梅雨の時期は体が重い、頭痛がする、何となく体調が悪い・・・と、不調を訴える人が増えますが、さまざまな不調には「共通する原因」が隠れています。
それは低気圧。
今回は、低気圧と頭痛の関係や、梅雨時の頭痛におすすめの市販薬などについて詳しく解説します。
梅雨時の頭痛のメカニズム
梅雨前線がもたらす長雨のことを「梅雨」といいますが、梅雨前線が長く停滞すると、上空の気圧は周囲と比べて低い状態が続きます。
さらにその前線上に低気圧が発生すると、周囲の気圧は一層低くなります。
梅雨時の大雨は、低気圧の周囲に雲が集まりやすいことで起こるのですが、この時私たちの体も知らないうちにさまざまな影響を受けています。
そのひとつが血管の拡張です。
低気圧によって外からの圧力が低くなると、体内の血管が拡張。すると、血管の周囲の神経が圧迫されて痛みが発生します。
特に頭部は硬い頭蓋骨に包まれているので、圧迫された神経はさらに刺激を受けやすく、それが「何となく頭が重い」とか「頭痛」として感じられるのです。
頭痛を悪化させるヒスタミン
血管が膨張して周囲の神経が圧迫されると、その刺激は脳に伝わってヒスタミンが分泌されます。
ヒスタミンはアレルギーを引き起こす物質として知られていますが、知覚神経を刺激するとともに毛細血管をさらに拡張させる作用もあるため、頭痛が悪化します。
梅雨時の頭痛におすすめの市販薬
1.シンプルな頭痛薬で対処
梅雨時の頭痛は、風邪の時と違って発熱や悪寒、だるさなどがありません。ですから総合感冒薬ではなく、シンプルな頭痛薬の使用がおすすめです。
・ タイレノールA 20錠(武田製品工業)
アセトアミノフェン配合。中枢神経に作用する解熱鎮痛剤で、空腹時にも使用できます。
2.抗ヒスタミン薬で対処
抗ヒスタミン薬は花粉症などのアレルギー症状によく使われる薬ですが、痛みを引き越すヒスタミンをブロックして頭痛を緩和します。気圧の変化はめまいなども引き起こすため、梅雨時の頭痛には抗ヒスタミン薬の中でも乗り物酔いの薬がおすすめです。
・ エアミットサットF(佐藤製薬)
抗ヒスタミン成分の塩酸メクリジンと無水カフェインが頭痛を緩和・予防します。
5歳以上の子供から使用でき、水なしで飲める錠剤という手軽さも特徴です。
軽い頭痛の薬以外での対処法
1. コーヒーや紅茶、緑茶を飲む
梅雨時に何となく頭が重い、気分もすっきりしないという場合は、手軽な飲み物でも対処できます。
コーヒーや紅茶に含まれるカフェインは、自律神経の中でも交感神経を刺激して血管を収縮させる作用があり、頭痛対策に効果的です。
また、利尿作用によって体内の余分な水分を排出することも血管の収縮につながります。
ただし飲み過ぎは逆に頭痛を引き起こしたり、胃の粘膜を傷つけることがありますので、あくまでもほどほどに。気分転換を兼ねて1日1~3杯を、ゆったりとした気分で飲んでみましょう。
2. ガムを噛む
低気圧は血管を拡張させるとともに、顔面の奥にある副鼻腔の中の圧力も乱れさせ、痛みを引き起こします。飛行機が離着陸する時に頭が痛くなるのも、副鼻腔の圧力の乱れが関係しています。
ガムを噛むと、顔の筋肉や骨格が動いて副鼻腔の間の空気が抜けやすなるので、圧力の乱れが改善。
また、噛むことで顔や首筋の筋肉がほぐれて血流が改善されたり、交感神経も刺激されて血管が収縮されるなど、さまざまな効果があります。
いつも鼻が詰まりやすく、梅雨時になると症状が悪化して目の周りや目の奥が痛むような方は、一度お試しください。
おわりに
6月上旬から7月中旬にかけての梅雨の時期は、天気や気温だけでなく、気圧も不安定な状態が続きます。
それに伴ってさまざまな不調が出やすくなりますので、気候とうまく付き合いながら体調を整える必要があります。
同じ「頭痛」でも風邪の時とは違う対処法で梅雨を乗り切りましょう。