この世に生を受けて5年目に、僕はある女の子に恋をした。
その恋は色々な思い出を生み出し、8年後に終わりを告げた。
そこから2年後、彼女は別の高校へ進学となり会うこともなくなった。
この時、僕の初恋は完全に終わりを告げた。
色鮮やかに彩られた8年間は僕にとってかけがえのない宝物となっていた。この思い出達は決して色褪せることなく、ずっと僕の人生に寄り添っていていた。
そして先日、ちょっとしたきっかけで再会した。僕の永遠のアイドルと。
卒業して20数年たっていたが、彼女は彼女のままだった。何にも変わってない。これがどれだけ僕にとって重要だったかは他の人にはわかるまい。
20数年ぶりに見た彼女は相変わらずキラキラしていてとても眩しかった。故になかなか話しかける事ができなかった…。
今まで散々デタラメな事をやってきたけど、まだこんな心が残っていたことに自分でも驚いた。
距離が近づき声をかけた。
「◯◯ちゃん!」
彼女は笑った。
これが凄く嬉しかった。僕の中では、彼女は太陽そのもので常に笑ってるイメージだったのだ。
そして今でも、その頃の輝きのまま凄まじい光を放っていた。
「久しぶり会うとがっかりする」なんてよく聞くけど、残念ながら僕には当てはまらなかったよ。
あの頃のままだ。
離れていた時間を埋めるように当時の思い出をたくさん話した。彼女はずっと笑っていた。それがほんとに嬉しかった。
楽しい時間もあっという間に過ぎ、別れの時。
「またね!」
そう言って彼女はハイタッチをしてくれた。
ふと気付くと、僕は小学生に戻っていた。