もし、のび太が医療保険に入っていたら保険料はいくら?生きていく上で知っておくべき5つの保険と選び方まとめ
皆さん、こんにちは!
ナースフルらいふを担当している、伊集院よしみです。
ナースフルらいふでは、2014年8月から「私たちの身の回りの保険」をテーマに、専門家の方々と一緒に、“知らないと損をする保険の知識”をお届けしてきました。
しかし、保険については未だに「保険には医療保険・がん保険など、色々な種類があるけど、どの保険に入ったらいいんだろう?」「保険の費用はどれくらいかけるのが普通なの?」といった疑問を抱えている方が多いと思います。
そこで今回は、これまでお届けしてきた内容から大事なことをピックアップし、「生きていく上で絶対に知っておくべき5つの保険と選び方」として、わかりやすく再構成いたしました!
この記事さえ読んでおけば、「これまで難しいと思っていた保険のこと」がすんなりと理解でき、あなたにとって本当に必要な保険がわかるはず。
「そろそろ保険に入ることを考えてるけど、難しくてよくわからないな・・・」「もしかして、今入っている保険、高すぎ?」と思っている方にこそ、ぜひチェックしていただきたい内容です。
それでは、まいりましょう!
保険とは万が一の時の備え「転ばぬ先の杖」である
さて、今から保険のお話をしていきますが、「そもそも保険とは何?」という方もいらっしゃるかもしれません。
保険とは、シンプルにいえば、“万が一、自分の身に何か起こった時の備え”であり、いわゆる「転ばぬ先の杖」を用意することです。
例えば、もしあなたが病気にかかって長期の入院が必要になったり、大きな怪我をして介護が必要な状態になってしまったとしましょう。
このような場合、どうなってしまうでしょうか?
長い間働けなくなることによって、収入が減り、貯金を食いつぶしてしまうかもしれません。
さらに、もし、あなたが家族をもつ一家の大黒柱だった場合は、あなたの家族の生活も苦しくなってしまう可能性があります。
そうならないために、万が一の時のお金の保証をしてくれるのが保険なんです!
保険に入っていれば、上記のような病気やケガをしてしまった時にまとまったお金が得られるので、治療費や入院費、生活費といった、お金の心配を減らすことができるんですね!
ということで、「そもそも保険とは何か」を説明したところで、これから「あなたが生きていく上で知っておくべき5つの保険」について、お教えしていきます。
これらの5つの保険がどういうものかさえしっかりと押さえておけば、“あなたの人生における、保険の疑問は解決する”といえます。
少し長くなってしまいますがブックマークなどしておいていただき、必要な時にぜひ見返して、役立ててもらえればと思います。
知っておくべき5つの保険
あなたが生きていく上で絶対に知っておいた方がいい保険は以下の5つです。
- 医療保険
- がん保険
- 生命保険
- 旅行保険
- 介護保険
どの保険も、テレビやネットなどで、一度は見たり聞いたりしたことがあるかと思います。
それぞれの保険について、その内容と選び方を詳しく説明していきますね。
1.医療保険は、病気やケガなどで治療・入院した時のための保険
「医療保険」とは、あなたが病気やケガなどで入院した際に、入院費や手術費などを保障してくれる保険のことです。
この医療保険には、日本国民の74.0%の世帯が加入しているため、4世帯中約3世帯は加入しているメジャーな保険だといえます。
医療保険の具体的な内容は、主に以下の3つの保障内容に応じた給付金がもらえることです。
- 1.入院給付金
- 病気やケガの治療で入院した場合、入院1回につき「入院給付金日額×入院日数」の相当額を保障する給付金。
- 2.手術給付金
- 公的医療保険の対象となる入院を伴う手術を受けた際に支払われる給付金。
- 3.先進医療給付金
- 病気やケガの治療のための、先進医療を受けた場合に支払われる給付金。
(※先進医療とは、国内ではまだ有効性や安全性を確認している段階の治療法のこと。
健康保険が使えず、治療費は全額自己負担となるため、高額になる治療法です)
上記のほかにも、乳がんや子宮がんなど、女性特有の病気で入院した場合にもらえる「女性入院給付金」や、がんの診断・治療の際にもらえる「がん治療給付金」などの医療特約(※)と呼ばれるオプションとなる給付金もあります。
