2015年末までの余命を宣告されたと発表したサー中松博士(ドクター・中松)。今年6月26日には無事米寿(88歳)を迎えた。余命から半年を越えて、なお生き延びているのは、自らが「発明」した「サー中松博士のがん等病気撲滅の10の発明 治療法」のおかげと語る。そして、27日には「大復活誕生祭」を開催、自らの発明による“がん克服”を宣言した。
 後編ではその発明人生を振り返るとともに、今なぜ、日本で発明家が生まれないのかなどについても言及していただく。

(インタビュー・文=山田真弓 写真=小川拓洋)

 前編で2016年6月26日に88歳米寿の誕生日を迎えられたあかつきには大復活祭を行いたいと話し、「その日、私がプレスセンターに現れるか、それとも壇上にお棺が横たえられているか。みなさんにはぜひそれを見届けていただきたい(笑)」と発言していたサー中松博士(ドクター・中松)。

「サー中松博士大復活誕生祭」に登場したドクター・中松氏

 2016年6月27日、予定通り「サー中松博士大復活誕生祭」が開催された。もちろん、プレスセンターのホールにはドクター・中松が登場。記者や関係者らの大きな拍手で迎えられた。また予告通り、華やかなドレスに身を包んだドクター・中松オーケストラも登場。大復活誕生祭を終始、盛りあげていた。

 大復活誕生祭ではイグ・ノーベル賞創設者であるマーク・エイブラハムらの祝電が紹介された後、ついに世界初の発明として、がん攻撃ロボット「がんがんロボット」を世界初披露。座いす型のロボットにドクター・中松自ら座ってみせながら、ロボットの解説を行った。

 がんがんロボットには12の機能があること、これまでのがん治療機器とは異なること、1日20分照射すればよく、しかもがん以外の部位を傷つけることはないということなどを説明。また開発費用は約3億円、リース方式で月7万円で貸し出す予定だとも話した。なお受注してそれぞれのがんの状態をチェックしてから完成させるため、納入までに数カ月かかるのではないかという(最終ページにも写真)。

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がん攻撃ロボット「がんがんロボット」を披露するドクター・中松氏

 がんがんロボットの披露後は、大復活の次の目標を発表。「世界最長寿命を目指す!」だとし、新刊本『私は死んでる暇はない』(1800円)という漫画+文章によるハイブリッドブックの発売もその場で発表。112歳179日まで生きることを目標とした。

 記者から都知事選に出るかという質問が出ると、「都知事選はこれまでのようなただの人気投票で終わってはなりません」と指摘。都知事に求められる5つの資質を熱く語ったうえで、現状では出るという公言はしなかった。

 がんがんロボット発表、今後の目標、そして都知事選への熱弁からも、とても導管がんと闘っているとは思えぬ快活な様子だったが、はたしてドクター・中松は今、どんなメッセージを伝えたいと思っているのだろうか。

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