尖閣諸島沖 中国船活発化 接続水域を7隻航行

尖閣諸島沖 中国船活発化 接続水域を7隻航行
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今月に入り中国当局の船の活動が活発化している沖縄県の尖閣諸島の沖合では、10日午後も、日本の領海のすぐ外側にある接続水域を中国当局の船7隻が航行しているのが確認され、海上保安庁が警戒と監視を続けています。
第11管区海上保安本部によりますと、10日午後3時現在、沖縄県の尖閣諸島沖の領海に侵入している中国当局の船はないものの、久場島と魚釣島の沖合の接続水域では合わせて7隻が航行しているのが確認されました。
また、9日から10日未明にかけては、久場島沖の日本の排他的経済水域や接続水域で、中国当局の複数の船が小型ボートを出して乗組員を近くの中国漁船に乗り込ませたり、ボートを漁船に横づけしたりする様子などが相次いで確認され、海上保安庁は、漁業に関する管轄権を行使したのであれば認められないとして警告しました。
尖閣諸島沖では、9日まで3日連続で中国当局の船が日本の領海に侵入するなど活動が活発化しているほか、周辺の海域では10日も一時、およそ200隻の中国漁船も確認されたということで、海上保安庁が警戒と監視を続けています。

元海上保安監「巡視船を投入 きぜんと対応を」

沖縄県の尖閣諸島沖の日本の排他的経済水域や接続水域で、中国当局の複数の船が乗組員を中国漁船に乗り込ませる様子などが相次いで確認されたことについて、海上保安庁のナンバー3、海上保安監を務めた鈴木洋さんは「日中漁業協定で、中国の漁船は尖閣諸島沖の領海の外側なら操業できることになっているが、中国当局に対して漁業に関する管轄権の行使を認めたわけではない。漁船に対する立ち入りや取締りを行うことは管轄権の行使につながるので、現場の海上保安庁の巡視船は、もしそれを行っているなら認められないという日本の立場を明確に伝えたのだと思う」と指摘しました。
また、中国側の目的については、「中国は尖閣諸島の領有を主張していることがあるので、その関連かもしれないが、具体的にどういう意図があるかは分かりかねる」と述べ、現状では判断が難しいという考えを示しました。
そのうえで今後の対応について、鈴木さんは「尖閣諸島の沖合を航行する中国当局の船は、このところ2、3隻が普通だったが、今回は最大15隻ということであまりにも数が多く、通常のケースとは違うと思う。海上保安庁としては、中国当局の船を上回る数の巡視船を投入してきぜんと、冷静にやっていく必要がある」と述べました。