業者選定で不正か 市議宅など家宅捜索
大阪地検特捜部 議長経験のある男性市議から事情聴取
奈良県天理市が誘致した大規模太陽光発電施設(メガソーラー)に関する事業を巡り、契約業者の選定時に不正が行われた疑いがあるとして、大阪地検特捜部が市議会で議長経験のある男性市議(66)から事情聴取していたことが捜査関係者への取材で分かった。特捜部は3日、市役所の議会事務局や市議宅の家宅捜索を始めた。
特捜部は事業の契約先で不動産コンサルタントを行う一般社団法人(大阪市)の関係者や、市議に法人を引き合わせたとされる大阪府警OBの不動産会社役員からも詳しく事情を聴いている模様だ。
天理市などによると、市は2013年5月、旧土地開発公社が所有していた43ヘクタールの遊休地(同市福住町)を民間に貸し出し、メガソーラーを誘致する事業を計画。当時の市幹部らでつくる選定委員会が、市側に支払われる年間賃料や事業計画を盛り込んだ企画提案書の内容などで採点する公募型プロポーザル方式で業者を選ぶことになった。
募集期限だった13年8月2日、コンサル法人と別の業者の2社が提案書を提出。審査の結果、4300万円の年間賃料額などを提示したコンサル法人に土地を貸し出すことを決めた。
捜査関係者らによると、この選定に絡み、コンサル法人が有利になるよう不正が行われた疑いがある。市議は市側にメガソーラー誘致を積極的に働きかけていたとされる。
特捜部はコンサル法人が事業の契約先に選ばれた経緯の裏付けを進めるとともに、市議に金銭的な見返りがあったかどうかについても慎重に調べているとみられる。
市議は6月下旬、毎日新聞の取材に「選定に不正なんてない」と関与を否定。コンサル法人代表も取材に「事実無根だ」と答えた。
コンサル法人は市と契約後、いずれも大手の総合リース会社と電気設備工事会社による出資会社に土地の賃貸権を譲渡。周辺の民有地も確保した出資会社は、15年2月に30メガワット級のメガソーラー施設の整備(総事業費約80億円)を始め、来年2月から電力会社への売電開始を目指している。
天理市には20年間の契約期間、計15億円程度の賃料などが入る見込みになっている。【藤顕一郎、岡村崇】