※医療特約は、後ほど説明する「がん保険」とは別もの扱いの「オプション(特約)」となるため、この「がん保険」の項目ではなく、医療保険の項目にて説明しています。
そもそも入る必要がないかも?医療保険の選び方
医療保険と一口にいっても、保険会社や保険商品によって種類や価格もさまざまなものがあります。
たとえば、入院費や手術費の保障を厚くしたり、個人年金などのオプションを付けていると、医療保険だけで月5,000円以上の費用がかかってしまうこともあります。
月5,000円でも、 20年間払い続けることを考えると、合計で120万円もの大金がかかってしまいます。
だから医療保険を選ぶ際は、「そもそも本当に必要なのか?」「どの程度の保障であれば充分なのか?」という点を考えて選ぶことが大切です。
そもそも、貯蓄が150万円以上あるなら医療保険に入らなくていい
実は、貯金が150万円ほどある人は、医療保険に入らなくても問題ありません。
なぜなら、医療保険に入っていなくても、国や会社から十分な保障を受けられるからです。
参考:貯蓄150万円あれば医療保険は必要なかった!?保険選びの考え方
たとえば、あなたが病気やケガをして手術を受け、数百万円もの医療費がかかったとしても、「健康保険」に加入していれば、自己負担額は3割で済みます。
(75歳以上の人は1割負担)
3割負担といっても、「手術の内容などによっては、高額になる場合があるのでは・・・?」と思うかもしれませんが、心配ありません。
「高額療養費制度」という制度によって、1ヶ月の医療負担額には上限が設けられているからです。
具体的な医療費負担額の上限は、収入によって以下の表のように分けられています。
所得区分 | 1ヶ月の負担の上限額 |
---|---|
区分ア(標準報酬月額(※)83万円以上) | 25万2,600円+(医療費―84万2,000円)×1% |
区分イ(標準報酬月額53~79万円) | 16万7,400円+(医療費―55万8,000円)×1% |
区分ウ(標準報酬月額28~50万円) | 8万100円+(医療費―26万7,000円)×1% |
区分エ(標準報酬月額26万円以下) | 5万7,600円 |
区分オ(低所得者:住民税非課税の人) | 3万5,400円 |
(※標準報酬月額とは、毎月の給与から天引きされている「社会保険料」や「保険給付額」を決めるための基準となる金額のこと)
たとえば、月収28~50万円【区分ウ】のケースで考えてみましょう。
1ヶ月の入院費が100万円だとすると、健康保険に入っていれば3割負担になるので、病院で支払うお金は30万円になります。
さらに、この30万円を【区分ウ】の表に当てはめて計算すると、以下の金額になります。
8万100円+(100万円-26万7,000円)×1%=8万7,430円
このように、高額療養費制度を利用すれば、3割負担で30万円になる医療費も、8万7,430円しかかからないんですね。
高額療養費制度については下記の記事でも説明していますので、詳しく知りたい方はぜひチェックしてみてください。
参考:【保存版】医療費を大幅に下げる「高額療養費制度」の使い方
さらに、あなたがサラリーマンや公務員の場合、「傷病手当金」という制度が利用できます。
傷病手当金とは、入院などで会社を4日以上連続で休み、会社から給料が支払われない場合、給料の3分の2に相当する金額が支給されるものです(最大期間は1年6ヶ月)。
これらの制度を利用すれば、あなたが負担する金額はかなり抑えられますので、貯金が150万円以上ある方であれば、医療保険に入る必要はないといえるんですね。
不安な人は、月1,000円程度の少額の保険を選ぼう
そうはいっても、「貯金はいつか使うかもしれないし、医療保険に入っていないと不安・・・」という方もいるかもしれません。
そんな方は、月1,000円程度の最小限の医療保険を選ぶことをオススメします。
参考:医療保険は月1,000円で十分!?プロが教える保険見直し術
月1,000円の医療保険では、正直なところ“最小限の保障”しか受けられません。
しかし、先ほど説明した「健康保険」「高額療養費制度」「傷病手当金」を利用すれば、最小限の保障でも充分だといえます。
なので、貯金が150万円に届かない人の場合は、月1,000円程度の医療保険に入っておくと安心でしょう。
子どもに医療保険は必要なの?
