独特なセリフまわしが魅力的。ベタ塗り多様のクセが強い絵もふくめて、すべての要素が唯一無二なスゴい漫画です。

 

 

 

11位 ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 / 藤原カムイ(全15巻)

 

「ダイの大冒険」と双璧をなすドラクエ漫画。「ダイ大」が完全オリジナルのストーリーなのに対し、こちらの「ロト紋」は3と1の間の話。(ドラクエの時系列は3→1→2)人が死ぬ描写もあり、すこしシリアスで大人向けな印象です。

最大の山場である獣王グノン戦の展開が熱すぎる。モンスター10万vs勇者1人、ポロン覚醒、ミナディン。死に様も壮絶なグノン、強烈なインパクトを残してくれました。

でも合体魔法のネーミングがちょっと微妙。マヒアロスはちょっとなぁ…。

 

  

 

10位 ソウルイーター / 大久保篤(全25巻)

 

死神武器職人専門学校(死武専)に通う武器人間とそれを扱う職人。その目的は”99個の悪人の魂”と”1個の魔女の魂”を武器に食べさせ”デスサイズ”を作ること!

正直3巻あたりまでは絵、ストーリーどちらも微妙の一言。しかし読み進めていくうちに、オシャレでパンクな世界観にハマっているはず。特に”ヒトの狂気”の表現が秀逸。ギャグもキレがあって楽しめます。 ブラック☆スターvsミフネが熱い!

 

 

 

9位 ドラゴンクエスト ダイの大冒険 / 稲田浩司(全37巻)

 

国民的RPGドラゴンクエストの世界観をベースに、オリジナルストーリーを描く冒険漫画。本家ドラクエで使われている”ギガブレイク”や”メドローア”はこの漫画から逆輸入されてます。

へたれだった魔導師ポップの成長、大魔王バーン様の名言「…今のはメラゾーマでは無い…メラだ…」などなど、印象的なシーンが多いです。

小学校のとき、傘でアバンストラッシュを打ってた人は僕と同年代のはず。

 

 

 

8位 ドリフターズ / 平野耕太(5巻〜)

 

死んだ歴史上の偉人達がファンタジー世界に召喚され、2つの陣営に分かれて争う、「大乱闘!世界の英雄オールスターズ!!」的な漫画。織田信長、島津豊久、那須与一、スキピオ、ハンニバル、安倍晴明らが味方陣営。敵陣営はキリスト(?)、明智光秀、土方歳三、ジャンヌダルク、アナスタシア・ロマノヴァなど。

キャラ・画力・セリフ・ストーリー全てにものすごい勢いと説得力があります。書いてる本人がとても楽しそうなのもグッド。

 

2016年10月よりアニメ放送予定。超楽しみですね。

 

 

 

7位 メイドインアビス / つくしあきひと(4巻〜)

 

12歳の金髪ツインテメガネ少女とロボ少年が旅するのは、呪いに満ちた超巨大ダンジョン”アビス”。2人の目的地である最深部の呪いは、帰還時の確実な死。モンスターも容赦なく殺しにくるし、出会う人間もヤバいのばかり。語られるエピソードもエグいものばかり。ハードを通り越してグロいです。

絵本のようなほんわかした絵柄じゃなければ見てられないダークさに目が離せません。とりあえずナナチ可愛い。

 

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6位 アルスラーン戦記 / 荒川弘、田中芳樹(5巻〜)

 

古代ペルシャ帝国をモデルにした架空の王国パルスを舞台に、王子アルスラーンの物語を描くファンタジー大河漫画。20年以上前から続く未完の同名小説のコミカライズです。

原作ファンには賛否両論あるみたいですが、さすがは超売れっ子漫画家の荒川弘。戦争シーンの迫力と魅力的なキャラクターで原作の雰囲気を上手く再現しています。まだ巻数は少ないですが、大作になること間違いなしでしょう。

 

 

 

5位 風の谷のナウシカ / 宮崎勤(全7巻)

 

ジブリの名作の1つ「風の谷のナウシカ」。その上映と同時期に連載されていた漫画版ナウシカです。映画は2巻までの話なので、その続きが知りたいファンは必読です。映画ではあまり語られなかった、クシャナ殿下やクロトワ、ユパさまが掘り下げられているのも嬉しいところ。

トルメキア王国の王位継承争いや、漫画版で初出の国「土鬼(ドルク)」の政教一致の恐怖政治など、よりシリアスなストーリーになっています。さらに、腐ってない巨神兵がナウシカと共闘するという胸熱展開。

天才、宮崎駿が完結まで10数年かけた「風の谷のナウシカ」。もはや文学的な領域にまで昇華された物語の結末、ぜひご自身の目で確認してください。

 

 

 

4位 惑星のさみだれ / 水上悟志(全10巻)

 

何の変哲も無い大学生は姫を守る騎士となり、悪の魔法使いから世界を救う王道ファンタジー!と思いきや…守られるはずの姫・さみだれは地球征服を目論む魔王だったのだ!という感じのストーリー。

展開だけでなく主人公や仲間たち、敵でさえも王道から外れていますが、納得できる形で締める構成力の高さが光ります。10巻完結という読みやすさも素晴らしい。

個性豊かな動物の騎士達が好きでした。面白いマイナー漫画として超メジャーな漫画です。

 

 

 

3位 封神演義 / 藤崎竜(全23巻)

 

同名の中国古典小説を、SF、ファンタジー、ギャグ、バトルという要素を取り入れ大胆アレンジ。3000年前の古代中国を舞台に悪の仙道を封じ込める”封神計画”を描くファンタジー歴史漫画です。基本はぐうたら、知略と嘘で敵を翻弄する主人公・太公望のキャラが新鮮でした。

登場キャラが使う武器・宝貝(パオペエ)それぞれデザインと能力、中ボス・聞仲(ぶんちゅう)のカッコよさが印象に残っています。1巻から貼られた壮大な伏線をしっかり回収し、すっきりと終わった名作です。

 

 

 

2位 ベルセルク / 三浦建太郎(38巻〜)

 

隻眼隻腕の剣士ガッツの復讐の物語。異形の怪物”使徒”との戦いを描くダーク・ファンタジー漫画の金字塔です。圧倒的な書き込み、容赦ない凄惨なストーリーは他の追随を許しません。

特筆すべきはやはり、中世ヨーロッパを土台に”魔”が暗躍する黄金時代編です。傭兵集団”鷹の団”の興盛と凋落。ラストの絶望感は、読んだ者全ての心に刻まれること間違いなしです。

 

 

 

1位 鋼の錬金術師 / 荒川弘(全27巻)

 

魔法に似た”錬金術”が発達した世界。死んだ母親を生き返らせたい純粋な思いから、最大の禁忌である”人体練成”の代償で手足を失った兄エドワードと肉体を失った弟アルフォンス。エルリック兄弟の旅を描くダークファンタジー漫画です。

ド派手なバトルだけではなく、細かな心理描写、緻密に作り上げた壮大な展開など、すべてがハイレベル。”等価交換”を根底とした様々なエピソードを通して、”命とはなにか”を考えることもできます。まさに傑作。

主人公のエルリック兄弟と父親との家族愛、めっちゃ泣けます。

 

 

 

おすすめ「日常・コメディ」漫画

18位 あずまんがだいおう / あずまきよひこ(全3巻)

少し前に大流行した日常系4コマの先駆け的な漫画です。6人の女子高生の何気ない日常。クスッと笑えて味のある雰囲気がいい感じです。

連載終了後、約10年経って新装版が出ました。ちょっとクセのあった絵が「よつばと」テイストに書き直されています(4分の1くらいは以前のままなのでごっちゃになっていますが)。書き下ろしエピソードもあるのでこっち買ったほうがいいかも。

 

 

 

17位 いちご100% / 河下水希(全19巻)

 

なんの変哲もない男子高校生がなぜかモテまくる学園ラブコメ漫画。毎週人目を気にしてジャンプ読んでました。ちょいエロはもちろん、揺れ動く主人公の心理描写が上手く、ラストはしっかり答えを出したことが印象的です。

作者が女性だと知ってビックリ。

 

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16位 ハチミツとクローバー / 羽海野チカ(全10巻)

 

