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11時間後鎮火 狭い路地などで長期化

先斗町火災で屋根が焼け落ちた店舗=京都市中京区で2016年7月6日午前10時、本社ヘリから加古信志撮影

 京都五花街の一つ、先斗町(ぽんとちょう)で5日夜に発生した火災は6日午前6時過ぎ、発生から11時間後にようやく完全に消し止められた。京都府警と京都市消防局は6日午前、出火した京都市中京区橋下町の居酒屋「茜屋(あかねや)純心軒」などの実況見分を計30人で始めた。消防などによると、この店の店員が「団体客用の炭を1階厨房(ちゅうぼう)で焼いていたら燃え上がった」と話しているという。

 火災は5日午後7時10分ごろに発生し、木造2階建ての店約75平方メートルと、南隣の飲食店約60平方メートルを焼いた。市消防局によると、先斗町は細長い路地で現場に近づきにくいうえ、建物も長屋のような複雑な構造で目で確認しにくく、消火活動が長期化した。

 周辺の一部店舗は通常通り開店したが、焦げ臭いにおいが漂うなかで店主らが道の廃材を洗い流す姿があった。飲食店の男性料理長(37)は「今晩も予約が入っているが警察から断ってほしいと言われた。だが、仕入れも終わっているし……」と困惑した様子だった。

 地元住民でつくる「先斗町まちづくり協議会」によると、会では各店舗などに消火器の共同購入を呼び掛け、年1回の防災訓練で消火器の扱い方を確認している。観光客に対しても路上喫煙禁止を呼び掛けていた。ただ、新規店舗の参入が近年多く、訓練の参加者は減っていたという。

 建築基準法では、建物に接する道路は車両が入れるよう4メートル以上の道幅を必要とする。しかし先斗町の道幅は2、3メートルほどで、焼失した建物の建て替えは認められない可能性が高いという。協議会の神戸啓事務局長(39)は「細い路地があってこその先斗町の景観で、火災には特に注意してきただけに残念だ。飲食店には改めて防火へ注意喚起したい」と話している。【鈴木理之、川瀬慎一朗】

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