異変が起きたのは、参院選公示直前の6月19日、東京・吉祥寺でのことだった。
全国紙政治部記者が言う。
「安倍首相がJR吉祥寺駅前で選挙カーの上で演説を行なったんですが、聴衆から『帰れコール』の洗礼を浴びるアクシデントがあったんです」
現場を目撃した50代男性が証言する。
「安倍首相の演説を聞こうと、集まった聴衆は約2千人。ところが、『さよならアベノミクス』『うそつきは嫌い』『みんなのための政治』などと書かれたプラカードを持っている人がかなり交じっていて、首相が現れるや、いきなり『帰れコール』を叫び始めたんです。コールの声量はかなりのもので、首相の演説は半分も聞こえませんでした」
男性によれば、首相の登場前から、演説する丸川珠代環境大臣に「愚か者めが~」とのヤジが飛ぶなど、不穏なムードが漂っていたという。
「『帰れコール』は途中から『辞めろコール』に変わり、20分ほどの首相の演説中、ずっと続いていました。おかしかったのは首相がそのコールに反応してしまったこと。作り笑いを浮かべながら、『妨害している人がいますが、皆さん、こういうことはやめましょうね。恥ずかしいから』と反撃していた。一国の首相なんだからヤジくらい放っておけばいいのに、結構ムキになっていました」
この事態に、自民党関係者がこうつぶやく。
「なんだかイヤなムードだ。世論調査では自民の支持率は野党の倍以上もあり、勝利は確実なはずなのに、いざ選挙区を回ってみると“風”を感じない。自民は12年の衆院選、13年の参院選、14年の衆院選と3連勝中。さすがに国民は安倍自民に飽きを感じ始めているのかもしれない。そこに吉祥寺での『帰れコール』だ。なめてかかると、参院選でやけどを負いかねない」