美大が舞台の青春漫画。少女マンガには珍しく、男性目線でストーリーが展開するので男子も読みやすい。

ちょうど子供と大人の狭間である大学生の楽しさ、悩み、不安。揺れ動く微妙な心理を巧みに描いている作品。周りの大人もみんな青春してて、純粋なものからシリアスなものまで、甘酸っぱいというよりむしろ甘じょっぱい、という表現がぴったりな恋愛群像劇です。

 

 

 

15位 ヤマノススメ / しろ(12巻〜)

 

引っ込みじあんな女子高生が登山をはじめる、ゆる登山漫画。登山漫画には珍しく人が死にません。むしろこの漫画の雰囲気で死人が出たらヤバいので、お願いだから8000m級とか目指さないでほしい。

ゆるふわな絵柄とは裏腹に、登山を始める心構えや必要な準備・知識など、必要なことがしっかり書いてある堅実な漫画です。趣味としての登山に興味がある方はぜひ読んでみてください。

 

 

 

14位 ハクメイとミコチ / 樫木祐人(4巻〜)

 

身長9cmの小人、ハクメイとミコチ。様々な種族が暮らす森、街を舞台に2人の生活を描く日常ファンタジー漫画です。

そこに生きる人(?)たちはみな仕事を持っていたり、しっかり経済が回っていたり、割とリアルな生活を送っています。ファンタジー成分と対比させるように、虫や動物をリアルに描写しているのも印象的。背景がとても書き込まれており、特に何も考えず眺めているだけで世界観に浸れます。 いつかカラーで眺めたい漫画No.1。

 

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13位 I''s (アイズ)/ 桂正和(全9巻)

 

高校生の恋愛漫画。女の子がかわいくて、ちょっとエロいのはもちろん、恋愛ドラマとして純粋にいい話です。

思春期のころに下心オンリーで読んでた人は、ちょっと大人になって読み返してみてください。また違った気持ちで読むことができますよ。

 

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12位 最強伝説 黒沢 / 福本伸行(19巻〜)

 

恋人も人望も金もない中年独身男・黒沢の悲哀に満ちた生き様をシュールなギャグで描く漫画です。

なんでもないような日常は、稀代の不器用人間・黒沢というフィルターを通すことで今までにない笑いを生み出します。黒沢みたいには絶対なりたくないんだけど、黒沢みたいに生きていきたいです。まさに最強伝説

 

 

現在第2部「新黒沢 最強伝説」が連載中。正直クオリティは落ちた気がしますが、くだらなさはむしろ上がってます。

 

 

 

11位 波よ聞いてくれ / 沙村広明(2巻〜)

 

札幌在住、スープカレー屋のカリスマ店員・鼓田ミナレ。失恋後の彼女がギョーカイ人にダマさsれラジオパーソナリティーにスカウトされる話。

恋愛と社会に翻弄される地方アラサー独身女性の生き様を、ムダにハイテンションかつにスピーディに描く、上質なコメディ漫画です。主人公のキャラ、ワードセンスが秀逸。爆笑はできませんが、なんか笑えてクセになります。

 

 

 

10位 喰う寝るふたり 住むふたり / 日暮キノコ(全5巻)

 

8年間同棲を続けるカップルの生活を描く日常漫画。1つのエピソードを彼氏と彼女別々の視点で描いているユニークな構成が特徴です。

彼氏目線では「うんうん、わかる」という共感、彼女目線では「そんなふうに考えてるのかぁ」という発見を得ることができます。カップルや夫婦で読み合わせしてみるのもいいかもしれません。

 

 

 

9位 ふらいんぐうぃっち / 石塚千尋(4巻〜)

 

青森で魔女デビューした15歳の女子高生・木幡真琴(こわたまこと)。一人前の魔女になるため親戚の元で居候する日常を描きます。

魔女であることは人に言ってはならない…のですが周りにバレまくるし、親戚たちも気にせず魔女世界を楽しむユルさがいいですね。 絵柄も構成も、ほのぼの日常漫画の代表作「よつばと!」に似ているので、この手の漫画が好きな方は必ず楽しめると思います。

 

 

 

8位 富士山さんは思春期 / オジロマコト(全8巻)

 

160cm中2男子と181cm中2女子の凸凹恋愛漫画。とくに事件らしい事件も怒らず、部活に合宿に運動会に修学旅行と、普通の中学生の日常を描いています。

セリフが少なく、人物の表情や仕草、コマとコマの間の雰囲気で読ませる画力は見事。1話に1回は彼氏が見る彼女の姿の描写があって、まるで自分が中2にもどったかのような気にさせてくれます。

 

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7位 東京タラレバ娘 / 東村アキコ(5巻〜)

こじらせてしまったアラサー独女をブッタ切るコメディ漫画。当事者からしたらホラー漫画になります。

主人公は3人の東京在住アラサー独身女子。3人とも容姿も整ったキャリアウーマンなのですが、関係をもった男からはことごとくひどい扱い。男たちも相当なクズなのに、傷つくのはいつも彼女たちです。そんなアラサー独女の自虐と、居酒屋メニューから生まれたタラちゃん&レバちゃんの毒が生み出す、エッジが効いた笑いが楽しめます。

 

 

 

6位 俺物語 / アルコ、河原和音(12巻〜)

 

高校生同士の恋愛コメディ漫画。大人の男性が読んでも十分楽しめる少女漫画です。

表紙右のヒロイン・大和(やまと)ちゃんとくっつくのは、左のイケメンではなく真ん中のゴリラ・剛田猛雄(ごうだ だけお)。

少女漫画にありがちなウダウダ・モヤモヤした恋愛ではなく、ストレートで純粋な恋愛ストーリーです。主義主張も芯が通っており、猛雄の漢らしさと相まってとても好感が持てます。人を好きになるっていいなぁ、と素直に思える漫画です。

2015年にアニメ化され、同年、鈴木亮平・永野芽郁・坂口健太郎出演で実写映画化されました。

 

 

 

5位 魔法陣グルグル / 衛藤ヒロユキ(全16巻)

 

謎の魔法グルグルをめぐり、勇者ニケと魔法使いククリの旅を描くファンタジーギャグ漫画。

ストーリー自体は魔王を倒すのが目的の王道ファンタジーですが、ほのぼのとした世界観、キタキタおやじをはじめとする強烈なキャラ。人を傷つけない純粋なギャグ。お腹が痛くなるほど笑ったマンガは後にも先にもこのマンガだけです。

初期と後期で画風がガラッと変わりますが、笑いのクオリティは最後まで保たれています。

 

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現在”2”が連載中。ギャグのキレは失われないどころか、全盛期のころに戻っているくらい笑えます。前作の終盤、ほんわかしすぎていた絵柄も自然になっており、ファンはもちろん新規も楽しめる続編です。

 

 

こんなスピンオフも。笑うに決まってるだろ。

 

 

 

4位 子供はわかってあげない / 田島列島(全2巻)

 

競泳少女と書道男子のゆるい事件とゆるい恋を描く青春漫画。

誰が書いたかわからないけど、Amazonの商品概要が異常に気合入ってました。上巻だけ引用しますね。

水泳×書道×アニオタ×新興宗教×超能力×父探し×夏休み=青春(?)。モーニング誌上で思わぬ超大好評を博した甘酸っぱすぎる新感覚ボーイミーツガール。センシティブでモラトリアム、マイペースな超新星・田島列島の初単行本。出会ったばかりの二人はお互いのことをまだ何も知らない。ああ、夏休み。

 

 

 

3位 くまみこ / 吉本ますめ(6巻〜)

 

東北地方の山の奥にある熊手村。村育ちで世間知らず、都会に憧れる巫女・雨宿まちと最新家電を使いこなすしゃべるクマ・ナツ。1人と1頭が織りなすほのぼのコメディ漫画です。

とにかくギャグの質が高いです。キレとテンポ、ツッコミの鋭さはもちろん、計算された”間”の表現はコントを見ているよう。表情豊かでかわいらしいまち、冷静なナツの組み合わせもいい感じ。世に溢れる萌え漫画たちとは一味違う傑作です。

 

 

 

2位 ばらかもん / ヨシノサツキ(13巻〜)

 

長崎県は五島列島の1つ、福江島を舞台に、ちょっとズレた都会出身の若き書道家・半田清舟(はんだ せいしゅう)と島の住人との生活を描いた日常漫画です。

主人公は東京で問題を起こしたことから親に移住させられるのですが、大自然の中で”自然体”で生きる島民と出会うことで成長する姿に和みます。

なんか日々の生活に追われてるなぁ、消耗してるなぁ、と思ったらぜひ読んでみてください。きっと肩の力が緩むはず。

 

