元横綱・千代の富士、九重親方が死去 61歳
大相撲第58代横綱で歴代3位の31回優勝を果たし、相撲界初の国民栄誉賞を受賞した「昭和の大横綱」、千代の富士の九重親方(本名・秋元貢)が29日、入院先の東京都内の病院で亡くなった。61歳。通夜・葬儀は未定。
北海道福島町出身。関脇だった1981年初場所で横綱・北の湖を優勝決定戦で破り、初優勝を果たした。翌春場所で大関に昇進し、同年名古屋場所後に横綱となった。
優勝回数を重ねるだけでなく、88年の九州場所では大鵬の45連勝を抜き、14日目まで53連勝して、双葉山の69連勝に迫った。だが、同場所千秋楽で同じ横綱の大乃国(現・芝田山親方)に敗れた。翌89年1月に昭和天皇の崩御により、連勝を止められた取組は「昭和最後の一番」となった。同年、国民栄誉賞を受賞した。91年夏場所で引退するまでに31回の優勝を果たし、人気実力とも高い横綱だった。
2015年5月31日には還暦土俵入りを行い、露払いに日馬富士、太刀持ちに白鵬の、現役の両横綱を従えた。その後、自ら膵臓(すいぞう)がんだったことを公表した上で、監察委員に復帰していた。