ちなみに、子供(18歳未満)に対する医療保険は、もっとも必要がないといえます。
というもの、健康保険の定めでは子どもが医療機関を受診した際、窓口で支払う医療費の負担額は、未就学児(7歳になる年の3月末まで)が2割、小学校1年生以上は3割となっています。
これだけ聞くと、「小学1年生以上は大人と同じ3割負担だから、必要なのでは?」と思うかもしれません。
ですが、実は上記以外に都道府県や市区町村が子どもの医療費に対して助成を行っており、「子どもが15歳や18歳など、一定の年齢になるまで医療費は無料」という地域が多くあります。
お住まいの地域の自治体によって違いはありますが、子どもの医療費の多くは免除されるケースが多いので、子供の時から医療保険に入る必要はほとんどないといえるんです。
子供の医療費に関しては、以下の記事で詳しく説明していますので、気になる方はチェックしてみてくださいね。
参考:民間の保険に入る必要なし!?知らないと損する子供の医療費助成
このように、「医療保険」は国や自治体が行っている保障のみで充分な場合があります。
もし、「ムダに医療保険に入っているかも・・・」と感じた方は、この機会に見直しを検討してみてくださいね。
(具体的な見直し方法は、この記事の最後にご紹介します)
ここまでで、医療保険のことは理解できましたでしょうか?
もし、「ムダに医療保険に入っているかも・・・」と感じた方は、この機会に見直しを検討してみてくださいね。
(具体的な見直し方法は、この記事の最後にご紹介します)
ちなみに、マンガ「ドラえもん」の中で、毎回ジャイアンに殴られ続けているのび太が、もし医療保険に入っていたとしたら、いくら保険料が手に入ったでしょうか?
実は、のび太は入院したことがないので、保険料を一切もらえないことになってしまうんです・・・!
やせ我慢は禁物なので、ケガを負ったときはしっかり医療機関を受診しましょうね・・・。
2.がん保険は、がんと診断された時および治療のための保険
続いて紹介するのは「がん保険」です。
「がん」は、わたしたち日本人の2人に1人はかかる恐れがある病気で、3人に1人はがんで亡くなるといわれています。
実は、日本人の死因の第1位は「がん」です。
こう聞くととても怖いのですが、現在では医療が進歩し、早期に発見・治療すれば、がんは“治せる病気”になっています。
参考:全国保険健康協会
そんな、身近な病気であるがんに対する「がん保険」は、先ほど説明した医療保険とは違い、保障になる病気の対象を文字通り「がん」に絞った保険です。
たとえば、抗がん剤治療や放射線治療といった、がん特有の治療をした時などに医療費が給付されます。
具体的には、以下の5つの保障内容に応じた給付金があります。
- 1.診断給付金
- がんと診断されれば、入院や手術をしなくても支払われる給付金。
- 2.入院給付金
- がんで入院した場合に支払われる給付金。
がん保険の入院給付金は、医療保険の入院給付金と違い、入院の日数に制限はなく、無制限となっています。
そのため、万が一治療のために入退院を繰り返した場合でも安心です。 - 3.通院給付金
- がんの通院治療をしている場合に支払われる給付金。
入院したかどうかに関わらず、手術、抗がん剤治療、放射線治療のための通院に対して保障されます。 - 4.手術給付金
- 日帰り手術を含む、がん治療のための手術を受けた場合に支払われる給付金で、入院給付金と同様、無制限に受け取ることができます。
- 5.先進医療特約
- 医療保険の項目でも説明した、国内ではまだ有効性や安全性を確認している段階の「先進医療」を受けた場合に給付金が支払われる特約(オプション)です。
貯蓄があるなら、無理に入らなくてもいい?がん保険の選び方
先ほどお伝えしたように、日本人の2人に1人がかかる可能性のある「がん」・・・。
こう聞くと、とにかく「がん保険」に入っておかないと不安な気持ちになってしまうかもしれません。