 

 

1位 よつばと! / あずまきよひこ(13巻〜)

 

ちょっと変わった5歳のひろわれっ子・よつばが日常で体験する、”初めて”や”感動”を描く日常漫画。よつば含めた登場人物の優しさと心温まるエピソード、コマとコマのいわゆる”間”がノスタルジーを誘って超絶和みます。帯のキャッチコピーもいい感じ。

いつでも今日が、いちばん楽しい日。

作中の小学生が夏休みの宿題で作ったキャラ・ダンボーが、一人歩きして世界規模で大流行中です。「私はお金で動く」

 

 

 

おすすめ「ヒューマンドラマ」漫画

12位 ぼくは麻里の中 / 押見修造(7巻〜)

 

行きつけのコンビニで見かける女子高生を尾行することが趣味の不登校大学生・小森功。いつもの尾行をしていたある日、気がつくと自分の身体が尾行していたはずの女子高生になっていた…というストーリー。

ありがちな入れ替わりものとは一味違い、元の女子高生の人格はどこに行ったのか、という謎に焦点を当てた作品です。引きこもり大学生や、外見は優秀だけど実は…な女子高生など、ドロドロとした心理を描くのが本当に上手。性描写も生々しいです。

 

 

 

11位 孤高の人 / 坂本眞一(全17巻)

 

新田次郎の同名小説が原作の登山漫画。初期は青春ロッククライミング漫画なんですが、ある事件をきっかけに、人間の嫌な部分を前面に出したドロドロした雪山登山マンガに変貌します。裏切りに裏切られ、孤高を貫く主人公・加藤文太郎の壮絶な人生は必ず心に刻まれるはず。

ある時は雄大にそびえて登山者を迎え、ある時は凶暴に荒れ狂い登山者を拒絶する、まるで意思を持っているかのような山の書き込みの凄さも見所です。

 

 

 

10位 ボーイズ・オン・ザ・ラン / 花沢健吾(全10巻)

 

弱小ガチャポン会社で働く、しがない童貞サラリーマン・田西敏行(たみや としゆき)。不器用なりに自分の人生を掴み取ろうともがく彼の生き様を描いたヒューマンドラマ漫画です。

前半のヒロイン・植村ちはるが全体を通していい味出してます。後半は王道とはちょっとズレた熱い展開。どうしようもないダメ男の負け続けの人生。低予算にもかかわらず上質な邦画を見たような、いい読後感があります。

 

 

 

9位 最終兵器彼女 / 高橋しん(全7巻)

 

ぎこちなくも清純な普通の高校生カップル・シュウジとちせ。街が突然の空襲にあったその日、ちせが”最終兵器”にされてしまう、というSF恋愛漫画。戦争とか兵器とかの背景が気になりますが、これはあくまで高校生の恋愛漫画です。他はオプション。

どんなに悲劇的な状況になっても一生懸命互いを想いあう2人の姿を見ていると胸が苦しくなってきます。賛否両論ある作品ですが、読後は必ず心の中に何かを残すはず。

 

 

 

8位 ちーちゃんはちょっと足りない / 阿部共実(全1巻)

 

自由奔放なちょっと変わった女子高生・ちーちゃんが主人公の日常マンガ・・・と見せかけて実は主人公すら違う、異色な日常漫画。

思春期の多感な子どもの孤独感、嫉妬心、劣等感の容赦ない表現は、真綿で首を絞められるような息苦しさを感じるほど。しかも登場人物のほとんどは、どこにでもいそうなフツーの女子高生というのだからおそろしい。すごい漫画です。

 

 

 

7位 かくかくしかじか / 東村アキコ(全5巻)

 

今や売れっ子漫画家・東村アキコさんの美大受験から、美大生としての生活、現在の漫画家になるまでを描いた自伝漫画。漫画家の人生なんて見せられても…と思いつつ試し読みしてみたのですが、これがめちゃめちゃ面白い。

東村さん自身の波乱万丈さももちろんですが、絵の恩師・日高先生のまっすぐな人となりが魅力的です。恩師の意思とは少し違っていたかもしれませんが、この漫画によって東村さんが世に出たこと、とても感慨深いなぁと思える作品です。

 

 

 

6位 聲の形 / 大今良時(全7巻)

 

小学校の頃、耳が聞こえないことを理由にいじめられた女の子・西宮硝子(にしみや しょうこ)といじめの主犯・石田将也(いしだ しょうや)。高校生になって2人が再会したことから物語が始まるヒューマンドラマ。

1巻はいじめパートなんですが、その描写が目を覆いたくなるほど酷いです。いじめっ子・石田もまたいじめられてしまうのですが、そこもまたエグい。そこをなんとか切り抜ければ、暗い過去をベースとした重厚なヒューマンドラマを堪能することができます。

先に言っておきますが、最後までスッキリする展開はありません。しかし人生とはそういうものなのではないでしょうか。もどかしくも心揺さぶる人間の物語、ぜひ最後まで見届けてください。

 

 

 

5位 プラネテス / 幸村誠(全4巻)

 

2070年代、宇宙開発によって生まれたスペースデブリ(宇宙ごみ)回収業者として働く男・ハチマキ。夢のために孤独に努力を重ねる彼が”愛”を語るヒロイン・タナベと出会い変わっていきます。広い宇宙で自分と向き合うハチマキの心境を綴る物語は、漫画の枠を超えて哲学書や思想書の域にまで達していきます。

全4巻と読み易いところもいい感じ。伝説のしりとりプロポーズは必見。

 

 

 

4位 岳 / 石塚真一(全18巻)

 

山岳救助を題材に、山と人との関係を描く漫画。世界の明峰を踏破し、日本の北アルプスで山岳救助ボランティアに従事する主人公・島崎三歩(しまざき さんぽ)が物語の中心です。

題材が題材なので人の死が頻繁に描かれます。リアルな山の怖さを知らされるのですが、決して暗い雰囲気にはならず、”それでもなぜ人は山に惹きつけられるのか?”を教えてくれます。”自己責任”の名の下に偏見を持たれることが多い山岳救助。一方的な批判をする前に手に取ってみてほしい作品です。

 

 

 

3位 惡の華 / 押見修造(全11巻)

 

ある弱みを握られた男子中学生と弱みを握った女子中学生の非日常を描く、負の青春漫画です。根底のテーマは思春期特有の”自分と周囲に対する絶望感”といったところでしょうか。

”ふつうにんげん”になれなかった人間の、儚くももろく、また美しいラストには芸術性さえ感じさせます。 最初はギャグテイストですが、巻が進むごとに雰囲気が変わっていきます。読まず嫌いはもったいない問題作です。

 

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2位 ブラック・ジャック /手塚治虫(全22巻)

 

無免許の天才外科医ブラック・ジャックと様々な境遇の患者との話を描く、医療漫画の元祖で”漫画の神様”手塚治虫の代表作。

”すべての生き物の命と医療”というテーマを根底に、戦争や差別、自然保護に至るまで数々の社会問題を扱っています。神の手を持ちながら人の生死に介入することに悩み続けるブラック・ジャック。命と真正面から向き合う、ヒューマンドラマの傑作です

 

 

 

1位 神々の山麓 / 夢枕獏、谷口ジロー(全5巻)

 

山に魅せられた男・羽生丈二。前人未到の”エベレスト南西壁冬期無酸素単独登頂”に挑まんとする羽生と、彼を追うカメラマン・深町誠。2人の運命と、ジョージ・マロリーはエヴェレストを踏破したのか?という登山界最大の謎を絡めた登山漫画です。

特筆すべきはその書き込み。登場人物の表情から立ちはだかる山々まで、その表現力は漫画の完成形と言ってもいいほどです。 孤高の人・羽生の壮絶な生き様も圧巻。死が目前に迫る状況下、鬼気迫るむき出しの人間の姿はあなたの心に刻まれること間違いありません。はたして羽生の挑戦は大成するのか?マロリーの謎は?全5冊に全ての答えが書いてあります。

 

 

 

おすすめ「スポーツ」漫画

7位 リアル / 井上雄彦 (14巻〜)

 

車椅子バスケを題材にしたヒューマンドラマ漫画。バイク事故を起こした健常者・野宮、車椅子バスケ選手・戸川、事故で車椅子生活を余儀なくされた優等生・高橋。3人がの主人公たちの視点で話が進んでいきます。

車椅子バスケシーンの迫力は、流石「スラムダンク」の井上雄彦といったところ。しかしそれ以上の迫力を放つのが、障害者と周囲の人間の現実(リアル)です。単なるスポーツ漫画には収まらない名作。

 

 

 

6位 弱虫ペダル / 渡辺航(45巻〜)

高校の自転車競技部が舞台のロードバイクマンガ。昨今のロードバイクブームの火付け役ですね。

仲間同士支え合うチームの絆、勝つための駆け引き、最後は意地と意地がぶつかり合う熱い真剣勝負と、スポーツ競技の魅力が全て詰まった傑作です。平凡に見えて実は類まれな才能を持っている主人公や、勝ちに異常な執着を見せる怪物などなど、登場人物たちのキャラの濃さも大きな魅力。3年の巻島vs藤堂のクライミング勝負がめっちゃ熱い!

