医師登録制度「ANA Doctor on board」を開始します|プレスリリース|ANAグループ企業情報
JALについては以前書いた。
多くの医師がそうであるように、自分も目の前で急病人が出れば、おそらく自動的に身体が動くだろう。
しかし医師も万能ではない。難関の試験をパスして医師免許を取得しているが、多岐にわたり細分化された専門分野のすべてを修めることなど最早不可能な時代で、自分の専門分野だけで手一杯であるのも事実だ。
救命救急の専門医ならともかく、普通の医師が機内の急病に手を挙げるには相当の勇気が必要だ。特に自分など首から上が専門の人間にとっては。。
診断がつかなかったら?治療ができなかったら?無論機内の設備ではやれることに限界があり、必要なのは「目的地までこのまま飛んでよいか」の判断と、可能な範囲での応急処置だ。検査もできず器材も不足している状況は江戸時代、解体新書の頃の医学とさして変わらない。そんな中で、場合によっては飛行機の行き先を変更する決断をしなければならない。その時間に目的地に着かないといけない人も大勢乗っている。
今回のプレスリリースでは、
※機内で実施頂いた医療行為に起因して、医療行為を受けられたお客様に対する損害賠償責任が発生した場合、故意または重過失の場合を除き、弊社が主体となって対応させて頂きます。
と明記されている。故意に変なことをする医師がいるとは思えないが、重過失とは?その定義を知りたいところだ。そこが曖昧だと、あまり登録する医師はいないのではないかな。飛行機の行き先が変わったことによる損害賠償は?
ちなみにJALはサクララウンジ利用などが医師登録の特典としてついてくるようだが、JGC会員になってしまえばその特典も無意味。ANAも同様だろうか?ANAは上の記事にも書いたように、プラチナカード*1でもラウンジに入れる。
繰り返しになるが、両航空会社におかれましては、医師の善意と倫理観に全てを丸投げするのではなく、法律レベルで善きサマリア人の法が明文化されるように働きかけをして頂きたい。人を助けたいという気持ちだけで行動できるような環境を作って欲しい。それが何よりも、手を挙げる・登録してくれる医師を増やすことに繋がると思う。
もっといえば、急病の発生に備えて待機することも医師の仕事のひとつだとしたら、休暇や移動時間にまで仕事をしたいとは普通は思わないだろう。路線によるかもしれないし医師不足のご時世で難しいかもしれないけど、機内医として専門家を雇用するということも検討されてよいのではないだろうか。
*1:最上位のクレジットカード