しかし、がんとはいえ、健康保険が適用される病気であることには違いありません。
一度冷静になった上で「本当に入る必要があるのか?」「入る場合はどんな保険を選ぶべきなのか」を考えていきましょう。
貯蓄が150万円あるなら、がん保険に入らなくていい
そもそも論ですが、がん保険は、医療保険と同じく貯金が150万円程度あれば入る必要性は少ないといえます。
参考:がん保険は本当に必要!?がんの治療費とがん保険の基礎知識
というのも、がんの治療にも医療保険と同じように、「高額療養費制度」が適用されるため、仮に1ヶ月に100万円の治療費がかかったとしても、自己負担額は“8万7,430円”(前述の表の【区分ウ】:月収28~50万円以上)ですむからです。
ただ、がんの場合は治療が長期にわたり、上記の負担が複数回にわたるケースもあります。
しかし、1年間で高額療養費に該当する月が4回を超えると、4ヶ月目からは1ヶ月の自己負担額が4万4,400円に減るんです。
さらに、医療保険の項目で説明したのと同様に、サラリーマンや公務員の方であれば「傷病手当金」の制度も利用できます。
もちろん、入院時に個室を利用したい(差額ベッド代:1日5,000円~)、健康保険以外のリバビリサービスを充実させたい(自費:1回6,000円~9,000円)といった場合などは、自己負担額が大きくなるので加入を検討してもいいかもしれません。
とはいえ、「がん保険」はがんにならなければ使えないものです。
「貯蓄」であれば、がん以外の病気の治療やその他の健康管理に必要な費用としても柔軟に使えます。
ですので、貯蓄が150万円以上ある人は、ムリしてがん保険に入る必要はないといえます。
がん保険に入るなら、月3,000円程度の「診断給付金」が充実している保険がオススメ
上記のとおり、がんは長期の治療になる場合が多いため、150万円以上の貯蓄がない人であれば「がん保険」に入ることを検討してもよいでしょう。
その際は、あれこれ保障が付いているものより、月3,000円程度の「診断給付金」が充実しているシンプルながん保険がオススメです。
なぜなら、「診断給付金」に関しては、がんと診断されたら確実に給付金が払われるので、どのようながんの場合でも保障が適用されるからです。
しかし、たとえば、がんの治療が投薬治療だけになった場合は「手術給付金」が出なかったり、治療が通院だけになった場合は「入院給付金」が出ない場合があります。
このように、色々と保障をつけていてもムダになってしまう場合があるため、「診断給付金」が充実したプランで、月3,000円程度のものに入っておけば間違いないといえるでしょう。
また、がんは再発したり転移したりすることがあるため、診断給付金が複数回支払われるものもあります。
ただ、複数回の支払い条件は厳しいものも多いため、注意が必要です。
(がん保険の診断給付金について詳しく知りたい方は、以下の記事を確認してみてください)
参考:がん保険は月3,000円程度で十分?プロが教えるがん保険の見極め方
●終身型より定期型の方がオススメ
がん保険に入ることになった場合は、一生入り続ける「終身型」よりも、10年など期間が決まっている「定期型」にするのがオススメです。
というのも、60~65歳以上になれば年金や退職金、貯蓄などから医療費がまかなえることが多くなり、保険が必要なくなるからです。
また、高齢になるほどがんになる確率は高まりますが、先ほど説明した通り、70歳以上は「高額療養費制度」により、1ヶ月の医療費の上限額が“4万4,400円”になるため、負担が少なくて済みます。
なので、子育て中や若い時期など、貯金が少なく費用面の保障がほしい時期にだけ、定期型のがん保険に入っておけばいいといえます。
もし、既に終身型に加入している方の場合は、65歳くらいまでには解約することを前提にして、貯蓄しておくとよいでしょう。
3.生命保険は、あなたが亡くなった時のため、家族に困らないだけのお金を用意する保険
