iPhoneが日本でだけ売れ続けるという怪奇現象に拍車がかかっています。日本人はなぜここまでiPhoneを特別視するのでしょうか。
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米アップルが7月26日に発表した決算内容は日本の市場関係者を驚かせました。アップル全体では、事前の予想通り大幅な減収減益だったのですが、日本市場だけは快進撃だったからです。
2016年4~6月期決算は、売上高が前年同期比14.6%減の423億5800万ドル(約4兆4000億円)、純利益が26.9%減の77億9600万ドル(約8100億円)でした。2四半期連続の大幅な減収減益であり、これまでアップルは破竹の勢いで成長してきたことを考えるとボロボロの決算といってよいでしょう。
決算が低迷した最大の原因は主力であるiPhoneの失速です。今年に入ってからアップルは各国で売上を落としているのですが、その中で唯一の例外があります。それが日本市場です。
米国市場の売上高は前年同期比11.1%のマイナス、中国市場は33.3%のマイナス、欧州市場は6.8%のマイナスでした。中国以外のアジア市場も19.5%のマイナスです。前四半期の決算においても状況は同じでした。北米市場は10.4%のマイナス、中国市場は25.8%のマイナス、欧州市場は5.5%のマイナスとなっています。ところが日本市場は、今期は22.9%のプラス、前期は23.8%のプラスと驚異的な伸びを見せました。全世界でiPhoneの売上が低迷する中で、日本市場だけが快進撃を続けています。
日本はスマホのOS(基本ソフト)のシェアにおいてAndroidがiOS(iPhoneのOS)を下回る例外的な国として知られてきました。全世界でiPhoneの販売が低迷する中、日本ではその傾向がさらに顕著になっているわけです。
日本でだけiPhoneが売れている理由ははっきりしませんが、携帯電話会社の料金体系が大きく影響している可能性があります。日本では端末と回線が分離しておらず、以前は月々の支払金額に端末料金を入れ込む販売形態が一般的でした。このため端末の価格が分かりにくく、高価なiPhoneでも価格を意識させることなく利用者に販売することが可能だったわけです。諸外国では端末を個別に購入するケースも多いですから、いくらiPhoneが魅力的でも価格の高さが際立ちます。日本において廉価版のスマホが普及しなかったのも同じ理由と考えてよいでしょう。
これに加えて、日本人の購買行動もiPhoneのシェア拡大に寄与している可能性があります。日本人は他人の動向を見て購買を決める傾向が強く、しかも、一旦、行動を決めるとなかなかそれを変えようとしません。ひとたびiPhoneの人気が確立してしまうと、当分の間、それが続くわけです。これも一種のガラパゴスということなのかもしれません。
(The Capital Tribune Japan)
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