 

 

 

5位 グラゼニ / アダチケイジ、森高夕次(25巻〜)

 

プロ8年目の”便利屋”中継ぎ投手・凡田夏之介。彼のプロ野球選手としての生活を描く、変化球な野球漫画です。ペナントレースを通した選手生活はもちろん、年俸や引退後のポジションなどリアルなエピソードが多く、ドキュメンタリーを見ているよう。

タイトルの「グラゼニ」は「グラウンドには銭が埋まっている」というプロ野球選手の心の叫び。華々しいプロ野球選手の裏側を覗くことができます。

 

現在第2部の「東京ドーム編」が連載中です。弱小チームから強豪チームへ移り、凡田はグラゼニを掘り出せるのでしょうか。

 

 

 

4位 アイシールド21 /  稲垣理一郎、村田雄介(全37巻)

 

いじめられっこ高校生・小早川セナ。日課のパシリで鍛えられた超人的な足の速さを見出され、”謎のランニングバック・アイシールド21”としてアメフトの世界に足を踏み入れます。

魅力はなんといっても画力の高さ。個性的な登場人物たちのデザインはもちろん、アメフトシーンのスピード感や、魚眼レンズで見たような奥行きある描写など、表現方法が非常に巧みです。画力だけでなく、ストーリーや人物描写にも非凡なものがあります。特に司令塔・ヒル魔がカッコイイ。

ファンタジーな要素とリアルな要素のバランスが絶妙。努力・友情・勝利の集大成ともいえる王道青春スポーツ漫画です。

 

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3位 オーバードライブ / 安田剛士(全17巻)

 

自転車にも乗れない運動音痴な高校生・篠崎ミコト。片思いの女子によって、ロードバイクと出会い、仲間と出会い、ライバルと出会い、成長していく青春スポーツ漫画。

いろいろと荒削りですが、主人公ミコトの武器は”天性のココロの強さ”ただ1つ。運動神経も才能もない彼が努力と気持ちでレースに挑むハンパない”熱さ”と”勢い”が見所です。日常パートもノリノリで楽しそう。

 

 

 

2位 GIANT KILLING / ツジトモ、網本将也(41巻〜)

 

若くして現役から退いたサッカー監督・達海猛(たつみ たけし)。彼の信条は、弱者が強者を倒す大番狂わせ”GIANT KILLING(ジャイアント・キリング)”。達海が監督に就任した弱小クラブ・ETU(イースト・トーキョー・ユナイテッド)の再生劇を描くサッカー漫画です。

そのスケールはサッカーの試合に収まらず、フロント陣を含めたクラブチーム、さらにはチームを応援するホームタウンまで拡大して描かれます。選手同士、選手と監督、チームとサポーター、サポーター同士、様々な人間ドラマが下支えとなり、迫力サッカーシーンはさらに魅力的に。”サッカーの楽しみ方”を教えてくれる作品です。読後は必ずサッカー観戦に行きたくなるはず。

 

 

 

1位 SLAM DUNK / 井上雄彦(全31巻)

 

赤髪の不良高校生・桜木花道(さくらぎ はなみち)。女子のためにバスケを始めた桜木が、徐々にバスケットマンになっていく過程を描くキングオブスポーツ漫画。読む人の人生に必ず影響を与える、いつまで経っても色褪せない名作です。

ラストの山王戦も文句なしにいいけど、僕は陵南戦(2回目)が一番好きでした。魚住と田岡監督の絆や、メガネ君のスリーポイント、セリフがなくなるラストプレイ。最高に熱いです。

 

 

 

おすすめ「歴史」漫画

14位 乙女戦争 ディーヴチー・ヴァールカ / 大西港一(6巻〜)

 

15世紀初頭、ボヘミア(現在のチェコ、ポーランド、オーストリア)で起きたフス戦争を題材にした歴史漫画です。焦点が当たるのは戦争に巻き込まれる一般人。戦へ駆り出される少年・少女兵、民族浄化、宗教対立などなど、戦争の負の面が容赦なく描かれます。

あまりメジャーではないフス戦争ですが、初めて重火器が投入され、中世ヨーロッパの暗黒時代を抜け出す契機となる歴史の大きな転換点でもあります。歴史好き、チェコ好きにはたまらない作品です。

 

 

 

13位 狼の口 ヴォルフスムント / 久慈光久(7巻〜)

 

中世ヨーロッパ、時の権力者ハプスブルグ家が治める難攻不落の関所”ヴォルフスムント(狼の口)”が舞台の歴史漫画です。

魅力はなんといっても関所の代官ヴォルフラム。あの手この手で関所を抜けようとする者たちをことごとく捕らえ、非道な方法で処刑していく姿はまさに”ダーク水戸黄門”。印籠がわりの邪悪な笑顔が輝いてます。胸糞悪い展開が続きますが6巻までガマンしてくださいね。

 

 

 

12位 雪花の虎 / 東村アキコ(2巻〜)

 

毘沙門天の化身とされる戦国武将・上杉謙信。軍神と言われた謙信は、実は女性だった!越後の虎、女謙信の生き様を描く戦国歴史漫画です。

恋愛、ドキュメント、ギャグに飽きたらず、ついに歴史に手を出した超売れっ子漫画家・東村アキコさん。どのジャンルの漫画もおもしろく、この「雪花の虎」も”上杉謙信女説”という一見ぶっとんだ設定ですが、綿密な取材で得た歴史的検証によって説得力ある物語となっています。 ただ、いまいち迫力に欠ける合戦シーンが少し残念ポイント。

 

 

 

11位 青いホルスの瞳 -男装の女王の物語 / 犬童千絵(2巻〜)

 

男性が王座につくことが当たり前だった古代エジプトに実在した女ファラオ・ハトシェプスト。”男装の女王”と呼ばれた彼女の強く気高い人生を紐解く歴史漫画です。

ストーリーだけでも十分面白いんですが、特筆すべきは古代エジプト文化の再現度です。特に宮殿に住む人々が身につける装飾品の書き込みは見事。まだまだ巻数は少ないですが、今後も面白くなっていくこと間違いなしの作品です。

 

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10位 特攻の島 / 佐藤秀峰(8巻〜)

 

第二次世界大戦の最中、特殊兵器の志願をした海軍航空隊の青年たちを待ち受けていたのは、搭乗すれば生還可能性ゼロの人間魚雷”回天”。尋常ならざる兵器を扱う若き兵隊たちの葛藤を描く歴史漫画です。

七生報国が叫ばれる日本軍の中にあって、”お国のために死ぬ”ことに疑問を感じている主人公・渡辺裕三。極限の状況で優先するべきは国家なのか、あるいは個人なのか…。少し現代風にアレンジしてあるところも含め、戦争を知らない世代の人にも理解しやすい力作です。

 

 

 

9位 アンゴルモア元寇合戦記 / たかぎ七彦(6巻〜)

 

”神風”によってモンゴル軍を退けたとされる戦争・元寇。その初戦、対馬で起きた文永の役を題材にした歴史漫画です。荒削りながらも迫力満点の戦闘シーンと、罪人として流された元御家人の主人公・朽井迅三郎(くちい じんざぶろう)の清々しい人柄が魅力。

