メガロドン
古代の海を支配した巨大ザメの「メガロドン」。今回はメガロドンの生態と生存の可能性についてご紹介します。
合わせて読みたい関連記事
最新のティラノサウルス!恐竜王者の全てとその魅力に迫る
不思議な深海魚たち!怖いの、キモいの、かわいいの?
サメの種類はこんなにある!不思議で奇妙な18のサメ
メガロドンとは
メガロドンは今からおよそ150万年前の海に生息していた太古の巨大なサメです。現存する人食いザメであるホホジロザメに近い仲間であることがわかっていますが、その大きさは比べ物になりません。その巨大さと獰猛な捕食者であるホホジロザメに似た姿から古生物ファンのあいだでは非常に人気の高い絶滅動物です。
画像:karencarr
メガロドンは軟骨魚類であるサメの仲間であることから歯や顎以外の化石は発見されず、化石から詳細な姿を復元することはできません。しかし、歯の特徴が現存するホオジロザメに酷似していることから巨大なホオジロザメのような姿であったと考えられています。
出典:en.wikipedia
メガロドンの大きさ
メガロドンは全身の化石が発見されないため正確な大きさはわかっていませんが、ホオジロザメに近い仲間であることから歯の大きさを比較してその体長が復元がされています。それによるとメガロドンの体長は13~20mという大きさになるのだそうです。最大の肉食魚であるホオジロザメは6m程度であり、現存する最大の魚類ジンベエザメですら13mほどであることからメガロドンが如何に巨大なサメであるかがわかります。
メガロドンは誤った復元方法により、その体長が30~40mもあるとされていた時代がありました。これは最大サイズの歯のみを使って口の大きさを復元した結果で、実際のメガロドンには大小様々な歯が生えていたことがわかっています。この事から現在、メガロドンの平均個体は体長13mほどで、最大個体でも20mくらいまでにしか成長しなかったと下方修正されました。しかし、平均個体でもホオジロザメの倍以上の大きさがあり、最大個体に至っては3倍をゆうに超えています。また、ホオジロザメの体重は1tほどですが、最大個体のメガロドンは30t近くもあったと考えられています。
出典:en.wikipedia
メガロドンの生きた時代
メガロドンは地球史の新生代第三紀という時代に生息していました。当時の海は現在よりも暖かくクジラなどの大型海洋哺乳類が繁栄しました。メガロドンはこのクジラなどを獲物とする当時の海洋生態系の頂点に君臨していたのです。実際にこの時代の地層から発見されるクジラなどの化石からはメガロドンに襲われたものと見られる傷跡が見つかっています。
メガロドンはなぜ絶滅したのか?
当時の海を支配していたメガロドンはなぜ絶滅してしまったのでしょうか?その原因は大きく分けてふたつあるといわれています。ひとつめは海の寒冷化です。非常に温暖だった第三紀の海も後期に入ると寒冷化が進み氷河が形成されるようになりました。メガロドンを含むサメの仲間は変温動物であるため気温の変化を受けやすいといわれています。また、恒温動物であり獲物となるクジラが寒冷な海域に逃げ込んだため体の大きなメガロドンは深刻な食糧不足に陥ります。しかし、寒冷化が進んだ時代の地層からも化石が発見されているため、メガロドンもある程度は寒冷な海に適応していたのではないかといわれています。
画像:birdy
ふたつめはシャチの出現です。恒温動物であり強い骨格を持つシャチの発生は当時の海の生態系を大きく変えるものでした。一般的にサメは浮袋を持たないため巨大化するほど泳ぐスピードが遅くなるといわれています。しかし、シャチは巨大な体を持っていても非常に高速で泳ぐことができました。このシャチの出現によりメガロドンは生態的地位を奪われ絶滅してしまったのだといわれています。
出典:en.wikipedia
メガロドンの歯
メガロドンは軟骨魚類であるため化石化した歯からしか生きていた姿や生態を予想することができません。メガロドンの歯はとても巨大でホオジロザメと比べるとその大きさがよくわかります。現在、復元されるメガロドンは歯の大きさがホオジロザメのX倍であることから、そのまま体もX倍したというものです。そのためメガロドンは巨大なホオジロザメとして描かれることがほとんどです。しかし、メガロドンが生きていた時代は今から150万年前と古生物にしては比較的新しいためサメの姿が劇的に変化しているとは考えにくく、復元予想が大きく外れることはなさそうです。
出典:en.wikipedia,Brocken Inaglory
スポンサーリンク
メガロドンの化石
ファンの多いメガロドンですが、その化石を購入することができることをご存知でしょうか?調べてみたところメガロドンの歯の化石は安いものなら5000円から販売しているようです。大きいものや状態が良いものでは15万円ほどするようですが、完全に手が出ないという値段ではないようですね。余談ですが、メガロドンの化石は日本では古くから「天狗の爪」とされていました。巨大な歯を見た昔の人々はそれを物の怪のものだと考えたんですね。
出典:en.wikipedia
メガロドンは生存している?
海洋生物は陸上生物に比べて環境の影響を受けにくいため、古代鮫のメガロドンも生き残っている可能性が高いという研究者が存在します。事実、恐竜よりもずっと昔に誕生したシーラカンスは深海に適応することで現代まで生き残ることができました。この事からメガロドンなどの古代生物が深海に生息している可能性は決して低くありません。また、これまでメガロドンとしか思えないような巨大なサメが数多く目撃されています。次項では目撃されたメガロドンと思われる生物についてご紹介します。
メガロドンの目撃談
1942年に南アフリカのケープタウン沖でドイツ海軍船と一緒に巨大なサメと見られる生物が写真に収められました。海面から覗いた背びれと尾びれを軍艦と比較したところ、その大きさは20mに達することがわかりました。特徴的な姿からこの生物は巨大なサメだと考えられています。これほど大きさなサメであればメガロドンだと考える方が自然だといいます。
同じく南アフリカ沖でクジラを襲う巨大なサメが目撃されました。撮影された写真に写った背びれは海面から出ている部分だけでも2m近くになる巨大なものでした。この巨大ザメもメガロドンなのではないかといわれています。
また、ハワイの海岸では尾を食いちぎられたミンククジラの死体が打ち上げられました。巨大なクジラを襲うことができる捕食者として、やはりメガロドンの名前が上がっています。この他にも化石化していないメガロドンの歯が発見されたり、20mを超えるサメが衛星写真で撮影されていることから非常に巨大なサメが存在していることは間違いないようです。
出典:machiukezoo
いかがでしたか?古代の海を支配した巨大ザメのメガロドン。もし生き残っているのならその姿を見てみたいものですね。
この記事へのコメントはありません。