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 国家機密を扱う公務員の身辺調査基準について、大阪の弁護士が全面開示を国に求めた行政訴訟で、大阪高裁(森義之裁判長)は29日、一部開示を認めた一審・大阪地裁判決を取り消し、「非開示が妥当」とする判決を言い渡した。

 国は2007年に策定した「カウンターインテリジェンス(防諜(ぼうちょう))機能の強化に関する基本方針」で、外交や防衛など国家の安全に関わる機密情報「特別管理秘密」をスパイ活動から守るため、これを扱う国家公務員の身辺調査基準を規定。一審判決は、国が情報公開に応じなかった12カ所のうち、調査の際の留意点など3カ所は差し障りないと判断した。

 高裁判決は、単なる調査の留意点などでも、明かされれば日本政府の調査能力が推察される可能性があると指摘。情報公開法が例外的に公開しなくてもよいと定めた「国の安全が害される」「他国との信頼関係が損なわれる」などのおそれがある場合に該当し、国の対応は裁量権の範囲内だと判断した。

 原告の結城圭一弁護士は特定秘密保護法の立法の是非を検討する目的で提訴。判決後、「国の安全に関わることは一切漏らしてはならないという国の意向に裁判所がおもねったもので、腹立たしい」と話し、上告する考えを示した。