罪人を集めた兵団が送られていたり、源平合戦で崩御したとされる安徳天皇が流れ着いていたりなど、歴史の”if”も盛り込まれているのが特徴。史実ではモンゴル軍による大量虐殺のみが伝えられている文永の役ですが、この作品の結末はどうなるのでしょうか。

 

 

 

8位 アド アストラ -スピキオとハンニバル- / カガミノミハチ(9巻〜)

 

紀元前3世紀、ローマ史上最強の敵として今もなお語り継がれるカルタゴの将軍、ハンニバル・バルカ。そのハンニバルからローマを救った英雄、スキピオ・アフリカヌス。同時代に生きたライバル2人の戦いを描く歴史漫画です。

史実を忠実になぞることで、天才・ハンニバルの恐ろしさとそれに追いつき追い越そうとするスキピオの努力を上手く表現しています。たまに入るシュールなギャグも好き。

 

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7位 ブッダ / 手塚治虫(全14巻)

 

2500年前のインド。仏教の開祖ゴータマ・シッダルタの生涯を描いた伝記漫画。なぜ人は死ぬのか、同じ人間なのになぜ身分の違いがあるのか、という疑問を抱え、悟りを開いてなお悩み苦しむ”人間”ブッダ。彼の姿を通して、”人間の本当の美しさ”を悟ることができます。

ブッダだけでなく、不可触賎民・バリアとして生きるタッタと義兄弟チャプラ、上昇志向ゆえにブッダを憎むようになってしまう弟子・ダイバダッタ、人を助けるために動物の命を奪い畜生道に落とされてしまったナラダッタなど、多くの架空の人物が物語を彩る偶像劇でもあります。生きとし生けるすべての人に読んで欲しい傑作。

 

 

 

6位 シュトヘル / 伊藤悠(12巻〜)

 

13世紀、西夏国に侵攻する最強のモンゴル帝国において”悪霊(シュトヘル)”と恐れられた女戦士と、敵国西夏の文字を守らんとするモンゴルの皇子・ユルール。戦いに満ちた2人の旅を描く歴史漫画です。

登場人物の相関関係、13世紀と現代を行ったり来たりするSF要素がちょっと複雑ですが、それをものともしない面白さを持つ作品です。見開きが多いド派手なアクションを楽しめますし、当たり前に存在している文字の役割・重要性を認識することができます。

ユルールを追う、”神箭手(メルゲン)”ハラバルのカッコよさが異常。

 

 

 

5位 ヴィンランド・サガ / 幸村誠(18巻~)

 

11世紀の北ヨーロッパにおいて暴虐の限りを尽くした最強の民族・ヴァイキングが題材です。主人公は、伝説の戦士・トールズを父に持つ少年・トルフィン。はるかな大地”ヴィンランド”を求める彼の旅路を描く歴史漫画です。

戦争・復讐・奴隷生活と壮絶な人生の中で、”本当の戦士”とは何かを悟るトルフィンの姿に胸を打たれます。ヴァイキング、王族を巻き込み、国を超えて描かれる北欧版大河ドラマ。叙事詩の名にふさわしい壮大なスケールの作品です。

 

 

 

4位 ヒストリエ / 岩明均(9巻〜)

 

「寄生獣」の岩明均がデビュー前から温めていたという大作。紀元前のギリシャ、アレクサンダー大王の書記官となるエウメネスの生涯を描く歴史漫画です。

大王の書記官、という一見地味な肩書きの主人公・エウメネスの波乱に満ちた人生に引き込まれます。奴隷に落とされてなお、知能と機転で世を渡っていく彼の姿に不思議な爽快感を覚えるはず。 アレキサンダー大王、アリストテレスといった有名どころ…なんだけど詳しくは知らない偉人達も絡む先の読めない物語、傑作になること間違いなしでしょう。

 

 

 

3位 バガボンド / 井上雄彦(37巻〜)

 

伝説の剣豪、宮本武蔵の生涯を描く伝記漫画。”本当の強さとはなにか”が根底のテーマです。若い頃は憎しみと怒りと功名心で剛剣を振るった武蔵が、柔らかさやゆるさを身につけさらなる強さを得ていきます。毛筆を使った独特な表現は芸術の域に達していると言えるでしょう。

もう1人の主人公である佐々木小次郎が聾啞(耳が聞こえない)というキャラ設定には驚かされました。おもむろに始まる農業のガチ度もすごいです。いつか描かれるであろう武蔵と小次郎の決戦、楽しみです。

 

 

 

2位 アドルフに告ぐ / 手塚治虫(全5巻)

 

第2次世界大戦の最中、独裁者”アドルフ”・ヒトラーの苦悩の人生と、戦争によって友情を引き裂かれた2人の”アドルフ”の交錯を描く歴史漫画。全5巻という少ない巻数の中に”人間とはなにか”と考えさせられるエピソードが詰め込まれています。今なお色褪せない不朽の名作です。

イデオロギーと戦争に翻弄された3人の”アドルフ”の結末は、読者の心に一抹の虚しさを残します。手塚治作品の中では少し知名度が低い印象ですが、戦争を扱った群像劇としては最高傑作です。

 

 

 

1位 キングダム / 原泰久(43巻〜)

 

歴史上初めて中華統一を成し遂げた、秦国の戦争を描く歴史漫画。主人公は下僕の身から大将軍を目指す少年剣士・信。幼馴染の死を乗り越え、天下の大将軍の背を追い、中華統一を目指す秦王・嬴政(えいせい)のために必死で戦う彼の姿に心動かされます。

残酷な描写も多いですが、戦争・戦闘シーンの迫力は1巻から最新刊まで一貫して高いレベルにあります。熱い展開、魅力的なキャラなど、見所は数えるとキリがないほど。傑作になること間違いなしです。

 

 

 

おすすめ「芸術・文化」漫画

11位 白い街の夜たち / 市川ラク(全3巻)

 

自分の居場所を見つけられない専門学生・文子(ふみこ)が出会ったのはエキゾチックな魅力満載のトルコ文化。世界三大料理の1つに数えられるトルコ料理、ミステリアスな世界最古の舞踏ベリーダンスなど、歴史はあるのにいまいち知名度が低いトルコの魅力を紹介する漫画です。

”ピーマンの肉詰めの起源はトルコ料理”といったウンチクが満載。少しですがイスラム文化の解説もあります。読めば必ずトルコへ行きたくなる作品です。

 

 

 

11位 坂道のアポロン / 小玉ユキ(全9巻)

 

1960年代、地方の高校が舞台のジャズ漫画。横須賀からのナイーブ転校生・西見薫(にしみ かおる)と地元のバンカラ・川淵千太郎(かわぶち せんたろう)。ジャズを通して出会った2人の主人公の恋・友情を描く青春物語です。

学生闘争、ジャズ、ビートルズなどなど、当時の日本の雰囲気を上手く再現している印象。分類は少女漫画ですが、絵柄も含めて老若男女関係なく楽しめる作品です。

 

 

 

10位 ナナマルサンバツ / 杉基イクラ(12巻〜)

 

毎年恒例の高校生クイズにでてくるような”クイズ研究部(=クイ研)”の活動を描く競技クイズ漫画。”押し込み”や”確定ポイント”、”ベタ問”などなど競技クイズに関するウンチクが盛りだくさんで、あまり知られていない世界を堪能することができます。

早押しが得意な人、テクニック重視の人、特定分野の知識が深い人…という感じでタイプが分かれているのも面白いです。単なる知識勝負ではない奥深さも魅力の1つ。高校生の真剣勝負、というのは題材が何であっても熱くて楽しめますね。

 

 

 

9位 バーナード嬢曰く / 施川ユウキ(2巻〜)

 

本を読まずに読書家ぶりたい”にわか読書家”女子高生・町田さわ子。自称バーナード嬢。通称ド壌。読書痛に見られるため、ムダな努力に心血を注ぎ続けるド壌に笑え、読書好きが一度は思う”読書あるある”を楽しめる読書ギャグ漫画です。

シャーロキアン(シャーロック・ホームズのファン)やSF小説ファンがサブキャラで登場するので、しっかりした読書評も載っています。視点は違えどみんな本が好き。読書のお堅いイメージを和らげ、親近感を持たせてくれる作品です。

 

 

 

8位 木根さんの1人でキネマ / アサイ(2巻〜)

 

