自民、小池氏中心に調整…桜井氏の説得困難
14日告示の東京都知事選(31日投開票)で自民党都連が、候補者を自民党衆院議員の小池百合子元防衛相(63)らに絞って最終調整に入ったことが都連関係者の話で分かった。都連は桜井俊前総務事務次官(62)に出馬要請したが、桜井氏は固辞する姿勢を崩しておらず説得は困難と判断したとみられる。党内には前岩手県知事の増田寛也元総務相(64)を推す声もあり、自民党は週内にも擁立候補を決定する方針。【川畑さおり、柳澤一男、山田奈緒】
都連関係者によると、桜井氏は6月27日に「退官のあいさつ」として首相官邸を訪れ、官邸サイドに「出馬要請を受けても断る」との意向を伝えた。29日には都連会長の石原伸晃経済再生担当相が面談して出馬の意思を確認したが、桜井氏は再度、その意向がないことを伝えた。
桜井氏は毎日新聞の取材に、出馬要請を受けたことを認め「家族に迷惑がかかることと、知事の器ではないという理由で断った」と話した。その後、都連や官邸側からの接触はないという。
一方、小池氏は29日に記者会見して都知事選への立候補を表明した。都連内には、幹部に相談もなく出馬会見を開いた小池氏への拒否感が根強くある。ただ、桜井氏の擁立が困難となり、「告示日が迫っていて時間がない」と小池氏容認論も広がりつつある。
増田氏については、党内に実務能力を評価する意見がある。一方、東京一極集中の弊害を訴える姿勢に違和感を覚えるという声もあり、今後、都議などの意見も集約して最終調整を図る。
「実務型」探り混迷
与野党の候補者選びは「実務型」をキーワードに進められてきた。著名人の猪瀬直樹元知事、舛添要一前知事が2代続けて「政治とカネ」の問題で辞職したことが背景にある。
都知事は1995年に就任した青島幸男氏以降、舛添氏まで4代連続で作家や学者出身の著名人。有権者が1000万人超の東京は知名度が票に結びつく傾向が顕著で、都職員の多くが都知事選を「人気投票」と皮肉る。
今回は猪瀬氏や舛添氏の問題を受け、与野党にも有権者にも「知名度優先の選び方は間違いだった」との認識が広がる。自民党都連会長の石原氏は候補者について「『出たい人』より『出したい人』」との考えを示した。
そこで浮上したのが「実務型」で、行政の現場に詳しい官僚出身者や知事経験者などが想定された。桜井氏や村木厚子前厚生労働事務次官(60)、増田氏や前鳥取県知事の片山善博慶応大教授(64)らの名前が挙がった。
こうした雰囲気を意識してか、橋下徹前大阪市長や東国原英夫前宮崎県知事は、メディアを通じて都知事選不出馬の意思を示す。
各党の都議には「国会議員はダメ」との声も広がる。政治資金の支出などで公私混同を指摘された舛添氏は、公用と私用の領収書を混在させて管理する方法について「同僚の政治家の多くもやっている」と説明した。都議らには「国会議員だと政治資金の使い方を徹底的にチェックされる」との意見がある。
これに対し小池氏は出馬表明した29日の記者会見で「全ての国会議員が黒かグレーかとなると違う」と語った。「東京に必要なことは都庁職員にもう1人行政官を増やすことではない」とも述べ、自身が環境相時代のクールビズ施策を挙げて「思い切った策を突破力でやっていくのはビジョンを持った政治家」と自負した。
野党4党での共闘を打ち出す民進党都連も党外からの人選を探りつつ、党内の現・元衆院議員4人への打診を明らかにしている。【飯山太郎、円谷美晶】