辻村周次郎
2016年7月23日16時11分
将棋の鬼才、阪田三吉が腕を磨いた大阪市浪速区の新世界で、60年以上続いた老舗将棋クラブが串カツ店として再出発した。「串カツを食べられる将棋教室」を催すなど、将棋文化の継承にも力を入れる。
「カチッカチッ」。ジャンジャン横丁にある串カツ店「王将倶楽部」の2階から、駒を打つ乾いた音が響く。9日、50~80代の男性7人が将棋盤と向き合っていた。対戦相手は増田裕司六段(45)。2部制で7人の将棋盤を巡り、手早く駒を指していく「指導対局」方式の将棋教室だ。対戦後にも7人にそれぞれ戦法をアドバイスしていく。
6月オープンの串カツ店は、昨年10月まで将棋クラブ「王将」だった。食卓のカバーをとると瞬く間に将棋盤に様変わり。たばこのやにが染みこむ壁や天井もかつての面影を色濃く残す。「王将」の創業は1947年。2代目店主の矢本喜彦さん(68)が40年ほど前に父親から店を引き継いだ当時は、盆や正月も忙しかった。多い日は日雇い労働者や地元の商店主ら80人ほどでにぎわったという。
ところが、最近は客の高齢化や…
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