1人で映画を見ることが生きがいのアラサー独身OL・木根さん。尋常でない映画への愛で人生をこじらせちゃった彼女の人生譚。

タイトルだけ見るとお堅い映画批評漫画かな?と思ってしまいますが、中身は完全に映画を下地にしたギャグ漫画です。誰でも理解できる映画あるある、勢いとキレのある笑い、ニッチな領域のマニアの悲哀…様々な要素で楽しませてくれるのですが、一番の見所は、です。

 

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7位 BAKUMAN。 / 大場つぐみ、小畑健(全20巻)

 

今も昔も変わらぬキングオブ少年漫画雑誌・週刊少年ジャンプ。ジャンプを作る集英社の裏側や連載作家たちの過酷な生活を描く異色の作品です。”漫画の漫画”という一見地味なテーマですが、圧倒的な画力で描かれる個性豊かなキャラ、ライバルたちとの熱い競争、悲喜こもごもの人間ドラマでまったく飽きさせません。

編集と作家、異なる立場の人間たちが協力し、人気漫画を作り上げるため仕事に心血を注ぐ姿勢にはものすごい熱量を感じました。分類は少年漫画ではありますが、社会人もまた違った角度で楽しめるはず。

佐藤健・神木隆之介主演で実写映画化されました。

 

 

 

6位 乙嫁語り / 大西港一(8巻〜)

 

19世紀ごろ、中央アジアに生きる遊牧民たちの文化・日常を描いた漫画です。

地元の風俗・慣習に基づいたエピソードや、超細かく書き込まれた風景・建物・食べ物や織物の柄などなど、リアルすぎてドキュメンタリー番組を見ている気分になります。

アミルさんは理想のお嫁さんだと思う。

 

 

 

5位 ちはやふる / 末次由紀(32巻〜)

 

ちはやふる 神代(かみよ)もきかず 竜田川 からくれなゐに 水くくるとは

競技かるたを題材とした少女漫画です。タイトルの「ちはやふる」は上記の短歌から由来していて、その意味は”勢いの強いさま”。「自分のことでないと夢にしてはいけない」と諭され、かるたに目覚める主人公・綾瀬千早(あやせ ちはや)の成長物語です。

たかがかるたと思うなかれ、試合シーンは圧巻の迫力。それに青春をかける高校生たちの人間ドラマにグイグイ引き込まれます。少女漫画とは思えないほど熱い作品です。

 

 

 

4位 ヒカルの碁 / ほったゆみ、小畑健(全23巻)

 

少年・ヒカルが蔵で見つけた古い碁盤。その碁盤に宿るは、平安時代の天才棋士・藤原佐為(ふじわらのさい)。佐為の囲碁に対する情熱はちゃらんぽらんなヒカルを少しずつ目覚めさせていきます。

天才少年棋士・塔矢アキラとのライバル関係を軸に、部活、院生、プロと場を移しながら描かれるヒカルの成長に引き込まれます。マイナーな印象の強い囲碁が題材の漫画ですが、その面白さは連載当時ちょっとした囲碁ブームを起こすほど。囲碁を全く知らなくても楽しめる漫画です。

 

 

 

3位 4月は君の嘘 / 新川直司(全11巻)

 

母親の死をきっかけにピアノが弾けなくなった元天才少年ピアニスト・有馬公生(ありま こうせい)。彼を中心とした、恋と友情と再起と成長を描くピアノ漫画。読んでいて現実に音が聞こえてくるような演奏シーンの表現はお見事。自分と正面から向き合い、主人公がトラウマを乗り越えるシーンは号泣必至です。

作品をカラフルに彩る登場キャラたちの個性も輝いています。破天荒だけど健気で儚いヒロイン2人、アホだけど芯が通ってて頼れる親友。それぞれの見せ方がとても上手い。ポエムな表現が多いので人を選ぶ漫画かもしれませんが、それを差し引いてあまりある魅力を放つ作品です。

 

 

 

2位 三月のライオン / 羽海野チカ(11巻〜)

 

15歳でプロになった天才棋士・桐山零(きりやま れい)。彼の成長を描く将棋漫画です。主人公と居候先の3姉妹を中心とした人間ドラマにも重きを置かれているのが特徴。

普通とは違う人生を送る、主人公の繊細な心理描写が秀逸です。幼い頃からの血のにじむ努力とそれゆえの孤独、プロ棋士としてしのぎを削る熱い想い、世の中の理不尽に対する怒りと葛藤…。そこに共感できるかが評価の分かれ道かもしれません。

テレビアニメ化と実写映画化予定。

 

 

 

1位 BLUE GIANT / 石塚真一(8〜)

 

ジャズに心打たれた高校生・宮本大(みやもと だい)。どんなときも川辺でサックスを吹き続け、世界一のジャズプレーヤーを目指す彼の物語を描くジャズ漫画。友人の誘いを断り、彼女と別れ、進学も就職もせず、故郷も離れて東京でサックスを吹き続ける主人公の努力には、爽やかさの裏に狂気すら感じるほど。”大物になる人間”ってこういうヤツなんだな、と素直に納得してしまいます。

単行本の巻末には、大物サックスプレーヤーになった主人公に対する、未来の登場人物たちのコメントが載ってます。いわば公式のネタバレなんですが、むしろ主人公がどうやって成功していくかワクワクさせる、にくい演出です。

 

 

 

おすすめ「仕事・社会」漫画

13位 麻酔科医ハナ / なかお白亜(5巻〜)

 

患者を救うためにあえて死に近づける、医師としてはマイナーな”麻酔科医”の過酷な日常を、シリアスかつコミカルに描く医療漫画です。

激務・安月給・セクハラ・パワハラ…。昨今の医師不足で最も深刻な問題、麻酔科医不足の背景が理解できます。”年収3500万円でもやりたくない仕事”というのも頷ける。

あまりスポットが当たらない仕事を、世間に認知させるパワーを秘めた作品です。要所要所のセクシーシーンも見所の1つ。

 

 

 

12位 インベスターZ / 三田紀房(14巻〜)

 

創立130年の超進学校・道塾学園の秘密、それは資産3000億円を運用する”投資部”。投資部に入った新入生・財前孝史(ざいぜん たかし)が株式投資・FXなどを学び、入れ込んでいく姿を描く投資(インベスト)漫画です。

お金の成り立ちや株式会社の仕組みなど、マネーを学べるユニークな題材ですが、漫画としての面白さを出すためか射幸心を煽る表現が多いのが気になるところ。この漫画で描かれているのは、あくまで投資の一面ということを強調しておきます。キレイなホリエモンが登場します。

 

 

 

11位 重版出来 / 松田奈緒子(8巻〜)

 

タイトルの読みは「じゅうはんしゅったい」。出版業界用語です。表紙からは分かりにくいですが、漫画を売ることに関わる人たちの仕事を描く漫画。

作家が魂込めて書いたものを編集・デザインし、広報・営業・書店員が協力して漫画が売れ、重版がかかったときの達成感! 分業化によって仕事にいまいちやりがいを感じられない現代日本。1人1人の仕事が大きな成果を生んでいる、ということに勇気付けられる作品です。社会人なら必ず楽しめるはず。

 

 

 

10位 透明のゆりかご / 沖田×華(3巻〜)

 

作者・沖田×華(おきた ばっか)さんが産科医院でのバイト時代に経験した出産の現実を綴るコミックエッセイ。命だったカケラを集める”中絶胎児の処置”という衝撃のオープニングから始まる、一話完結型の漫画です。

捨て子、死産、望まれない胎児…。表にはあまり出ない、出産に関するウラの面を淡々と描いています。画力が高いとはいえませんが、作品に込められた現実は老若男女すべての人が知るべきだと思います。教科書に載せてもいいくらいの傑作です。

 

 

 

9位 百姓貴族 / 荒川弘(4巻〜)

 

売れっ子漫画家・荒川弘の実家を題材にした、自伝的北海道農業エッセイ。豪放磊落な農家ギャグの裏に見え隠れするのは、農業の厳しさと消費者のわがままさ。農家の常識は社会の非常識、という父親のタフすぎるエピソードが好きです。

「鋼の錬金術師」の骨子となったと思われる、命を扱う仕事ならではの達観した死生観についても多くが語られています。消費者からすると当たり前と思われがちな”食”。生産者の視点から描かれる、面白さと重さが同居した作品です。

 

 

 

8位 決してマネしないでください / 蛇蔵(全3巻)

 

大学を舞台に、秀才理系オタクたちのマジメでおバカな実験の数々と、それにまつわる偉人・奇人・変人たちのエピソードを紹介する漫画です。

安い食材を高級にするには?ねじ山がつぶれたねじを回すには?身近なもので指紋を採取するには?といった実生活でも役に立つ雑学が盛りだくさん。各エピソード間のミニコラムや、巻末の実験解説も充実しており、理系雑学に対する愛を感じる作品です。

 

 

 

7位 モリのアサガオ / 郷田マモヲ(全7巻)

 

一般にはほとんど知られない、死刑囚の収監施設が舞台の社会派漫画です。新人看守が様々な死刑囚とその家族、被害者遺族と関わることで、迷いながらも少しずつ”死刑制度”に向き合っていきます。

未だに議論が続き、明確な解決の見えない死刑制度。その底の深さを垣間見ることができます。独特な絵柄ですが、登場人物の表情や感情の表現が秀逸で、テーマとよくマッチしています。考えさせられる、という意味では最高峰の漫画ではないでしょうか?