「生命保険(死亡保障)」とは、万が一、あなたが死亡してしまった時に、あなたの家族に支払われる保険金のことです。
あなたが亡くなった後、“家族の中に経済的に困る人がいる場合”、“困らないだけのお金”を用意しておく必要がありますよね。
そんな生命保険の保障内容は、主に以下のふたつです。
- 1.死亡保険金
- 被保険者の死亡時に、家族などの受取人に支払われる保険金。
- 2.高度障害保険金
- 被保険者が病気やケガなどで“回復の見込みがない重度の障害のある”状態になった時に支払われる保険金。
たとえば、両眼の視力や手足の機能を永久に失った時など、死亡保険金と同額の高度障害保険金が支払われます。
平成27年度生命保険文化センターによると、生命保険には全国民の89.2%の世帯が加入しています。
医療保険の加入率である74%を超える、約9割近くの世帯が加入しており、それだけ「もしもの時のために必要だ」と考えている人が多いんですね。
そんな、全国民の9割近くの世帯が加入している生命保険ですが、そもそも本当に必要なのでしょうか?
その判断基準とともに、選び方を確認していきましょう。
そもそも必要?生命保険が必要かどうかの判断基準と選び方
生命保険が必要かどうかの判断基準は、ズバリ「あなたが亡くなった後に、家族の中に経済的に困る人がいるかどうか?」です。
あなたに「あなたの収入だけで生活している家族」「自分が養育している家族」がいる場合は、あなたが死亡したら、その後の家族の生活が成り立たなくなってしまいますよね。
このような場合は、生命保険が必要になると考えてよいでしょう。
逆に、独身で一人暮らしの方や、子どもや扶養家族がおらず専業主婦をしている方の場合は、生命保険は必要ありません。
まれに、10歳の子どもに保険を掛けている親御さんがいますが、上記の基準に照らし合わせて考えば、もちろん必要がないですよね。
参考:その生命保険、実はムダだらけ?後悔しない生命保険の入り方
生命保険に入らなくとも、遺族年金や死亡退職金がある
とはいえ、「9割近くもの世帯が入っているんだから、自分も入らないと心配・・・」と思う人もいるかもしれません。
しかし、万が一あなたが死亡した場合でも、厚生年金か国民年金に加入していれば、残された家族には「遺族年金」(遺族に支払われる補償金)が支払われます。
また、退職金制度のある会社に勤めていれば、勤務先から「死亡退職金」が支払われる場合もあります。
そのため、生命保険に入る必要があるかどうかは、ご自身のライフスタイルや会社の退職金制度の有無を一度見直してから判断してもよいでしょう。
生命保険に入る場合は、一定期間だけ保障される“掛け捨て”の定期型がオススメ
もし、生命保険に入る場合は、一生涯の終身型ではなく“掛け捨て”の定期型のものに入るのがオススメです。
たとえば、“子どもが自立するまでの教育費や生活費を備えておきたい”という場合は、保障が必要になるのは子供が大学を卒業し独立するまでの期間だけです。
その間だけ、定期型の生命保険に入っておけば、保険料を必要以上に払うことはなく、最小限に抑えられますよね。
●定期保険と終身保険では保険料に9倍もの差がでる!?
例えば、30歳の男性が保険金額1,000万円の金額を得るのに、定期保険と終身保険に入った場合を比べてみると、以下のようになります。
【30歳男性の場合】
(※この表はあくまで一例で、実際の保険料は保険会社によって異なります)
保険の種類 | 定期保険 | 終身保険 |
---|---|---|
保険金額 | 1,000万円 | 1,000万円 |
保障期間 | 10年 | 一生涯(終身) |
月額保険料 | 1,300円 | 12,000円 |
加入後10年間保険料総額 | 156,000円 | 1,440,000円 |
加入から10年間の保険料総額は、定期保険は15万6,000円なのに対し、終身保険では144万円、その差額は128万円にのぼり、保険料に9倍もの差が出てしまいます!
