米軍属が殺意否認 準機関紙に手記
沖縄県うるま市の女性会社員(20)に対する殺人や強姦致死などの罪で起訴された元米海兵隊員で米軍属のシンザト・ケネフ・フランクリン被告(32)が「殺すつもりはなかった」と殺意を否定していることが6日、分かった。米軍準機関紙「星条旗新聞」(電子版)が報じた。捜査関係者によると、シンザト被告は逮捕当初は殺人への関与を認めていたが、その後は黙秘を続けているという。
シンザト被告が同紙に寄せた7月2日付の手記では、5月の逮捕当初に殺害をほのめかし、その後黙秘に転じた理由について「2度の自殺未遂をした後に身体的にも精神的にも最も弱っていた。県警はそうした事情を考慮することなく逮捕し、とても動揺した」と説明。「殺すつもりはなく、レイプもしていない」と主張している。
今月4日に弁護人を通じて裁判員裁判を那覇地裁でなく東京地裁で開くよう求めたことについては「沖縄の人々は裁判所を取り囲み、傍聴し、裁判員にプレッシャーを与える」「(裁判員は)真実を話しても信じず、冷血な凶悪犯による事件だと考えて死刑を宣告する。那覇地裁は信用できない」としている。
起訴状などによると、シンザト被告は4月28日午後10時ごろ、うるま市の路上で、女性の頭を棒で殴って両手で首を絞め、ナイフで首付近を数回突き刺すなどの暴行を加えた。そのうえで性的暴行を加えようとしたが目的を果たせず、一連の暴行によって殺害したとされる。【川上珠実】