人質事件で犠牲 新たに5人の名前判明

人質事件で犠牲 新たに5人の名前判明
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今回の事件で亡くなった日本人7人のうち、新たに5人の名前が関係者への取材で分かりました。
名前が確認されたのは、酒井夕子さん、下平瑠衣さん、黒崎信博さん、小笠原公洋さん、田中宏さんの5人です。
5人は、いずれも東京の建設コンサルタント会社3社の社員や委託を受けていた技術者で、JICA=国際協力機構の委託業務でダッカの都市交通の計画に関するプロジェクトなどを共同で行っていました。
このほか、これまでに「アルメックVPI」の社員、岡村誠さん(32)が亡くなったという連絡が家族に入っています。
また、同じ会社の社員の渡邊玉興さんが銃弾が当たってけがをしています。

黒崎さんは海外の事業に意欲

今回の事件に巻き込まれた可能性がある黒崎信博さんは、東京・渋谷区の「オリエンタルコンサルタンツグローバル」のグループ会社、「オリエンタルコンサルタンツ」の社員として会社のサイトの中で業績が紹介されています。
それによりますと、黒崎さんは芝浦工業大学を卒業し、入社後は橋や地下歩道の設計に携わり、東京・虎ノ門の地下歩道の設計などを手がけていたということです。
この中で、黒崎さんは「海外では地下鉄などの需要はまだまだ多いと聞きます。年間1件でも海外案件に関わり、国内で得たノウハウで貢献したいですね」と海外での事業に意欲を示していました。

小笠原さんはエンジニアとして参加

今回の事件に巻き込まれた小笠原公洋さんは、東京・中央区の建設コンサルタント会社「片平エンジニアリング・インターナショナル」のエンジニアとして今回の事業に参加していました。
小笠原さんは4年前、JICAが手がけたアフリカ・ケニアでの高速道路建設事業に参加していて、この事業がイギリスの建設業界の専門誌に取り上げられた際、「地域の環境に配慮して建設をすすめる」という趣旨のコメントを寄せています。
また、小笠原さんのフェイスブックのページには、この頃にケニアで撮影したサバンナなど自然の風景の写真のほか、北海道とみられる山や川の写真が掲載されています。

田中さんは技術士として個人事務所を経営

今回の事件に巻き込まれた田中宏さんは、技術士として横浜市で個人事務所を経営していました。
日本機械学会のホームページによりますと、鉄道の技術に詳しく、海外との技術交流に数多く携わっているほか、去年11月には学会の会議で車両の技術について発表したことが紹介されています。
また、神奈川県立青少年センターのホームページによりますと、去年3月には、日本の鉄道技術が海外でどのように役立てられているかについて、市民向けに講演しています。