会員制倉庫型店舗で大手外資系ショッピングセンターのコストコは、全国の25店舗においてアルバイトの時給を1250円に設定している。地域別の最低時給は東京で907円、神奈川で905円、宮崎、沖縄、高知、鳥取では693円に設定している中で、コストコが全国的に好待遇で求人募集するのはなぜか。地方求人に大きなインパクトを与えたこの問題について探った。
【詳細な図や写真】 コストコの給与テーブル
コストコのアルバイトは、最初はアシスタントからスタートする。時給は1250円で、時間外労働・休日残業1688円、深夜22時以降の割増1563円にまで跳ね上がる。また、クラークと呼ばれる入会案内などのメンバー向けサービスを業務とする仕事の時給は1300円からスタートし、時間外労働・休日残業1755円、深夜22時以降の割増1625円とより高待遇になる。これは首都圏だけに適用されるのではなく、全国25店舗で統一されている。
昇給の仕方は、勤務1000時間毎に64円~82円の幅で昇給し、最高で1650円もしくは1800円まで上昇するという。アルバイトの勤務は週に20時間までということなので、1週間すべてフルで働いたとしても、最初の昇給には1年かかる計算だ。4年働けば時給は天井まで上がり、最低時給のほぼ倍程度まで賃金が上昇する。
驚くべきは、これに応じて周辺の時給も上昇していることだ。筆者は幕張コストコの近くに住んでおり、4年ぐらい前から周辺の時給をチェックしていたが、コストコが1250円の時給を出した頃から実際にイオン幕張新都心の時給が上がっている。
コストコ近辺にある他社店舗スタッフの時給を調べてみた。北海道のコストコ札幌北広島店周辺の三井アウトレットパーク北広島店が時給850円、関東のコストコ幕張店周辺のイオン幕張新都心店が時給1000円、中部のコストコ岐阜羽島店周辺のカーマホームセンター羽島店が時給820円、九州のコストコ北九州店周辺のファッションセンターしまむら ひびきの店が時給800円となっている。
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