猫の目は丸くて可愛らしいのが特徴的ですが、健康状態が出やすい部分でもあります。また他の動物と比べても猫は、目やにをよく出す傾向にあります。目やにとは目から出る分泌物であり、目の表面にある粘膜に涙や老廃物やほこりなどが合わさって出来るようになっています。これらが目から出てしまうのは正常な事ですが、場合によっては病気やけがが原因になっているものもあるため、注意してじっくりと観察する事がとても重要になります。観察する際には、色や量やどちらの目から出ているのか、両目から出ているのか、目自体の様子などを細かく見ていく事がポイントになります。そこで今回は、猫の目やにについて詳しくご紹介させていただきます。
★目やにの出やすい猫の目
犬と比べて猫は目やにが出やすい傾向にありますが、犬と猫とでは目やにが出る仕組みには特に違いは見られないのです。では、なぜ猫の方が目やにが出やすいのでしょうか?
少しの量の目やには、正常な代謝活動によるものと考えられています。しかし細菌感染を起こしてしまうと、涙に膿が混ざってしまうのです。他にもアレルギー反応が起きたり、目に傷がついたり、ウィルスなどが入って炎症を起こしてしまうと、目やにが大量に出てしまう事があります。これは目を守るために、免疫反応が起きているためです。
しかしこの状態のまま放っておくと、二次的に細菌感染を起こしてしまうのです。この状態になると、膿状の目やにが出て来るのです。
これらの事から犬が猫よりも目やにのトラブルが多いのは、犬よりも猫の方が細菌やウィルスに感染しやすいためと考えられます。特にペットショップで売られている猫よりも、捨て猫を拾った場合にはその猫は細菌やウィルスに感染している可能性が高くなります。
★目やにが出た際に注意するポイント
目やにが出た場合には、まず色や量を確認する事が重要になります。目頭から目の縁に赤から赤褐色の目やにが少しついている場合は、正常な新陳代謝による目やにになります。目やにの色が黄色から緑色、もしくは白色の場合は、細菌感染を起こしている可能性があります。外傷や花粉症やアレルギーによる目やにの場合は、透明で涙はさらさらしている状態になります。
次に確認しておきたいことは、どちらの目から出ているかを見る事です。両目から出ている場合には、細菌やウィルスが感染している事があります。片目から出ている場合は、外傷の可能性が高くなります。
最後に目やにの状態だけを確認するのではなく、目の様子を見る事も重要になります。痛がっている場合や、瞳孔が左右で違った大きさになっている場合や、通常透明な部分が濁っている場合や、まぶたをめくると腫れたり白目が充血している場合には、すぐに受診する必要がありますので、注意しておきましょう。
★目やにを防ぐケア
目やにがついたままの状態にしておくと固まってしまうため、その都度コットンやガーゼを湿らせてこまめに拭いてあげる事が大切です。ただし拭く際には、眼球に触れてないように気をつけましょう。また人用のウェットティッシュなどのようにアルコール成分が入っているものは、目にとって刺激が強すぎますので、必ずペット専用か赤ちゃん専用のウェットティッシュを使用するようにします。細菌やウィルスによる感染で目やにが出ている場合に、とても感染力が強くなりますので他の猫にも感染しやすい状態になります。そういった状況を避けるためにも、出来るだけ早めに受診をするようにしましょう。
軽い風邪でも、すぐに治るだろうと思い放っておく事で気管支炎や肺炎を起こしてしまう可能性もありますので、自然に治るだろうと軽く見ないで、出来るだけ受診をするようにする事が重要です。特に子猫や高齢猫の場合には、注意をしてあげましょう。
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