政府、情報分析急ぐ 現地に副外相ら派遣へ
政府は2日昼、ダッカで発生した武装集団による人質事件に関し、首相官邸で国家安全保障会議(NSC)を開いた。情報分析を進めるとともに、現地で情報収集や関係者の対応にあたる海外緊急展開チームと木原誠二副外相を派遣することを決めた。
NSCには、安倍晋三首相、岸田文雄外相、麻生太郎副総理兼財務相らが出席。会議後に記者会見した萩生田光一官房副長官は、現地で警察が武装集団の立てこもったレストランに突入し、12人を救出し、うち2人が外国人だったと明らかにした。だが、日本人が含まれているかは確認できていないという。
これに先立ち、菅義偉官房長官は同日朝、首相官邸で記者会見し、「日本人が(人質に)含まれている可能性がある」と発表した。政府は、首相官邸に官邸対策室、在バングラデシュ日本大使館に現地対策本部を設置。政府のテロ専門家からなる国際テロ情報収集ユニットの要員を現地に派遣した。政府高官は「現地で連絡が取れない日本人が複数いる」としているが、人質になっているかは不明だと説明している。
安倍首相は、首相官邸に入る際、記者団に「情報の収集、事実関係の確認、さらにバングラデシュをはじめ関係各国と緊密に連携し、人命第一に対応するよう指示した」と語った。同日予定していた北海道での参院選遊説は取りやめた。岸田外相は外務省で記者団に「いかなる理由であれテロは許されるものではない」と強調した。【高本耕太】