『リア充、爆発しろ』今の僕の気分。
会社をやめて引きこもりになって3年たつ。
今日は夕方の6時までぐうぐう、寝ていた。
お金を節約するために、ネットもスマホも解約した。外界とのつながりは、ラジオと、ガラケーだけ。ラジオのスイッチ、オン。
「ガー、ガー、グッドイーブニング、DJニートだよ。金曜の夜は気が滅入るよね。街は、仕事から解放されたリーマンでいっぱい…」
DJニートは、僕の気持ちを代弁してくれる。
「さて、今夜、最初のお便りは、よし子さんから。『もう29になりますが、彼氏どころか、友だちもいません。寂しいです』」
DJニートは、しばらく沈黙し「大丈夫、僕なんか41年間、彼女も友だちもいない。でも、カメのトモコちゃんがいるから寂しくない。よし子さんも、ペットを飼うといいよ」
「次のお便りは、毎日グレーさんから。DJニートさんが好きな言葉はなんですか? 僕は『リア充、爆発しろ!』です。うーん、爆発よりも、爆笑しろって方が好きだなあ」
僕は、ラジオのスイッチを切ろうとした。
「最後のお便りは、銀麦さんから」
『!!!』僕が出した手紙だ。
「DJニートさん、こんにちは。あなたが流すラジオ番組が唯一の楽しみです。これからも頑張ってください。おカラダたいせつに」
放送コードに引っかかるくらいの沈黙ののちDJニートは、おごそかに、言った。
「DJニートのハッピーフライデーナイトは、今日で終了します。なぜなら、ビル清掃の正社員になれたからです。今まで、こんなど底辺DJの番組を聴いてくれてありがとう!」
「僕はニートを否定するつもりはないけど、やっぱり働いたお金で、缶ビールを飲みたくなった。働く理由はただ、それだけ」
「次にみんなに会える日を楽しみにしているよ!」とDJニートはラジオから消えた。
僕はコンビニに行くと、ボールペン、判子、履歴書を買った。幸せそうなカップルやファミリーがいたが今日は気にならなかった。(780字)
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