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 民主的な選挙は、政党や個人が争点を掲げて争う。今日ではおおよそ与党系、野党系の政党が争点をめぐって相互に相手を批判しあうのが通例である。争点をめぐる争いは有権者にとって選択を容易にするということであろう。数年前に民主党が政権についたときの選挙はマニフェスト選挙といわれ、きわめて具体的な課題と実現可能なはずの政策手段が提示された。だがこのマニフェスト選挙に勝利した民主党政権の失敗により、さすがにマニフェストはなりをひそめた。しかし、それでも公約をめぐる争いとは民主政治の基本であるという認識は変わらない。

 一応はそういってもよい。しかし、ここに実は大きな落とし穴がある。ある問題が争点として提示されると、そもそもそれがどうして争点になるのか、というその前提は見えなくなってしまう。さらには、争点化されない課題は、事実上、無視されてしまう。その上で、ひとたび争点として上程されてしまえば、後は、自己の主張の正当性を訴え、相手方をののしる、という「争い」が先行し、「争点」の「点」のあり方をめぐる論議などどこかへふっとんでしまう。確かにギリシャの昔からいわれたように、民主政治は「言論競技」に陥りやすい。

 そして今回の参議院選挙でも私はその感を強くする。

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