新車両「スペース2カ所以上に」義務化
国交省、17年度にバリアフリー法の基準改定へ
電車内で車いすやベビーカーを折りたたまないまま優先的に置けるスペースについて、国土交通省は鉄道各社に対し、1編成あたり2カ所以上に増やすよう義務づける方針を固めた。2017年度にバリアフリー法の基準を改定し、周知期間を経て新車両に適用し、スペースは現行基準の2倍に広がる。
すでに走行している車両や車両数が少ない地域鉄道は、現行の1カ所以上にとどめる。一方、大都市の鉄道や新幹線では、優先スペースが2カ所以上ある編成が普及しているため、国交省は義務づけと並行して、3カ所以上の設置を指針で求めたい考えだ。東京五輪・パラリンピックに向け、バリアフリーを進める協議会が、8月上旬にもこうした指針をまとめる。
混雑した電車内ではベビーカー利用を巡る苦情が相次ぎ、国交省は14年、折りたたまずに利用できることを周知する「ベビーカーマーク」を作製した。今回、さらに優先スペースを広げることで、ベビーカー利用者の不安を和らげると共に、周囲に理解を促す。【内橋寿明】