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英参戦、ブレア氏を糾弾…独立調査委報告

イラク戦争に関する各国政府の主な検証の比較

「行方見誤る」

 【ロンドン矢野純一】英国が2003年にイラク戦争に参戦した際の英政府の意思決定過程と、その後のイラクやアフガニスタンでの対応について検証する独立調査委員会(チルコット委員長)は6日、7年に及ぶ調査を経て最終報告書を公表した。参戦を決定した当時のトニー・ブレア首相(労働党)について「平和的な解決を最後まで求めずにイラクに侵攻した。軍事行動は最終手段ではなかった」と結論を下し、ブレア氏の決定を厳しく糾弾した。イラク侵攻の政府判断を厳しく指摘した報告書は英国だけでなく国際社会が他国へ武力行使を決断する過程に影響を与える可能性もある。

     報告書は、情報機関が中心となって02年9月に作成し、ブレア政権が参戦の根拠として下院に示した、イラクが生物・化学兵器を保有し差し迫った危機があるとするイラク大量破壊兵器報告書について、「脅威の評価は正当化できない」と判断。「イラク侵攻後の行く末を見誤り、(当時のイラクの)サダム・フセイン大統領を排除した後の計画や準備は完全に不足していた」と指摘した。独仏がイラクで行われていた大量破壊兵器の査察の継続を求めて軍事侵攻に反対していたにもかかわらず、国連安保理の決議を経ずに参戦したことについて「(国際法上の)法的根拠を十分に満たしていたと言うには、ほど遠い」とした。

     同委員会には訴追など法的権限はないが今後、最大野党の労働党を中心に、議会でブレア元首相ら当時の政策決定に関わった閣僚や情報機関トップら官僚の公務員資格停止などの弾劾が行われる可能性が高い。

     ブレア氏は報告書公表後に声明を出し、「私は誠実に国の利益になると信じて行動した。中東や世界各地で起こっているテロが、イラク戦争に起因しているとは思っていない」と反論した。

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