サントリーとアサヒが和解…特許権巡り
ノンアルコールビール「オールフリー」の製造に関する特許権を侵害されたとして、サントリーホールディングス(大阪市)がアサヒビール(東京都墨田区)に対し「ドライゼロ」の製造・販売差し止めを求めた訴訟の控訴審は20日、知財高裁(高部真規子裁判長)で和解が成立した。両社は詳細な和解内容を明かしていないが、「今後、本件について争わない」としており、いずれの商品とも販売は継続される。
昨年1年間の出荷量はドライゼロが702万ケース、オールフリーが696万ケースで業界トップを競っている。サントリーは訴えを取り下げ、アサヒは特許無効の審判請求を取り下げる。
サントリーは飲み応えを出すエキス分の量などの成分値の特許を2013年に取得。ドライゼロ改良品の成分値が特許侵害に当たると主張した。1審・東京地裁は昨年10月、「成分値は同業社であれば容易に想像できる」として請求を棄却していた。【伊藤直孝、平塚雄太】