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arto総研

芸術を全ての人へ

絵画に描かれた子どもたち

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こんにちは、arto総研のToshiroです。いつもお読みいただきありがとうございます。今回は「絵画に描かれた子どもたち」というテーマで書いてみます。ここ最近堅苦しい記事が多かったので、たまにはこういうのもいいでしょう(*´ω`)

 子ども

「堅苦しいのをやめよう」みたいなことを言っておいて、いきなり堅い話になってしまうのですが、解説なしだとこのブログの意味なくない?となりかねないのでちょこっとだけ、最初だけ。

意外に思われるかもしれませんが、子どもが絵画に描かれるようになったのは最近(と言っても数百年単位ですが)のことです(それ以前でもないわけではないのですが)。というのは、中世のヨーロッパには子供の概念がなかったからです。

今の感覚で言えば10歳くらいの人は「子ども」と捉えますが、中世ヨーロッパでは「小さな大人」だったのです。では「小さな大人」になる前、つまり生まれて間もない人は何だったかというと、言葉は悪いですが、家畜のような扱いでした。

今でこそ死亡率は低いですが、当時の生まれて数年の人は死ぬ確率が非常に高く、家族の一員とみなすことはなかったのです。そのため、「生まれて間もない人」の育成(というか管理)はずさんで、壁に赤ちゃんをつるして管理したりしていました。

そこで出てきたのが『エミール』を著したジャン=ジャック・ルソーです。「小さな大人」という捉え方ではダメだ、ということで初めて「子ども」が発見されました。この時1762年。この時代まで子どもは存在しなかったのです。

この辺は教育学の話になるんですかね、私は教育学は全く知らないのですが、古代ギリシアには子どもは存在していたようです。哲学者のプラトンやアリストテレスが子どもや教育についても述べています。

美術史における子どもはどうなんだ、ということになるのですが、始まりは宮廷や貴族といった階級における遺影として描かれたのが始まりらしいです(はっきりしたこと言えなくて申し訳ないのですが)。そこから「可愛い姿を残したい」という考えが出てきて浸透していったようですね。なので高い身分でない、私たちが一般的に考えるような無邪気な子どもを描くようになったのは最近になってからです。

作品紹介

 すみません、長くなってしまいました。では可愛い子どもたちを見てみましょう。

『小さな巨人』

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ゴヤの作品です。ゴヤというとかなり暗い印象がありますが、こういう作品も描いています。子どもたちが無邪気に遊んでいる様子が描かれています。

『青い肘掛け椅子の上の少女』

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こちらは印象派のメアリー・カサットの作品です。椅子に座る少女は、どことなく退屈そうにしていますが、可愛らしく描かれています。

『飾り鉢で遊ぶ子どもたち』

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こちらも印象派から。ベルト・モリゾの作品です。ベルト・モリゾは子どもに関する作品を多く残していて非常に人気の高い画家です。子どもたちの表情や無邪気に遊ぶ一瞬を上手く捉えた作品です。

『初めてのお説教』

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ラファエル前派のミレーによる作品です。タイトルの通り、お説教を受けている少女が描かれています。初めて受けるお説教に緊張している様子。

この作品には続きがありそれがこちら。

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タイトルは『2度目の説教』。説教に慣れたのか、眠っています・・・。

『縄跳び』

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ホアキン・ソローリャの作品。少女が縄跳びをしています。飛んでいる瞬間を写真で切り取ったかのような作品で、躍動感がありますね。彼女たちの楽しそうな声が今にも聞こえてきそうです。

 

今回もお読みいただきありがとうございました。
Toshiroでした。それでは、また。

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