川村剛志
2016年8月9日18時59分
女性や非喫煙者に多いタイプの肺がんの発症しやすさを決める六つの遺伝子を見つけたと、国立がん研究センターなどの研究チームが9日、発表した。かかりやすい人を予測し、検診などで早期発見できる可能性があるという。
肺がんは国内では年約7万人が亡くなり、がんの種類別で最も多い。研究チームは、日本人の肺がんの4分の1程度を占め、非喫煙者や女性、若年者の発症も多い、「EGFR」という遺伝子の変異による腺がんに注目した。
このタイプのがん患者3173人と、がんを発症していない1万5158人の全遺伝情報を比べたところ、免疫反応などにかかわる六つの遺伝子の中のわずかな違いが、発症に関係していることがわかった。六つの遺伝子のうち一つで違いがあると、発症しやすさが1・19~1・42倍になり、複数の遺伝子であれば、リスクがさらに高まるという。
同センター研究所の河野隆志・ゲノム生物学研究分野長は「この肺がんは日本を含むアジアに多いタイプで、喫煙との関連が比較的弱く、効果的な予防法もない。リスクが高い人に若いときから検診を受けてもらうなどして、早期発見につなげていければ」と話す。(川村剛志)
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