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女児のワンピース 広島原爆資料館未展示資料

当時11歳だった八百野清子さんが着用していたワンピース。胸元が大きく破れ、火で焼けた跡もうかがえる=広島市中区で2016年6月、山田尚弘撮影

爆風、熱線 すさまじさ訴え

 ぼろぼろに破れた子供用のワンピース(橋本弘幸さん寄贈)は、八百野清子さんが11歳で被爆した時に着ていたものだ。亡くなるまで大切に保管していた。胸や腹の部分が大きく割け、原爆のすさまじさ、悲惨さを八百野さんの代わりに訴えている。

     八百野さんは、爆心地から1.5キロの竹屋国民学校(現広島市立竹屋小学校)の教室で被爆。すさまじい爆風と熱線が襲い、顔や首にガラス片が突き刺さった。火の海となった校舎から逃げ出し、近くの京橋川に飛び込んだ。多くの遺体と一緒に川を漂い、夕方になってようやく「この子は生きている」と助け出された。

     坂町小屋浦の救護所で終戦を迎えた。家族は緑井(現安佐南区)に疎開していて無事だった。八百野さんは、知人に連れられ家族と再会。全身の倦怠(けんたい)感や脱毛、下痢など被爆の急性症状に苦しんだが、何とか回復した。

     ワンピースは昨秋、原爆資料館に渡された。被爆した時のことを語るのがつらかったという八百野さんは、自分の死後にワンピースを寄贈するよう言い残していた。【竹内麻子】

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