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アウシュビッツ訪問 虐殺犠牲者に祈り

「働けば自由になる」とドイツ語で掲げられた門をくぐるフランシスコ・ローマ法王=ポーランド南部のアウシュビッツ強制収容所跡で2016年7月29日、AP

 【オシフィエンチム(ポーランド南部)福島良典】ポーランド訪問中のフランシスコ・ローマ法王は29日、同国南部オシフィエンチム郊外にあるホロコースト(ナチス・ドイツのユダヤ人大虐殺)のアウシュビッツ強制収容所跡を訪れ、虐殺の犠牲者に祈りをささげた。演説はしなかった。「言葉よりも態度でものを語る」法王の姿勢をユダヤ人団体は評価している。

     法王は「働けば自由になる」とドイツ語で掲げられた門を徒歩でくぐり、椅子に腰かけて約15分間、黙とう。アウシュビッツの生存者11人と面会し、一人一人の手を取って言葉をかけた。

     その後、ポーランド人のカトリック聖職者、マキシミリアノ・コルベ神父(1894〜1941年)がポーランド人軍人の身代わりとなって75年前に獄死した地下の監房跡に入り、一人で約6分間、祈りをささげた。

     歴代法王のアウシュビッツ訪問は先々代のヨハネ・パウロ2世(1979年)、前任のベネディクト16世(2006年)に続き3回目。ヨハネ・パウロ2世は収容所跡でミサを開き、ベネディクト16世は演説したが、フランシスコ法王は「惨劇の場では一人で祈りたい」として演説しなかった。

     背景には「言葉よりも祈りこそが犠牲者への深い敬いの表明」(バチカン記者)との判断がある。伊ユダヤ人協会のノエミ・ディ・セニ会長は「祈りに集中する姿勢に感謝する。他者と生命を敬う内省のシンボルだ」と謝意を表明した。

     法王は6月下旬のアルメニア訪問時にも第一次世界大戦期のオスマン帝国によるアルメニア人迫害の「虐殺記念館」で静かに祈り、犠牲者を追悼した。

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