これだけのお金があれば、投資や子どもの教育費など、様々なことに回すことができますよね。
以上のことから、生命保険に入るなら、掛け捨てで定期型の生命保険に入るのがオススメだといえます。
参考:保険料の差が9倍!?生命保険で一生涯保障を選ぶのはNGな理由
ここまで、医療保険・がん保険・生命保険と説明してきました。
どれも、私たちにとっては身近な保険という印象でしたね。
ここからは、“海外旅行が好きでよく海外に行く人”にとってはさらに身近な保険である「旅行保険」について説明していきます。
4.盲腸の手術で200万円?海外旅行に行く際には必ず確認したい旅行保険
「旅行保険」とは、主に海外旅行中に、病気やケガをした場合に保障される保険です。
例えば、病気やケガ治療のために医療機関にかかると、海外ではなんと数百万円ものお金がかかってしまうことがあるんです・・・!
具体的な海外での治療費の例をあげてみると、以下のようになります。
- 盲腸(虫垂炎)の手術を受けると約200万円
- アキレス腱断裂の手術をすると約330万円
参考:虫垂炎で200万円!?海外旅行で旅行保険に入らないと超危険!
このような多額の医療費は、すぐに支払えない可能性が高いです。
借金してまで治療費を捻出することになるなんて、とてもイヤですよね・・・。
せっかくの海外旅行、心置きなく楽しむためにも「旅行保険」のことを確認しておきましょう!
クレジットカードに付いている保険だけでは足りない?旅行保険の選び方
「旅行保険」といえば、クレジットカードをもっている人は、カードに旅行保険が自動的に付帯されていることをご存じの方も多いと思います。
クレジットカードによって詳細は異なりますが、この保険は旅行中に起きた傷害死亡の全額や、病気やケガの治療費用などを保障してくれるものです。
ということは「クレジットカードさえもっていれば旅行保険に入る必要はないのでは?」と思うかもしれません。
しかし、クレジットカードだけでは、先ほど紹介したような「高額な治療費」に対しては心細い場合がありますので、プラスアルファの旅行保険に入っておくことをオススメします。
クレジットカードを持っていれば「海外旅行傷害保険」が自動的に付いている
先ほどお伝えしたように、大抵のクレジットカードには、「海外旅行傷害保険」という旅行保険が自動的に付いています。
海外旅行損害保険の詳細な内容は、クレジットカードによってそれぞれ異なりますが、旅行中に起きた傷害死亡の全額や、病気やケガの治療費用、賠償責任が発生した場合など、さまざまなことを保障してくれます。
しかし、クレジットカードの治療費の補償額は通常、50万円~300万円程度のものがほとんどです。
所有しているクレジットカードの枚数にもよるのですが、さきほど紹介したような“盲腸で約200万円”、“アキレス腱断裂の手術で約330万円”の治療費用がかかることを考えると、心許ないといえます。
そこで、クレジットカードの保険とあわせて、別途旅行保険に入っておきましょう。
旅行会社にすすめられる保険はパックになっていることが多いため、保障がダブらないようにしよう
旅行会社で勧められる保険は、さまざまな保障内容がセットになったパック商品である場合が多いです。
つまり、クレジットカードに付帯されている保障内容がダブってしまうことがあります。
そのほかにも、すでに生命保険に加入している場合など、もし海外で死亡しても死亡保険金が受け取れますから、旅行保険で別途「死亡保障」を付ける必要性は低いといえます。
そのため、可能なかぎり「治療費用」などの不足していると思われる保障を、必要なだけ確保できる保険を選ぶことをオススメします。
参考:虫垂炎で200万円!?海外旅行で旅行保険に入らないと超危険!
