スペインの急進左派のポデモスは、26日投開票の総選挙に向けた選挙戦で、簡潔にして魅力的な公約を掲げた。スペインに「笑顔」を再び取り戻すというものだ。
この言葉は選挙戦のビデオやツイッター、ポスターで繰り返された。演説には必ず「スペインの笑顔」という党の公式スローガンが盛り込まれた。しかし、投票が終了し結果が明らかになった時、笑顔はなかった。
「結束すれば我々はできる」という意味のポデモスは、前回2015年12月の総選挙から今回、100万票以上も得票数を減らし、大敗を喫した。さらに悪いことに、ポデモスは直前、小政党と連合を組んだにもかかわらず、中道左派の社会労働党に取って代わり、同国左派の支配的な政治勢力になるという大きな戦略目標を達成できなかった。
今や欧州の反主流左派の主導的な代弁者となったイグレシアス党首だが、選挙結果に失望を隠そうとはしなかった。ただ、28日に出演した国内テレビでは、同氏はポデモスの成果を視聴者に必死にアピールした。
イグレシアス氏はポデモスが今回の選挙で20%以上を得票し、依然マドリードやバルセロナの市議会を支配していること、さらに若年層からは最も多くの票を獲得したことを指摘した。同氏は「我々は将来を担っている。遅かれ早かれポデモスはこの国を治めるだろう」と述べた。
懐疑派は、ポデモスにとって6月26日の総選挙が左派の覇権を勝ち取り、幅広い左派連合政権をつくる最高の機会だったとみる。実際、反緊縮政策を掲げるポデモスが5月に小政党の統一左派(IU)との連合を決めたのはこのためだ。世論調査では、ポデモス連合の候補者への支持が社会労働党を順調に上回っていた。投票締め切り直後の夜の出口調査でも、ポデモスが下院定数350議席のうち最大95議席を獲得し、社会労働党と合わせて過半数を握ることで、左派連合政権が誕生する可能性があるとみられていた。
■無党派層の支持失う
ところが、ポデモスが獲得した議席はわずか71議席で、社会労働党よりもかなり少なかった。スペイン高等科学研究院(CSIC)研究センターの政治学者で、最近ポデモスに関する著書を出したホセ・フェルナンデス=アルベルトス氏は「ポデモスは今のままでは頭打ちだという現実と向き合わなければならない」と言う。
同氏は「最近のポデモスの成功は、政治にほとんど関わってこなかった無党派層を取り込んだことが一因だったが、無党派層の支持を失った。改めて支持を得るのはきわめて難しいだろう。ポデモスへの支持は一過性だったことが判明した」と付け加えた。