裁判員に選ばれた一般人が”人を裁く”ことに対する葛藤を描いたサマヨイザクラもオススメです。

 

 

 

6位 ブラックジャックによろしく / 佐藤秀峰(全13巻)

 

”医者って一体、なんなんだ?” 超安月給(3万8千円)なため、無理に他院の当直バイトをする研修医たち、人事権をトップのみが握る医局の歪んだ権力構造、新薬審査が遅すぎる日本の政治構造…。理想からかけ離れた日本の医療界に、大学病院で働く研修医・斉藤英二郎が真っ向から挑む医療ドラマ漫画です。

良くも悪くも主人公のバカ正直さ、青臭さが印象的。鬼気迫る反骨心は見る者を圧倒します。 連載終了から約10年経った今、研修医の収入は高水準になりましたし、作中未承認だった抗がん剤も承認されています。腐り始めた医療業界に一石を投じ、状況を変えた(かもしれない)傑作。タダで読めることも含め、超オススメです。

 

完結済みの続編もオススメ。人工透析や臓器移植にかなり踏み込んだ内容となっています。

 

 

 

5位 ドラゴン桜 / 三田紀房(全21巻)

 

偏差値40未満の落ちこぼれ高校生が1年間で東大合格をめざす、という大学受験ハウトゥー漫画です。 1日の学習スケジュール作成方法、数学は朝、暗記科目は夜勉強するといい…などなど、脳科学に基づいた効率的な学習方法が目白押し。それだけでなく、”社会のルールは頭のいい奴が作ったもの。いい思いしたかったら東大に入れ!”といった、社会の本質を鋭く突くエピソードも満載です。

僕自身も高3で読んだのですが、受験はもちろん、社会のシステムを理解するのに大いに役立ちました。単なる”お受験テク漫画”ではない、大人も気づきが得られる作品です。

 

 

 

4位 女騎士、経理になる。 / 三ツ矢彰、Rootport(2巻〜)

 

女騎士「くっ…殺せ‼」︎ オーク「ガハハ、そうはいくか‼」

一部の男性が無性にソワソワするやりとりの続きは、経理のお姉さんへの勧誘だった⁉︎

腕っ節と義理人情の暑さだけが取り柄の女騎士が、簿記の知識を学ぶファンタジー会計漫画です。 会計学は魔族にしか発達していない、という設定がユニーク。ややこしい会計制度に悩まされる男勇者編も笑えて勉強になります。会計に興味を持つための入門本としては、これ以上ない面白さを兼ね備えた漫画です。

 

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3位 ハルロック / 西餅(全4巻)

 

秋葉原のジャンクショップがいきつけの電子工作オタク女子大生・向坂晴(さきさかは ある)。ユニークなアイデアを形にすることができるが人と関わることが苦手な彼女が、周りの人に助けられ、協力しながら自分が作った製品を世の中に売り出していく、というストーリー。マイナーな趣味に情熱を注いでいる人にぜひ読んでもらいたい漫画です。

世界のぼっちを検出する”ぼっち・ザ・LED”やペットの状態を知らせてくれる”neko-tter”など、おもしろアイデアがたくさん。基盤や回路などのディープな解説も網羅されています。前半は電子工作、後半は営業、販売から起業までいろいろ学べるお得な作品。

 

 

 

2位 銀の匙 / 荒川弘(13巻〜)

 

受験競争から逃げ、大自然に囲まれた北海道の農業高校に入学した主人公・八軒勇吾。農業高校をバカにし農業に偏見を持つ彼が、その本質を学び仲間とともに成長していく青春農業学園漫画です。

廃棄されたピザ釜を修復してみんなで手作りピザ作ったり、乗馬部に入ったり、ばんえい競馬を学園祭でやってみたり…眩しいくらいの青春を送る八軒。かと思えば食肉加工される子豚に愛着が湧いてしまったり、農家廃業によってクラスメイトが退学したりと農業の現実を見せつけられます。 様々な経験を通して、農業と正面から向き合うようになる八軒の将来に目が離せません。

ノイタミナでアニメ化され、中島健人・広瀬アリス出演で実写映画化されました。

 

 

 

1位 コウノドリ / 錫ノ木ユウ(14巻〜)

 

産婦人科医でもあり謎のジャズピアニストでもある鴻鳥(こうのとり)サクラ。彼が働く聖ペルソナ総合医療センターにかかる妊婦とその家族を中心として、”出産”の現実を描く医療漫画です。

医療漫画にありがちな、ゴッドハンドを持つ名医や病院内の権力争い、悪習に立ち向かう熱血ドクターといったドラマ的な要素はまったく無く、出産に関する事例を淡々と紹介しています。そのエピソードも”妊婦がタバコを吸うとなぜいけないか”、”妊婦である妻に夫ができること”といったライトなものから”切迫流産”、”人工妊娠中絶”といったヘビーなものまで盛りだくさん。出産未経験者はもちろん、”出産は簡単”と思っている経験者、男性にも読んでいただきたい作品です。

 

 

 

おすすめ「ホラー・サスペンス」漫画

12位 ハピネス / 押見修造(3巻〜)

 

「このまま死ぬ?それとも、同じになる?」ある日の夜、謎の少女に襲われた冴えない高校生・岡崎誠(おかざき まこと)。彼に残されたのは、首筋に残された傷と、止まない渇き。「惡の華」押見修造が描く、鮮血のダークヒーロー漫画です。

人外のものに襲われ、同じ存在になってしまった主人公の葛藤を描く、というありがちな展開ですが、生々しい人間描写や感情・心理表現の巧みさは流石「惡の花」の押見修造。ゴッホの絵画を思わせる夜の描写は、ある種の芸術性すら感じさせます。 巻数が少ないのでまだ評価は定まっていませんが、これからどんどん面白くなっていきそうな作品です。

 

 

 

11位 プラチナエンド / 大場つぐみ、小畑健(3巻〜)

 

家族を失い、虐待を行う親戚の元で辛い生活を送る主人公・架橋未来(かけはし みらい)。命を諦めた彼の前に現れたのは、1羽の天使・ナッセでした。天使の矢と翼を与えられ、神決定戦に選ばれた未来の行く末は…⁉︎というストーリー。

突飛だけど分かりやすい絶妙な設定と、それをフルに駆使した先の読めない展開が魅力です。少年誌から青年誌に移り、表現の幅が広がった今作。漫画界のゴールデンコンビは、「DEATH NOTE(デスノート)」「BAKUMAN.(バクマン。)」とは別の面白さを見せてくれることでしょう。

 

 

 

10位 賭博黙示録 カイジ / 福本伸行(全13巻)

 

多額の借金を背負わされたダメ男・伊藤カイジ。借金一括返済のため、巨大悪徳企業・帝愛グループによる命を賭けたギャンブルに巻き込まれる賭博マンガです。

勝負に勝った・負けたの単純なギャンブル漫画では決してありません。この作品に描かれているのは”人間”そのものです。欲にまみれた人間の生々しい心理描写や、生死をかけた勝負を前にどう対応するか、など世の中の絶対的な法則・真理を覗くことができます。

