前回までのお話
各自報告せよ!
「ハッ!入口、洗浄済みです!」
「階段、廊下、オールクリーンです!」
「スリッパ、除菌済みです!」
ふむ。準備は順調なようだな。
・・・
今日は一般企業様より見学者が来る。
本家よりウチで受け入れるように通達があり、失礼があるとお叱りを受けてしまう。
なんとしてでも成功させねば!
・・・
引き続き報告せよ!
受付!
「比較的若い子を2名確保しました!いずれも改造済みです!」
改造済みか!
怪人に?いや今日に限っては怪人を、だ。
いい仕事しやがる!
次、魔術斑!
「ハッ!照明!スモーク!準備完了です!いつでもいけます!コウモリもこの日の為に多数用意しました!ボスの衣装準備を残すのみです!」
よし!
昼食はどうだ!
「ハッ!洋食、中華、和食のシェフを用意しました!」
ん?用意しましたって?
「攫ってきました!」
バカ!ここで作らせる気か!
店を用意しろってんだよ!
「フフフッ…。店は持ってこれないでしょー」
予約しろってんだよ!
シェフには丁重にお帰り頂け!
…お前らに任せるとサイゼリアになりそうだ。
私が手配する。
応援室はどうだ!
「…。」
あれ?トミ子さんにお願いしたのになぁ。
あの人やたら駐車場の掃除ばかりしてるからな。
まぁいい。手の空いた者は応援室の掃除だ!
コーヒーはあるのか!
「ハッ!最高級のコーヒー豆の納品確認済みです!」
クッ!これをぬるめにするのか…。
もったいない気がする…。
「先輩。アイスコーヒーにすれば良いのでは…。」
なっ!おまえ!今なんて言った!
「ヒッ!すいません!ダメですかね?」
すごいな。おまえ!
その発想は無かったわ!
次、ケーキは!
「ありません!」
何!新入り!急いでケーキ買ってこい!
「先輩。この時間はシャトレーゼやってません!」
じゃあもうローソンでいいから!
「何ケーキですか?」
ショートケーキでいいよ!
「無かったらどうします?」
なんか適当に良さそうなの買ってこいよ!
「適当に良さそうなのって具体的には?」
いやわかるだろ!チョコレートケーキとか!モンブランとかさ!
「両方あった場合はどっちが優先です?両方とも無かった場合は?」
ああっイライラする!時間がないんだよっ!
「先輩!自分はどんな仕事も丁寧に確実にやりたいんです!適当なことはできません!だからちゃんと教えてください!」
じゃあもうローソン着いたら電話して!
「先輩にそんなお手間を取らせません!ここでちゃんと話を詰めて、速やかに取りかかりますよ!任せてください!」
お、おまえ、面倒くさいな。
鬼ころし!ポンタカード持ってるか?
「はい!持ってます!」
「先輩!僕の仕事…ヒッ!お、鬼ころし先輩に譲ります…。」
よし!鬼ころし!ポンタカードを掲げながら入店しろよ!じゃないとカラーボールぶつけられるからな!
「先輩!お釣りを頂くようなことは…」
その件をやってる場合じゃねえんだよ!
釣りは返せ!経費だから領収書貰ってこいよ!
早く行け!
ったく…。
さて、そろそろ時間だ。
お出迎えするぞ!ボスはどうした!
「…いません!」
!!!
最初の挨拶はボスがするって言ってたやん!
探せ!まだ遠くには行ってないはずだ!
・・・
「来ませんね…。」
ボスも…坂津さんも…来ないな…。
山崎さんになんて報告しよう…。
「課長!ボスが帰って来ました!」
ボス!どこに行ってたんですか!
「どうしたんだ?みんな揃って?何かあるのか?」
何言ってるんですか!
一般企業からお客様が来るって朝、言いましたよね!
「あ、そうだったっけ?それより余専用マグカップ作ろうかと思ってな!プリントするなら犬と猫どっちがいいと思う?」
何の話だよ!
おまえ、自分が本家に怒られてこいよ!
「え、余、ボスなんだけど…。」
だから責任持って怒られてこいや!
坂津様にも頭下げてこいや!
「あ、坂津さん?坂津さんなら会った!大丈夫!もう完璧にもてなしたから!ね?ね?」
ああ?どういうことだよ!
「いや、ローソンじゃなくて…そう、そうだ!貴様らが不甲斐ない故、余自ら出迎え、歓待したのだ。貴様らのような薄給の底辺どもでは思いもよらぬおもてなしだ。」
な、なんだと…。
「フフフ。坂津さんは満足顔でお帰りになられた。余にかかれば一般企業の連中など赤子の手をひねるようなものよ。」
ほ、本当かよ…。
「それを証拠に名刺を献上してきおったわ!ワーッハッハッハッ!余の威光の前にひれ伏した証だ!」
ま、フツー渡しますけどね。
ならボスがレポート書いて山崎さんに提出しといてくださいね。
「まて、余はレポ…。」
みんなお疲れ様!
解散!
いや本当にありがとうございます!
とても楽しかったです!!
筆は遅いですが御礼記事です!!
我々の組織への絡み大歓迎です!
採用を希望される方!
薄給です!