決めてからあっという間な気もするし、とても長かった気もする。
付き合って4年目、住居を共有して1年と少し。
明日には姓を共有するらしい。
彼もそうだし、彼の母だってそうだ。
金曜は実家に帰って泊まった。
それはきっと、言葉による区切りや変化をつけようという意志がないのだろう。
プロポーズとは違う。
数年担当をお願いしているその人は、私の母親譲りの栗色の髪を褒めつつ、
「式に向けて伸ばすんじゃなかったの?」と笑う。
私の堪え性のなさを少し呆れながらも、ウェディングでアレンジしやすい長さにしてくれた。
ふたりとも気に入ったそれは、情熱的なデザイナーが描き、頑固なドイツの職人が作ったもの。
試着し写真を撮っただけで元の箱にしまい、明日の出番を待っている。
お気に入りのワインを買って、予約した特注のケーキを取りに行って。
そして今この瞬間が、これからの人生の基盤のひとつになるのなら
なかなか軽やかな軌跡を歩くことになっていきそうだ。
この先どんなことがあるのかわからないけど
とにかく今は幸せで、嬉しくて、
そして、ほんの少しだけ、切ない。