そしていよいよ最後は、「介護保険」について説明します。
65歳以上の人口が21%を超え、「超高齢化社会」になっている日本では、「介護保険」は医療保険やがん保険以上に身近な保険といえるかもしれません。
もし、あなたに年配の親御さんがいらっしゃるのであれば、決して他人事ではありませんよ。
5.介護保険は40歳以上に加入義務がある公的な保障制度
「介護保険」は、親世代の介護の負担を社会全体で分担するという考えのもと、2000年にスタートした保証制度です。
市区町村が運営する公的な制度なので、医療保険や生命保険などのように、選んで入るものではありません。
介護保険は、40歳以上のすべての人に加入義務があります。
40歳~64歳までは健康保険料と一緒に、65歳以上までの人は年金から天引きする形で保険料を支払っているです。
介護保険で利用できるサービス
介護保険で受けられるサービスには、大きく分けて以下の2つがあります。
- 在宅で過ごす人向けの「在宅サービス」
- 高齢者施設を利用する人向けの「施設サービス」
ヘルパーさんに訪問してもらうか、こちらから出向くかの違いはありますが、どちらも食事や入浴の介助、リハビリなどのサービスを受けることができます。
ただし、上記の介護保険のサービスだけでは、介護が充分ではない場合もあると思います。
その場合、自治体や民間企業による、以下のようなサービスを検討するとよいでしょう。
- 配食サービス
- 家事支援サービス
- 外出の付き添いサービス
- 訪問理美容サービス
これら以外にも様々なサービスがありますが、民間のサービスのため介護保険は適用外となり、全額自己負担となってしまう点は覚えておきましょう。
「介護度」によってサービスの利用限度額と自己負担額が変わる
介護保険を利用できるのは原則的に「65歳以上で介護が必要になった人」ですが、40歳~64歳でも認知症や脳卒中(脳血管疾患)など、加齢による病気で介護が必要の状態になった場合は利用可能となっています。
そんな介護保険は、「介護度」によってサービスの利用限度額と自己負担額が変わります。
「介護度」とは、日常生活においてどの程度介護が必要かを表す指標で、以下のように7段階に分かれています。
介護度 | 心身の状態の例 |
---|---|
要支援1 | 食事や排泄はほとんど自分でできるが、掃除などの身の回りの世話の一部に介助が必要。 |
要支援2 | 要支援1の状態から日常生活動作の能力が低下し、何らかの支援又は部分的な介護が必要な状態。 |
要介護1 | 食事や排泄はほぼ自分でできるが、身の回りの世話に何らかの介助が必要で、立ち上がり等に支えがいる。 |
要介護2 | 食事や排泄に介助が必要なことがあり、身の回りの世話全般に介助が必要で、立ち上がりや歩行に支えがいる。 |
要介護3 | 排泄や身の回りの世話、立ち上がり等が自分でできない。 また、歩行が自分でできないことがある。 |
要介護4 | 排泄や身の回りの世話、立ち上がり等がほとんどできず、歩行が自分でできない。 問題行動や全般的な理解の低下がみられることがある。 |
要介護5 | 食事や排泄、身の回りの世話、立ち上がりや歩行等がひとりでできず、意思の伝達がほとんどできない。 |
基本的に、「要介護」で数字が大きくなるほど、多くの手助けを必要とする状態です。
介護度別に、1ヵ月あたりの利用限度額と自己負担額の目安をまとめると以下の通りになります。
介護度 | 利用限度額 | 自己負担額 |
---|---|---|
要支援1 | 49,700円 | 4,970円 |
要支援2 | 100,400円 | 10,040円 |
要介護1 | 165,800円 | 16,580円 |
要介護2 | 194,800円 | 19,480円 |
要介護3 | 267,500円 | 26,750円 |
要介護4 | 306,000円 | 30,600円 |
要介護5 | 358,300円 | 35,830円 |
要支援1と要介護5で比べてみると、サービスの利用限度額には、実に30万円以上の違いがあります。
参考:親と自分の将来のために知っておこう!介護の負担を軽くする方法
