ジェームズ・ジョイスを翻訳 柳瀬尚紀さん死去

アイルランド出身の作家、ジェームズ・ジョイスの翻訳などで知られる英文学者の柳瀬尚紀さんが、肺炎のため東京都内の病院で亡くなりました。73歳でした。
柳瀬尚紀さんは北海道根室市出身で、早稲田大学文学部卒業後に翻訳を手がけた、エリカ・ジョングの「飛ぶのが怖い」がベストセラーになりました。
その後、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」など、数多くの作品の翻訳を手がけました。中でも、アイルランド出身の作家、ジェームズ・ジョイスの作品で、難解な表現で知られる「フィネガンズ・ウェイク」を、独特のことば遊びやだじゃれまで巧みに表現し、翻訳に関する数々の賞を受賞しました。また、柳瀬さんは長年にわたってジョイスの大作「ユリシーズ」の翻訳に取り組み、生涯をかけて完成を目指していました。家族や関係者によりますと、最近も精力的に翻訳を続けていたということですが、先月29日、肺炎で都内の病院に入院し、翌日の30日に亡くなったということです。