特徴的な絵柄は人を選びますが、作品のテーマに不思議とマッチしており意外とすんなり読み進めることができます。読まず嫌いは非常にもったいない名作です。

 

 

強制労働施設に収容され、イカサマチンチロリンや巨大パチンコを攻略する「破戒録」、変則麻雀・17歩での戦いを描く「堕天録」、帝愛会長の息子・和也と友情確認ゲーム・救出で勝負する「和也編」を経て、今なお「ワン・ポーカー編」が連載中です。

  

 

9位 闇金ウシジマくん / 真鍋晶平(37巻〜)

 

違法な金利で債務者を食い物にする”闇金融”を題材にした異色の漫画です。闇金会社の若き営業者・丑嶋(うしじま)を中心に、パチンコ中毒、裏風俗、ヤクザなど、あらゆる闇社会の現実が容赦ないストーリーで描かれます。実在する闇金業者が丑嶋のモデルであったり、現実に起きた事件をなぞったエピソードがあったりと、妙なリアリティがあるのが特徴。人間って怖い。

各エピソードほとんどが報われない結末なので注意してください。闇金に手を出したら終わり、ということがよく分かる作品です。

 

 

 

8位 累 / 松浦だるま(9巻〜)

 

伝説の女優である母とは似ても似つかない醜い容姿が原因で、周囲から酷い仕打ちを受ける少女・淵累(ふち かさね)。口づけした者と顔を入れ替える力を持つ母の形見の口紅は、虐げられてきた累の人生を変えていく、というストーリーのサスペンス漫画です。

あらすじだけでも人を惹きつける稀有な作品。絵柄もキレイで、新人作家によるデビュー作とは思えないクオリティです。”美醜”に対する人間の業の生々しさの表現は圧倒的。

美しいことが必ず長所となる演劇の世界で”醜い=悪”というテーマは人を選びますが、今までにない怪作です。「かもめ」「サロメ」「マクベス」などの舞台演劇の内容とリンクして話が進むので、演劇好きなら特に楽しめるでしょう。

 

 

 

7位 嘘喰い / 迫稔雄(42巻〜)

 

裏社会のあらゆる賭博を牛耳る組織・賭郎(かけろう)。そのトップ・お屋形様を狙う伝説のギャンブラー・斑目貘、通称”嘘喰い”の勝負を描くギャンブル漫画です。実在・オリジナル問わず様々なゲームが登場するのですが、一気に読まないと理解が難しいくらい作り込まれた設定と、どっちが勝つかまったく読めない駆け引きに引き込まれます。バトルシップと、凶器で叩いてかぶってじゃんけんぽんが好き。

”対等の暴力を持っていて初めて知略勝負が成り立つ”という前提があり、格闘が繰り広げられる暴力パートが特徴。ギャンブルパートで頭を使った後は迫力バツグンのバトルでスッキリできます。

 

 

 

6位 予告犯 / 筒井哲也(全3巻)

 

ネットを駆使する知能犯VSサイバー対策課の警察という構図のサスペンス漫画です。2011年の連載時に、ネット社会の問題点を風刺していた先見性は見事としか言えません。さらに犯罪者も単なる悪で終わらせない奥の深さが魅力で、全3巻という短さとは思えない内容の濃さがあります。

同作者の「マンホール」「有害都市」も、社会派マンガが好きな人にはおすすめです。巻数も少なめ。

生田斗真と戸田恵梨香で実写映画化されました。

 

 

 

5位 ミュージアム / 巴亮介(全3巻)

 

次々に起こる猟奇殺人。その裏に見え隠れする謎の蛙男…。3巻完結のサスペンスホラー漫画です。

殺人シーンのエグさと怖さ、ラストのスリル感に引グイグイき込まれます。短編のサスペンス漫画としては最も完成された作品ではないでしょうか。コマの”間”や人物の表情などの表現が実に巧みで、全3巻というストーリーの短さと相まって導入からラストまでイッキに読めます。

全体的に名作サイコホラー映画「セブン」と似た雰囲気。好きな方は必ず楽しめるはず。

 

 

 

4位 人間失格 / 古屋兎丸、太宰治(全3巻)

 

太宰治の代表作「人間失格」をエログロナンセンス作家・古屋兎丸がコミカライズした作品です。小説のコミカライズとしてはこれ以上ないクオリティ。特に中盤からの主人公の”破滅感”の描写は絶妙です。その圧倒的な表現力は、もはやこっちがオリジナルなんじゃないか、と思わせる領域に達しています。

導入は現代風にアレンジされていて、結末も原作とは若干異なっています。原作ファンも未読の人も楽しめる怪作です。

 

 

 

3位 ぼくだけがいない街 / 三部けい(全8巻)

 

 

近未来の悲劇を予知し、その悲劇の原因を取り除くまでタイムスリップを繰り返してしまう能力”再上映(リバイバル)”に悩まされる、売れない漫画家・藤沼悟。現代で起きる事件と20年前の殺人事件を交互に追体験し解決していく、というストーリーのサスペンス漫画です。

主人公の能力が超人的なものではなく、あくまで受動的というのが上手いと思いました。能力を持つ主人公にも原因がわからないので、読者も一緒に謎に挑んでいるような体験ができます。展開が早いにもかかわらず、入念に伏線を張っている奥深さがあります。単行本1冊の構成も計算されていて、必ず続きが気になる終わり方をしているのもスゴい。

「このマンガがスゴイ!」や「2015年マンガ大賞」など、数々の賞に名前が挙がったのも頷ける傑作です。

 

 

 

2位 魍魎の匣 / 志水アキ、京極夏彦(全4巻)

 

京極夏彦の「京極堂シリーズ」第2作にしてシリーズ一番の人気作「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」のコミカライズ版です。

ウンチク満載、様々な人物とその思惑が錯綜する大長編を、よくぞここまで分かりやすく漫画化したな、という印象です。特に人物描写が素晴らしく、古書店主人にして憑き物落とし・京極堂をはじめ、超能力探偵・榎木津礼次郎、気弱な小説家・関口巽、厳格な刑事・木場修太郎など、個性豊かな登場人物たちはイメージ通り。脇役も際立って描かれています。

ホラー、オカルトを絡めたサスペンスの妖しさも完璧に再現。原作ファンはもちろん、原作に挫折した人、原作未読の人も必ず引き込まれるはず。

 

他の「京極堂シリーズ」もコミカライズされています。完結済みのものは以下の2つ。

  1. 20ヶ月間子供を身ごもっている、という怪異を描くシリーズ第1作かつ京極夏彦のデビュー作「姑獲鳥の夏
  2. 死体が生き返りやってくる、という相談に端を発した連続殺人事件を追う、シリーズ第3作「狂骨の夢

厳格な聖ベルナール女学院、その学校の七不思議に絡んだ事件を題材としたシリーズ第5作「絡新婦の理」が連載中。今後も目が離せません。

 

 

1位 アイアムアヒーロー / 花澤健吾(20巻〜)

 

謎の感染病によって、ゾンビのような化け物・通称”ZQN(ゾキュン)”がひしめく世界。崩壊していく日常の中、35歳のダメ男・鈴木英雄(すずき ひでお)のサバイバルを描くパニックホラー漫画です。

第1巻は冴えない漫画アシスタントである主人公の残念な日常を延々見せられるのですが、ラスト10ページから急展開。一気に世界が変貌します。第1巻をまるまる全て導入に費した壮大なプロットにめちゃくちゃ引き込まれました。

その後もジェットコースターのような息をつかせぬ展開でグイグイ読ませてくれます。”人間の恐ろしさ”も容赦なく描かれており、パニック作品としてのクオリティは唯一といっていいでしょう。

現在、物語は佳境を迎えラストに向かっているところ。どんな終わり方を見せてくれるか楽しみです。

 

 

 

おわりに

各ジャンルのオススメ漫画をランキング形式で紹介させていただきました。

読んでいただき本当にありがとうございます。気になる作品は見つかりましたか?

 

自分では手広くいろいろな漫画を読んでいるつもりでしたが、記事を書いていてジャンルに偏りがあるなぁ、ということに気づきました。特にスポーツ漫画はあまり読んでおらず、ヤンキー漫画はまったく手を出してないですね。今後はそのあたりのジャンルにも挑戦してみようと思います。

 

新しい面白漫画に出会ったら、随時更新していくつもりです。よろしければまたご覧ください。