と、ここまで介護保険そのものの説明をしてきました。
「結局、介護にはいくらお金がかかるの?」という点が気になっている方も多いと思います。
ということで、介護保険には一体、どれくらいの費用がかかるのかを確認してみましょう。
介護保険の平均費用は300万円程度
厚生労働省の調査によると、1ヶ月あたりの介護の平均費用は、医療費用を含めて「5万7,162円」です。
要介護の状態になれば医療も必要になるため、医療費も含めて計算をしているんですね。
そして、介護の平均期間・・・つまり介護が必要になってから亡くなって看取るまでの平均期間は4年9ヶ月です。
(今まさに介護をしている方にはつらい表現かもしれませんが、ご容赦くださいね・・・)
これらの平均費用と期間を計算すると、5万7,162円×4年9ヶ月 =約326万円。
金額も期間もあくまで平均値を使ったものなのですが、おおよそ300万円程度をひとつの「目安」と考えるとよさそうです。
参考:親と自分の将来のために知っておこう!介護の負担を軽くする方法
介護費用は、介護を受ける人自身が負担するのが基本
介護におよそ300万円ものお金が必要だと聞くと、かなり負担が大きいと感じますよね・・・。
問題は、「この金額を誰が負担するのか?」ということかもしれません。
厚生労働省のアンケート調査によると、「親、つまり介護を受ける人自身が負担している」という回答が50%以上を占めています。
介護が必要な親がいる世代でも、まだまだ子育て中の人は多いでしょう。
そんな場合、養育費などで生活に余裕がなく、大変なご家庭も多いはずです。
基本的には、親自身が介護保険の制度をしっかり利用して費用をまかない、子どもは無理のない範囲で貯金をしておきサポートする、という程度にしておきたいものですね。
「介護休業」を使えば最長93日間会社を休むことができ、給料が一部支給される
もし、費用面で介護サービスを頼むのが難しい場合、あなた自身が「介護休業」をとり、親御さんの介護をするということは可能です。
介護休業とは、「介護休業制度」という法律で定められたもので、介護が必要になった家族一人につき、最長93日間の間、会社を休むことができる制度です。
(93日以内であれば、複数回に分けて休みをとることも可能)
また、その間、会社から賃金が出なかったり賃金が一部カットされた場合には、給料の8割に達するように「介護休業給付金」を受けとることができます。
(給与の8割を超えている場合は支給なし)
介護休業は、意外と知らない人も多いので、ご自身で介護することも視野に入れ、この機会にぜひ覚えておきましょう。
というのも、介護を受ける側の親御さんによっては「なるべく家族以外に世話して欲しくない」と考えている方もいます。
そのほかにも「自分でできることはなるべく自分でしたい」と思っている場合もあり、介護に必要なものは単純にお金やサービスだけでなく、ケースバイケースになることが多いです。
そのため、親に「介護が必要な状況になったらどうしてほしいか?」など要望を事前に聞いておき、その要望にあった準備をしておくことが大切です。
【最後に】保険に入り直す際の注意点
ここまで、5つの保険についてご説明してきました。
詳しくお読みいただいた方の中には、「今、保険にムダに払いすぎているから解約したい!」「介護の貯金のため、今入っている保険を安いものに変えたい」と感じている方もいるのではないでしょうか。
見直した上で不要な保険の解約のするのはいいのですが、ひとつ注意点があります。
それは、今の保険を解約して、新しい保険に入り直す際、病歴や持病がある人によっては、審査により新たに保険に加入するのが難しい場合があります。
そのため、新しい保険に入り直したい場合は、必ず先に新しい保険に加入してから、今の保険を解約するようにしてくださいね。
いかがでしたか?
今回は、これまでお伝えしてきた記事の内容を、「知らないと損する保険の全知識まとめ」として、ひとつの記事にまとめてお送りしました!
非常に長い記事になってしまって恐縮ですが、もし今後「自分の人生にとって本当に必要な保険は何か?」と思ったら、この記事を時々見返してもらい、役立ててもらえると幸いです。